「道の駅 コスモール大樹」だより

北海道南十勝の「道の駅 コスモール大樹」の職員が独断と偏見で勝手に発信をする道の駅情報です

緊急入院!2泊3日

2006-09-15 11:59:53 | hirokoのガーナ通信
ガーナ通信第2回目の前に
昨日の正解を

上の地図の赤色でマークしたのがガーナです


9月11日に到着した第2回目の内容です


この週末はいかがお過ごしでしたでしょうか?

わたくしは、何とも思いがけなく1泊$70、3食付、
しかも8時間置きの点滴サービスまでついた特別室でこの週末を過ごすこととなりました。

そこは、ホテル・トラスト?
いやいや、トラスト・ホスピタルなるところでありました。
これが、日本での3ヵ月半を忙しく過ごし、
ガーナに戻って1週間目に与えられた”休暇”(?)だったのです。

木曜日に大学の新学期初めてのクラスを終え、友人のところでランチをご馳走になり
、スペアタイアをゲットし、ついでに車のキーのスペアも作って家に戻った頃から、左膝上がジクジクと痛み出してきてたのです。

前の日の夕方、家の外塀沿いに植えてあるサボテンの草取りをした時に、
サボテンの乳白色の汁がいつの間にか脚についていて、しっかりとふき取ればよかったのですが、
そんな大変なことになるとは思わず、手でこすって拭き取ったのです。

しかし、汁がボンドのように粘々していたのできれいに取れてるはずがありません。
汁がこびりついていた部分やその周辺が徐々に赤くただれてきて、ついに水脹れができてきました。
そこをまた、バンドエイドなんかでカバーしたのが悪かったのです。

庭に植えてあるアロエを採ってきて汁を塗りつけてみたり、
湿布のように貼り付けてみたりしましたが、どんどんどんどん腫れはひどくなり、
歩行も困難になってきました。

これはまずい。
この状態で、週末を過ごすわけには行かない。
友人のドクターに電話を入れてみました。
3時まで勤務しているからすぐくるようにとのこと。
この間空港にお迎えに来てくれたバレンティーナに、またまたお願いすることに。
顔をパック中だった彼女は、すぐに着替えて車を走らせてくれました。

私が行くことを知っていたドクターは、私の順番が来ると自ら診察室のドアを開けてくれ、
「ヒロコ、いったいどうしたって?」と私を抱えるように診察室に迎え入れてくれました。
「庭師なんかやったもんだから、こんなになっちゃった」
「あらららら、ひどいね~。あんたは、いつもなんでも自分でやろうとするからいけないんだよ」
「ドクター、自分でやれば、どうであろうと納得できるもの」
「だけどこんなになるほどやることないよ。

とにかく、2種類の抗生物質を8時間おきに投与しなくちゃならないから、今日は帰れないよ」
「えっ・え~~~っ!!、それって入院て言う意味、ドクター?」
「あんた、こんな脚で帰れると思うの?今だってびっこ引き引きやっと歩いてきたじゃない」

彼女は、私の都合も意向も全く無視で、
さっさと病床の空きがあるかどうかを電話で聞き始めていました。
病床は全て埋まっていて、ただ一つ空いていたのは、1泊$70の特別室
外国人料金が摘要され、ガーナ人より30%アップなのです。

「ゲ・ゲ~~~ッ、と~んでもない、特別室なんてダメだよ、ドクター。
高過ぎよぉ。それに、あたし、何にも入院の用意なんかしてきてないよ」
「あのね、ヒロコ、自分の体のことだよ。
あんた入院に何が必要なの?石鹸?石鹸ならさっきもらったのがあるから、
それ一つ上げるし、歯ブラシに歯磨き粉もいるか。それから・・・」
と、彼女は私が入院するのに必要と思われるもののリストをメモしだしました。

そして、「1泊はあんたが持って、1泊は私が持つよ」とまで言ってくれたのです。
ドクターは、近くのファーストフードのお店でお茶しながら待っていてくれたバレンティーナを呼ぶように言い、彼女がきたときには既に入院手続きを書き込んでいました。

「え~っと、ヒロコの身元保証人は、私とバレンティーナ、あなとたでOKね?」
バレンティーナは、私の手を取りながら、ニッコリ微笑んでうなづいてくれました。
あれよあれよという間に、入院が決定し、
私は、車椅子で診察室から2階B棟の特別室へと移送されたのでありました。

さすがは特別室。
エアコン、テレビ、冷蔵庫、そしてお風呂には湯沸し器もついています。
あ~~~、ここが1泊$70のホテルだったらどんなに良かったか。
ついつい、友達がやっているホテルのお部屋と比べてしまいました。

何たってベッドが違いますよ。
特別室のベッドは、病院のマーク入りのシーツに枕カバー。
そして、落ちたら痛いほどの高さがあるのよね。
とにかく、もう腹を決め、ここにお泊まりするしかないのです。

すぐに、看護士さんが抗生物質の点滴を持ってやってきました。
久々の点滴です。
だがしかし、私、点滴大嫌い。
注射針見ると、体が硬直しちゃうんですよね。
おまけに私の血管ときたら、点滴には全く不向きなんです。
「あれ~~~、なかなか入んないわねぇ。あっ、ごめんごめん、痛かった?他の血管探してみるわね」
看護士さんがこんなこと言うのを聞くと、もう、私は、日本語で半べそをかいています。
「痛いよ~、痛いよ~~~」
いくつになっても痛いもんは、痛いのだ!!

無事に、1本目の点滴が終わり、何と、5時前に夕食が運ばれてきました。
朝からまともな食事をしてなかった私は、おなかペコペコ。
白いごはんに野菜のトマトソースとフライドフィッシュ
うう~ん、うみゃ~い。
お腹いっぱいになり、満足してベッドに横になってると、
ドクターと診察室にいた体格のいい看護士さんが入ってきました。
なんと、さっきドクターがリストに書いたものをそっくり差し入れにきてくれたのです。
夜にお腹が減ったらと、リンゴも4つ買ってきてくれました。



まさか、本当に持ってきてくれるとは。
「ドクター、お金払うよ」
「何言ってるのよ。心配しなくていいよ。
それより、今度、日本で国際的な皮膚科学会とかセミナーとかがあったら、教えてちょうだい」
そうそう、彼女は皮膚科の専門医だったのです

彼女と知り合ってかれこれ10年。
今回初めて、皮膚のトラブルで診てもらうことになりました。
前回は激しい頭痛で1泊入院。
退院時には、私を家まで送り届けてくれました。
ドクター・クワウクメ、私は、あなたに何をして上げられるのでしょう。
そして、数時間後には、これまたすごいお届けものが・・・



病室に入ってくるなり、素早くデジカメ取り出し、
私の「入院記念撮影」をやらかした悪友のタカちん。
ついつい、カメラを向けられると笑顔を作ってしまう私。
違う違う、入院なんだから悲しい顔しなくっちゃ。
と、水脹れの脚を指差し泣き顔を作る私。
最後には、自分とのツーショットまで撮ってる悪乗りタカちん。
口は超悪だか、心は錦。
至れり尽せりの”入院グッズ”を抱えてやってきてくれました。

5時前に夕食を食べた私は、タカちん持参の超豪華鮭のおにぎりとポットに入れてきてくれた熱~いほうじ茶で、夕食第2弾。
あ~~~、入院するってぇのも、いいもんかもぉ~~~。

入院2日目は、たまたま電話をくれて入院を知った電力会社のソワが、
まず、お見舞いカードを持ってやってきれくれました。
そこにタカちん。
「あららららら、ヒロコのところなんかで時間無駄にしてちゃダメよ」だって。
ったく、ちみのジョークはガーナ人には通じんよ。
お昼ちょっと前には、同じエステートに住むモルドバ人のヘレンと娘さんのタマラがお見舞いにきてくれました。
バレンティーナが、自分は忙しくてこられないから代わりに見に行ってあげてと頼んだのだそうです。
「ヒロコ、あなた入院しててラッキーだったかもよ。今日は、家のエリア、朝から停電よ」
「そりゃ~、絶対ラッキーだったわ」

ヘレンは、脚の水脹れを見て、消毒した針か何かで穴をあけて中の水を出してもらった方が治りが早いんじゃないと言って帰りました。
早速、看護士さんを呼んで、水脹れの水を抜いてもらうとずっと楽になりました。
水を抜いた後は、ちょちょっとヨードチンキを塗っただけなんですけど、
普通そんな手当てなんでしょうかね?
ガーゼかなんか貼ってくれてもいいような気もするのですが。
夜になって、大工のアイゼックが来てくれました。
そこに、またまたタカちん現る。
「あれ~~~、また、別のお見舞い客?あなたも、ヒロコのところなんかで時間無駄にしてちゃダメよぉ~」
「そんなことないよ。ヒロコは、本当にいい友達なんだから」
って、アイゼックは真面目に応えたのでした。

入院2日目の夜になって、しみじみ感じたのです。
これって、神様が私にくれた”休暇”だったのかも。
日本での3ヵ月半を目まぐるしく過ごし、ガーナに戻ってからは、車の修理に、家の掃除。
最後に残っていたサボテンの草取りをして、大学での最初の授業が終わったそのすぐ後。
ず~っと、突っ走ってきたけれど、さすがに私の免疫力も弱まっていたのでしょう。
いつもなら何ともないサボテンの汁に、かぶれてしまったのですね。

ドクター・クワウクメが、出勤して朝一番できてくれて、午前中の退院を許可してくれました。
10日午前11時、無事、退院することができました。
私をお迎えに来てくれ、家まで送り届けてくれたタカちん一家には、心から感謝です。


特別室での2泊3日。
ちゃんと時間に食事が出てくるっていうのも、たまにはいいな~。
停電になっても、発電機があるしな~。
でも、やっぱり点滴はイヤだ!!
だって、今朝はまた、別の方の手に針差されたんだもの

特別室での”休暇”を終えて
米山 博子

2006年9月11日  10時04分着


管理者の感想
 ガーナでも米を食べているのですね。
 現地の食生活はどんなものでしょうか?
 次の通信が楽しみです。

では次回もお楽しみに。


今日の大樹は快晴。