「シンザン記念・G3」(1月9日、京都)
年明けの3歳重賞第1弾。ディープインパクト産駒ドナウブルーが一番星をゲットする。行って良し、控えて良しの無傷2連勝の中身が濃く、初めての牡馬との対戦でも気後れはない。圧倒的な破壊力を武器に、阪神JFを制したレーヴディソールが中心の牝馬クラシック戦線だが、性能の高さでは一歩も譲らない。自在性のある脚質で新春の淀を華麗に彩る。
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名馬の名が刻まれた伝統の重賞を制し、牝馬クラシックの主役に名乗りを上げる。無傷2連勝のドナウブルーが29日、栗東坂路でファルネーゼ(5歳1000万下)と併せ馬を行った。小柄ながら、柔らかなバネを感じさせるフットワーク。相手が仕掛ける横を涼しげに馬なりで並入を果たした。
時計は4F53秒8‐39秒3‐13秒0。手綱を握る井上助手には程良い感触が残った。「馬なりで相手に合わせました。小柄な牝馬でガッと行く面はあるが、芯はしっかりとしている。とにかく乗りやすい馬で(走りは)軽くて切れがある」。現状では欠点らしい欠点が見当たらないという。
連勝も中身が濃い。初戦は前半で行きたがるシーンこそ見られたが、2番手から押し切る形でのV。好タイムで非凡なスピードを証明すると、中団で運んだ2走目はスローペースにも動じることなく、上がり3F33秒4の決め脚でライバルを一蹴した。「折り合えるように調教から馬の後ろで我慢をさせたり、工夫をした」。陣営の与えた課題に一発回答で応えた。
オンとオフをはっきりとさせることで、レースでの爆発力を導き出す。「繊細な子。やればスイッチが入るところがあるので、普段は運動や軽めに1本乗ったり、ガスを抜いてやることで気持ちが落ち着いている。ここ2走の走りができれば、(今後の)距離延長にも対応できると思う」と担当の杉山助手も大いなる可能性を感じ取る。初の牡馬との対戦。高性能のエンジンで撃破する。