1990年4月24日にスペースシャトル・ディスカバリーに運ばれて宇宙で独身滞在を余儀なくされたハッブル宇宙望遠鏡は、18周年を迎えた2008年8月10日午後8時42分(日本時間)に地球周回10万回に達しました。
その距離は、43億5千キロメートル、地球と月の5,700往復、地球と太陽の14.5往復、直線ならば地球から飛び立ってちょうど海王星に到達する頃です。
ハッブルは、10万回目の軌道の間に星団NGC 2074の近くで、タランチュラ星雲のほんの一部を熟視しました。
この領域は、星の創造の火事場風で、近くの超新星爆発によっておそらく誘発されます。
ここは、私たちのローカル銀河、大マゼラン雲の一角で、地球からおよそ17万光年離れた活発な星形成領域です。
三次元のように見える映像は、激しい紫外線放射の下で、ヘビ頭のような「創造の柱」、凄まじい白熱したガス状のフィラメント、劇的な塵の峰と谷を明らかにします。
領域は、新しい星の誕生のふ卵器で、暗い分子雲の端にあります。
NGC 2074の中で既に生まれた熱い若い星の集団から燃え上がる高エネルギーの放射が、ゆっくり遠方で侵食して星雲の壁を刻んでいます。
別の若い集団が、光り輝く青いガスの輪の下に隠されているようです。
この広さ約100光年の空想的な景観では、塵の暗い塔が、分子雲の表面上のガスの強烈な壁より上に現れています。
タツノオトシゴ形の柱は、長さおよそ20光年あって、私たちの太陽と最も近い星のアルファ・ケンタウリの5倍の距離になります。
ここでも、私たちのすぐ近くオリオン星雲でも見られる星の卵ボークの胞子が点在しています。
星雲に対して輪郭を映し出す冷えた分子の水素と塵の小さい塊を見つけることができます。
この領域は、天の川の衛星銀河大マゼラン雲(LMC)にあります。
ここは、星形成領域で、それらの進化を観察できる魅力的な研究場になっています。
LMCのような小型銀河は、より大きい銀河の最初の基礎単位であると考えられます。
この代表的なカラー映像は、ハッブルの広視野平床式カメラ2で2008年8月10日に撮りました。
赤は硫黄原子、緑は白熱した水素、青は白熱した酸素からの発光を表しています。
時空の旅 「ハッブル遺産・10万周回記念映像・幻想的なタランチュラ星雲」 コスモス・ビジョン
惑星テラ見聞録
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ということで、お詫びの気持ちとして最新のハッブル映像のビデオを作りました。
小型台風に乗った皆様は、一見さんでたぶんこのビデオは見られないと思います。
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