横浜の建築設計事務所 コア建築設計工房のブログ

建築のこと、 横浜のこと、保育や福祉施設のこと、介護のことを表現します。

NIMBY! BANANA!

2022年04月27日 | 街づくり

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の野上です。

「NIMBY」をご存じでしょうか?
建築の仕事に携わってから、いろいろ考えるところがあり、興味を持った社会問題です。
考えてみましたが、結論、NIMBYは解決できないと思いました…。

「NIMBY」とは、「Not In My Backyard」。
「我が家の裏庭でやらないで」という意味です。

ちなみに「BANANA」は「Build Absolutely Nothing Anywhere Near Anything」。
「絶対に何も近くに建ててはならない」です。キャッチ―ですね。

NIMBYは簡潔にいうと、総論賛成・各論反対の意です。
「わたしたちに必要だけど、わたしの近所には作らないでほしい」これがNIMBYです。

例えば、ゴミ処理場。
都市部にゴミ処理場は作りたくないから、周辺の地域にゴミ処理場を作ろうとします。
ゴミ処理場を計画された地域住民は迷惑意識を持ちます。
地域住民にはもちろん、NOという権利があるので、NIMBYと非難されるべきではありません。
だからといって、住民投票を行えば反対に固まるのは間違いありません。
では、どこにゴミ処理場を作ればよいのでしょう…。

他にも、原子発電所や米軍基地、公園や保育所なども挙げられます。

ちなみに、道路も、事故や騒音があるので、迷惑なものですが、被害も恩恵もわたしたちに平等です。
道路はNIMBYに当たりません。しわ寄せがあるのがNIMBYです。

 

NIMBYが問題になった原因は、地域コミュニティが薄弱になったことにあるといわれています。
身内のための自己犠牲も、他人であれば許せないことは多くなるでしょう。
法が介入しておさめてくれるのが理想ですが、権利があるゆえに合意形成は遠のきます。

そこで、NIMBYの解決方法を考えてみました。

まず、お金で解決です。
「迷惑料」とは大きな声で言えませんが、交付金や利益還元のイイ話をすることです。
しかし、これでは抜本的な解決とは言えません。

私がいいなと思うのは、あらゆる分野の住民参画を促すことです。
例えば、ヨーロッパでは住民評議会なるものがあり、共同体として街づくりを行い、景観を守る地域があります。
対して、誰かが相談なしにスッと建物を作るのでは、住民の心象も共同体としての心持ちも良くなりません。
時間がかかりますが、このように広範囲に身内意識を育めば、NIMBYは少しは改善…するのではないでしょうか。

 

以下は、参考にした本の受け売りですが、「文明に歯止めをかけるNIMBY」とも考えることができます。

根源に立ち戻って、そもそも・・・
・原子力発電所→原子力発電所は必要か?電気はもっと必要か?
・米軍基地→安保は必要か?他に策は?
・保育園→保育園は必要か?共働きでなければ、核家族でなければどうだろう?

紛糾しそうなデリケートな思想ですね。確かにいろいろ衰退しそうです。

 

想像しがたいことですが、わたしたちの問題として考えないと、まわりまわってNIMBYとなるのだと思います。
そして、NIMBYは民主的である証拠なので、悪いものでもないのです。

なんともぼんやりとした記事になってしまいました。
解決は遠いな…と思いました。

参考文献:清水修二(1999).『NIMBYシンドローム考 迷惑施設の政治と経済』.東京新聞出版局 

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