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ゆるゆる遠州ガイドライド2days の意図と展望

2014-02-08 15:53:03 | サイクルツーリング
 3年間にわたって開催してきた“ゆるゆる遠州ロングライド&ガイドライド”は、これからのサイクルツーリズムの展望と、静岡遠州観光ネットワーク(磐田市、袋井市、森町、掛川市、菊川市、御前崎市)の事業を通じて、各観光協会の目指す観光需要の進化を踏まえ、今年度より開催形態を変更することにした。

 サイクルツーリズムに対する関心の高まりは目を見張るものがある。広島県、愛媛県、北海道での順調な国内外からのサイクリスト誘客の成功例に準じて多くの自治体や観光協会が取り組み始めた。しかし、ゆるゆる遠州ロングライドをはじめ、狩野川100kmサイクリング、ぐるっと浜名湖サイクルツーリングといったワンデイのサイクリングイベントへの参加者数は伸び悩んでいる。県内だけの現象ではなく北海道や沖縄、佐渡ヶ島などの島部を除く国内全体の傾向だ。これは、他地域での類似の大会が多くなったことが要因の一つだが、それ以外にもサイクリスト人口の拡大とともに、サイクリストがアスリート系とツーリズム系に大きく分かれていく傾向が現れてきたことも大きな要因である。

 レースや大会に参加するサイクリストたちは、ロードバイクに乗り始めてから数年の間に多くの機会へトライするようになる。過去のデータをみると、ゆるゆる遠州も、狩野川100kmも、ぐるっと浜名湖も、その年毎の新たな参加者が7~8割も占めるような状況だ。今までこうした大会に参加してきたサイクリストたちは何処にいってしまったのか。これは、足を洗ったのではなく、より遠くの地での大会に参加したり、あるいは自転車を持って旅に出たり、というように自転車人生の新たなステップに踏み出しているのだ。さらには世代別の傾向として、リタイヤを契機にサイクリング人生をスタートさせたサイクリストが圧倒的に増えているのが現実である。2000年からずっと続いてきた自転車ブームは、干支が一巡する12年以上を経て、そろそろ分岐点を迎える時期になった。つまり、ベテランになっていくサイクリストたちがもつ「自転車旅」への欲求に対する受け皿を、いま用意しておくべきなのだ。

 また、各観光協会がネットワーク事業を活用して宿泊や飲食を伴う滞在型ツーリズムを推進していくためには、イベントによるワンデイ集客ではなく、前泊や後泊を伴う自転車の旅を提供していく必要があるだろう。ゆるゆる遠州サイクルツーリズムは、120kmのロングライドイベントと、5コースのガイドライドツアー、そしてネットワークを構成するエリアのサイクルマップの整備という3つの組合せで推進してきた。しかし、ロングライドイベントが持つ起点・終点以外の地域は、どうしても通過エリアとなってしまいがちだ。それに比べてガイドライドは、各地域を目的地としつつ、その土地の魅力をゆっくりと味わうことができる「旅」の要素を充分に有している。

 台湾を中心とした海外セールス活動においても、進んだ自転車文化を持つ地域からの誘客に対応するために、ガイドサイクリングの充実化が求められている。ガイドサイクリングの商品化においては、夏場の北海道が日本の先進地だが、それ以外には「ゆるゆる遠州ガイドライド」のような規模で、ガイドサイクリングを顕在化している地域は未だに見受けられない。こうしたオリジナル商品を充実化させ、他に先駆けて積極的に提供していく必要があるとの考え方で、今回は2日間それぞれにガイドサイクリングを実施し、5市1町をゆっくりと味わっていただき、当地域にできるだけ長時間滞在してもらう自転車旅の機会を提供していきたいと考えている。

●2014ゆるゆる遠州ガイドライド2days-3/15sat. 16sun.

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