スピッツァー宇宙望遠鏡による44万以上のフレームの継ぎ合わせは、天の川内部起こっている激しい星誕生の肖像を生み出しました。
地球と太陽系の住民は、ホスト銀河を端から皿を見るような真横の眺めがあります。
私たちの展望から、天の川のほとんどは、銀河面を囲んで空一面に広がる光のぼんやりした狭い帯に凝縮されます。
このビデオは、銀河面が5つの構成要素で16区分にバラバラにされた画像をつなぎ合わせて作りました。
前半が南半球の、中程が赤道中心の、後半が北半球の夜空に浮かぶ天の川です。
さらに、このビデオは2度×120度の狭い空範囲ですが、天の川銀河の50パーセント以上を示しています。
映像に広がる赤い霞は、多環芳香族炭化水素と呼ばれる有機分子から生まれ、大規模な赤ちゃん星からの光によって照らされます。
これらの分子は、地球上で自動車の排気ガスやバーベキュー焼き網の黒こげ等に見られ、どこでもカーボン分子は、不完全燃焼します。
黒い区画の密集しているところは、スピッツァーの過敏な赤外線の目でさえ、突き通せない宇宙塵雲が覆い隠しています。
映像を通した白の明るい弧は、大規模な星の保育器です。
ビデオの中程で濃密に浮かぶ青っぽい白霞は、銀河中央の方の古い星の個体群からの星明りです。
これまで私たちの太陽系は、外縁に近い星の過疎田舎と思われていましたが、中央と外縁の中間の星の都会だったと、最近わかりました。
天の川は、真上あるいは真下から見るならば、とても綺麗な渦巻き状の銀河のようです。
銀河中央から2つの大きな螺旋腕が広がり、それらの螺旋腕からさらに小さな螺旋腕が、小枝のように伸びています。
私たちの太陽系は、オリオンの小枝の中にあります。
この映像でもわかるように、天の川銀河は至る所で星の誕生が見られ、宇宙の古参銀河の中でも若人銀河に引けをとらないようです。
絶えることなく星々が誕生し続けているということは、星を取り巻く惑星も誕生していることになります。
天の川銀河の4000億を超す星々には、それ以上の惑星があり、地球型惑星は最低でも20パーセントの星にあります。
宇宙が開闢して137億年、その歴史の中で生命の存在する惑星や衛星は、私たち太陽系の惑星地球だけではない。
この天の川に、この宇宙に、遍く存在し続けている。
この映像データは、スピッツァーの赤外線配列カメラで得られました。
映像は、3.6ミクロンの青、4.5ミクロンの緑、5.8ミクロンのオレンジ、8.0ミクロンの赤の光の4色複合です。
宇宙望遠鏡ビデオ「宿命・星誕生で荒れ狂う天の川の内部」 コスモス・ビジョン
惑星テラ見聞録
天の川銀河 星の誕生 地球外生命 宇宙望遠鏡 コスモス・ビジョン