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筆の足跡

日々の出来事と趣味のお絵描きの記録です。

柴田よしき「私立探偵・麻生龍太郎」

2009年06月06日 | 日本画・絵
       
柴田よしき「私立探偵・麻生龍太郎」

わたしにとってのバイブル「聖なる黒夜」の後日談。
といえば、簡単そうなんだけど、
山内練という一人の人間の運命を決定するに至る重要な位置にある話しだと思う。
思うんですよ、麻生龍太郎!聞こえたか!?←すっかり呼び捨て!
練ちゃんをこちら側に繋ぎ止める最後のチャンスなんだよ、アホ龍太郎!
わかっているのに、なんで何にもしないんだ、バカ龍太郎!
一緒に落ちるとこまで落ちてみろ!
君は、なんだかんだ言って、結局自分の手を汚さないんだよね。
綺麗な手のままで練ちゃんを救えると思うな、ヘタレ龍太郎!

だいたい練ちゃんの人生狂わせたのは君でしょ。
あの過去の違法な取調べの最中、練に欲情して、抱きしめてキスしたのを
忘れたなんて言わせないからね、このセクハラ刑事!
(ああ、だめだ。龍太郎に対する不満が止まらない~)

君はね、どんなことをしても練の手を離すべきだはなかったと思う。
自分のせいで歪んでしまった練の人生を取り戻したいと本気で願うなら。

君はここでも過ちを犯したんだよ。
しかも今回は最悪。
わかっていてやったんだから。いや、やらなかったのか?

これから先の君と練ちゃんの人生なんか思案してもんもんとしたってどうしようもないでしょ。
今、置かれている状況から、練ちゃんを救うことだけを考えるべきだよ。
のんびり人助けなんかしてないでさぁ~。

はあはあはあ←息切れ

えっと、すっごい脱線しましたけど本の感想ですね。
おもしろい推理小説デスよ。←それだけ?
これは、「どこでも読書」という携帯サイトさんで連載していたお話を単行本にしたわけで、
すでにわしたは読んでおりました。(一ヶ月だけ契約して)
その時はこんな一冊の本になるくらいの量だとは思ってなかったんだけど。
麻生が探偵業をはじめたころのショートストーリー集です。
最後のお話は込み入り過ぎて読むのが苦痛だったけど、
全体的には、さりげない日常におけるちょっとしたミステリーって感じで面白く読めました。

山内練はほんの少ししか出てきません。
出てきませんが、麻生との短すぎる蜜月、そして最後のあっけない別れ、
それらは練ちゃんファンのわたしにとって、あまりにも辛いシーンなのですよ。
だから感想はそこに集中してしまうわけで……。
この後、練が暴力団幹部として、どれだけ極悪非道の鬼畜となるか知っているので、
余計に麻生にはふんばって欲しかった。
足掻いて欲しかった。

まあ、ここでふんばったら、この後のお話が変わってしまうからね~。
仕方ないんだけどね~。