この道を歩くと全くおなかがすかない
歩いても歩いても農家がある
おなかがすいた頃に 農夫がふかしたじゃがいもを分けてくれた
「うちの娘が作ったじゃがいもだべ。おいしかったらうちの娘を貰ってくれ」
娘と新しい道を歩いた
娘の歩く速度と自分の速度は違う
でも、一緒に歩いた
それはひとりで歩くより楽しいからだ
同じ景色を二人で語る
二人分楽しめる
雨が降った
僕が持っていた一本の傘に二人が入った
雨が傘にあたる量は、僕一人の時と同じだ
この道を歩くとおなかがすかない
新しい流れにおながふくれているからかもしれない
撮影:1984年7月