「中山金杯・G3」(1月5日、中山)
重賞初制覇に向けて視界良好だ。コスモファントムが栗東坂路を素軽いフットワークで登坂。好調ぶりをアピールした。ハイレベルな明け4歳世代のなかでも、常に一線級としのぎを削ってきた素質馬が、その存在感を見せつける。
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重賞初制覇に燃えるコスモファントムが31日、栗東坂路で素軽い動きを見せた。1本目の登坂で軽くウオーミングアップを済ませると、2本目は雪の舞うなか、ナチュラルにしまいを伸ばして4F54秒7‐39秒4‐12秒2を計時。「変則日程で年明けにはやらない予定だから、しっかりとやった。良くなっているね。前走よりもいいと思う」と宮師は満足げな笑みを見せた。
必勝を期しての東上だ。中山は初めてだが、長距離輸送は全く苦にしないタイプ。「スタミナがあるからもっと長い距離でも大丈夫だけど、平均的な流れになりやすいのは2000メートル。この距離はベストだと思います」と指揮官は自信をのぞかせる。
2歳時、のちにG1馬となるヴィクトワールピサ、エイシンフラッシュ、ダノンシャンティといった相手としのぎを削ってきた素質馬。前走、中日新聞杯の勝ち馬トゥザグローリーは、近年まれにみる豪華メンバーがそろった有馬記念で3着と好戦。相対的に、ますます評価は上がったと言っていいだろう。
活躍は芝だけにとどまらず、昨年のJDダービーでは3/4馬身差の2着に食い込む奮闘ぶり。ハイレベルな明け4歳世代のなかでも、とりわけ異質な才能を持っている。「芝とダート、どちらも使えるのは調教師としてはありがたい。でも、そろそろ重賞を勝ってほしいね」。芝砂重賞2着が計4回。もう手が届いてもいいころだ。年頭一発目で惜敗続きにピリオドを打ち、快進撃のスタートにする。