「フェブラリーS・G1」(21日、東京)
20日午後4時に、グロリアスノアは決戦の地を踏みしめた。東京競馬場は実に5回目。馬運車から降りてからも動じることはなく、堂々としたもの。池田厩務員は「新馬戦のときも美浦経由で来たからね。(前走の)根岸Sはイレ込んでいたが、今回はマシだった」と穏やかな笑みを浮かべた。
状態は確実にアップ。重賞初制覇だった根岸Sは休み明けの分、絶好調には一歩手前の状態だった。張りが出て、丸みを帯びた馬体。ひと叩きの効果で、本調子を取り戻したことがうかがえる。ひ弱な面も徐々に解消してきた。「ダメージを心配したが、思ったよりも少なかったし、うまくケアできた」。中2週のローテでも不安はない。
あとは小林慎にバトンを渡すだけ。「(中央G1は初めてだから)慎一郎も舞い上がるかもしれない。ゲートの輪乗りまではついて行くから、人馬の気持ちを押さえないと。いろいろと話したが“この馬のことはボクが一番知っています”と言ってたからな」。厩舎所属の若者への期待が優しいまなざしに表れている。
全4勝中3勝を挙げる府中の舞台。待ち受ける強豪に全力でぶつかる。「相手は強いけどね。あとは運。ズドーンと来るといいけど」と池田厩務員。描くのは直線一気の強襲劇。ベテラン厩務員の思いが、長いストレートで強烈にはじける。