goo blog サービス終了のお知らせ 

筆の足跡

日々の出来事と趣味のお絵描きの記録です。

やっと来ました!!

2012年08月09日 | 本・漫画・音楽

「kagerou」です。

図書館で予約して約2年、やっと来ました。

ポプラ社小説大賞を取った水嶋ヒロのデビュー作ですね。

どうでしょう、よく出来ていると思いますよ。

まあ、テーマ自体はありきたりな感じがします。←何日か前に同じことを娘と話していた

文章に個性が感じられません。←これが作家の芯なんだけど

登場人物に魅力がないのも気になります。←ていうか、それダメでしょ

良いことと言えば、読みやすい←2時間あれば読み終えます

ということで総評は、買わなくてよかった、ですね。←ぜんぜんよく出来てないってことじゃん(笑)

 

ところで高村薫「黄金を抱いて翔べ」が映画化されますね。

http://www.ougon-movie.jp/

こちらは高村薫のデビュー作で日本推理サスペンス大賞を取った作品です。

デビュー作なのに、この練り上げられた話の面白さ、緻密な状況描写、

そして何よりも登場人物たちの魅力。

同じデビュー作なのに、この濃度の違い、完成度の違いはなんだう、と思ってしまいました。

幸田とモモをどう描くのか楽しみです。

まさか原作通り(文庫版)に腐ってくれているとは思えないけれど、

モモ役がチャンミンっていうのがね、ちょっと美しいですね、ふふふ。

 

 

 


高村薫「マークスの山」DVD

2011年09月08日 | 本・漫画・音楽

ネットでレンタルしてやっと「マークスの山」観ました。

 

これは……期待以上にナイスです!!

合田役の上川隆也がいいですのよ。

白いスニーカーがよく似合っていて、青年っぽさが残っていて、なかなか鋭い眼差しで。

合田のイメージに合う俳優って難しいと思っていたけど、彼はすんなり受け入れられました。

眉間のお皺が警察内での苦労を物語っているようでかわいいです。

これでお肌が美しければ言うことなしだわ~。

心配した根来役の小西真奈美も違和感なし。

しかし森の蘭丸くん、ちょっとかっこ良すぎでしょう。
マークス役の高良健吾も魅力的です。
そば屋の主人してるよりずっとイキイキしている。
残念なのは加納兄妹のキャスティング。
これだけはどうにも許せない。
石黒賢ってなぜ??
しっかり中年男じゃないですか。
加納祐介は白髪なんて生えてないし、顎の下がお肉でだぶついてなんかいないぞ!!
苦悩するほっそり美人、のはず!!
喜代子役の鈴木杏樹もなんだかな~。
あんな甘ったるい砂糖菓子のような女と合田が結婚するとは思えないんですけど。
でもそこに目をつぶれば、なかなかがんばった作品だと思います。
これはこれでりっぱな「マークスの山」になっているとおもいますよ。
ただ最後の北岳でマークスが死んでいくシーン、CG富士山っていうのは非常に残念。
何の意図でここをCGにする必要があったのか?ちょっと理解できない。
たとえ、想像シーンでも本物を使って欲しかったです。

 


「涙酒雨」 ホコ

2011年07月20日 | 本・漫画・音楽

久しぶりにBLコミックの紹介を。

表紙イラストに惹かれて購入してしまいました。

しかし中の絵を見てそのギャップに「だまされた~~!!」

で、読んでみて、出会えてよかった~~です。

ホコさん、はじめて読む作家さんです。短編集です。

絵は表紙の華奢な感じに比べると、野太い描画で繊細とはほど遠い絵です。

羽生山へび子さん風な感じ?嫌いではないです。

でも表紙イラストとはべつモンだと思ったほうがいいかもですね。

話はしっかりしていて、地に足がついている感じといいましょうか。

地味に男たちがなかなか魅力的です。

美しい男なんて出てきもしないけど、いいんですよね~。

とっても暖かい先品描く人です。

エロなし!キスさえもない、というある意味貴重なBL。

「酒涙雨」のラストページ、蝉の絵なんですけどね、

県展で見た巨大な蝉の絵を思い出して笑えました。

ホコさんは新人さんなのでしょうか?

とにかくこれからが楽しみな作家さんです!!

BLのすごいところは、こういう作家さんが出てくることだと思うんですよ。

少女漫画だったら、内容はともかく、その絵でまず蹴られていたでしょうね。

やっぱBLはいいわぁ~。

 

 

 


「まほろ駅前多田便利軒」

2011年05月11日 | 本・漫画・音楽

三浦しをん原作「まほろ駅前多田便利軒」を観に

有楽町のすばる座まで行ってきました。

 

瑛太と松田龍平コンビです。

いや~、すばる座ってある意味すごいところですね。

有楽町の駅前にあるのに、なんてレトロな映画館。

そしてもっとすごいのが客層!!

50代、60代、70代、……80代も??←まほろですよ、まほろ

若い人がいない??←まほろってそういう小説だった?

一緒に行ったyさんが唯一の20代かも、です。

有楽町っていう場所が特殊だった?←それにしても……理解不能な客層

こちらが三浦しをんの単行本のほうです。

あれ?これ直木賞受賞作品でしたっけ?

漫画化もされています。

BL漫画家の山田ユギさんですね。

どれが一番好きかというとユギさんのですね!

主人公の多田、脇役の仰天、それぞれの性格が一番安定している。

彼女が一番この小説を消化して描いている。←原作者より(笑

 

映画の感想ですか~。

言いたくない……ですね~。

限りなく悪くなりそうでこわい。

 

一言で言えば、お金はらって観るものではないですね(笑

「まほろ」映画化自体間違いでしょう。

「多田」が瑛太ってとこも違うでしょう。

瑛太がやるんだったら、小説の多田は捨てたほうがよかったですよ。

ほんの数ヶ月前まで普通にリーマンやってた仰天がこのキャラになるのは無理でしょう。

 

そして最後に、この映画にとっても真摯なレビュー書かれたyさん、

すごいです、尊敬します、愛してます!!

またデートしましょうね!!


玄上八絹「しもべと犬」「茨姫は犬の夢を見るか」

2010年03月23日 | 本・漫画・音楽

警視庁の非公式な部署に属する刑事・奥村智重は、人間の細胞から作られた人型の「犬」と呼ばれる生命体・石凪信乃を与えられ、組むことに。自らが傷つけられることなどものともせず、危険の中に飛び込む信乃。「主人」である智重を恋い慕う信乃に、智重は冷たい。時には身体を繋ぎながらも、信乃は智重との距離に心を痛めているのだが…。

表紙イラストの美しさに惹かれて買ってしまった2冊です。
玄上さん、初めて読む作家さんです。

正直に言えば読みづらい。
文章の動詞がなかったり、途中でぶっちぎれて「。」だったり、
ご本人はディテールに凝ったつもりなのかもしれませんが、それがまったく功を奏していません。
文の流れを止める効果にしかなってない。
これは玄上さんの書き方なのでしょうか?
特に「しもべと犬」はこの無用な効果が無用に効いてます。
「茨姫……」のほうは、緊迫するストーリーのせいか、この表現方法はなくなっていました(よかった、よかった)。

でお話の内容はというと、主人のために命をかけてつくす「人型の生命体」は、
どうしても志水ゆきの「是」を思い出してしまいます。
だいたい、こんな精巧な人型生命体を造れるのなら、コンビなんか組む必要ないじゃん、
警察官みんなこれで代用すればいいじゃん、と読みながらぶつぶつ。
主人と犬の絡み合いでは「なんで主人の命を守るはずの犬が下半身の世話までしなきゃいけないのよ~」
とまたまたぶつぶつ。
ああ、ストーリーに集中しなくっちゃ、と思って続きを読みはじめるのですが、気がつくとぶつぶつ。
主人公たちにも感情移入できないし、なんかなあ~というお話でした。
「茨姫……」のほうがストーリーの勢いに押されて楽しめます。

で、あまりに消化不良気味だったので、
これらを買うきっかけになったイラスト描いている「竹美家らら」さんの漫画をおもわずヤフオクで落札。
「いとし、愛しと言うこころ」「On Your Mark]」「ア・プレイス・イン・ザ・サン」
挿絵から想像して、相当激しい漫画を期待していたのですが、
読んでびっくり、ほのぼの&ファンタジー系……
思わず出品者さんに「意外とおとなしい漫画ですね」と感想書いちゃいました(取り引きナビ使って)。
出品者さん「「竹美家らら」落札するなんて、しぶい人だなあと思ってました」と笑われました。
ファンタジーOKだからいいんですけどね、おもしろかったし……。
でもでも、激しいのほしかったなあ~。

うたぐわ「じりラブ」

2010年03月06日 | 本・漫画・音楽


1日10万アクセスの人気ブログ『【漫画】♂♂ゲイです、ほぼ夫婦です』が本になったのでございます!

愛があるけど、じりじりする。じりじりするけど、愛はある。そんなゲイカップルの“愛”と“笑い”と、そしてちょっぴりの“涙”を全ページに込めてお届け。キモオモロクてちょっとエッチだけど、とってもピュアで、すごくドタバタな等身大の物語です♪

ゲイでリーマン、ときどきオカンキャラに変身する主人公・うたぐわ(著者)を中心に、恋人(♂)とのボケ&ツッコミ満載な同棲生活、濃すぎる仲間たちとの爆笑濃縮率1000%のエピソード、ゲイ友達とのコントのような日常、ノンケvsゲイの戦いを描いたサラリーマンライフetc. すべてが実話! やらせなし! セクシャルマイノリティーの著者が、新宿2丁目の中心で愛を叫ぶ感動のエンディングまで全編書き下ろしです!!


わたくしが日参しているブログ様でございます。
りあるゲイの方の日常の風景がおもしろおかしく(でも実話)描かれております。
BLじゃないので、美しくもはかなくもありません。
どちらかというと「えぐい」かも?

ですから「ぜひ読んで」などという恐ろしいことは申しません。
現実を語る上でリアルな表現も多いので、ゲイが嫌いな方は嫌悪感覚えるかも、です。

ここであえて紹介させていただいたのは、
わたしにとって彼らが「理想の夫婦」だからなのです。
「うたさん&ツレちゃん」のカップルは理想であるとともに、あこがれです。

わたしはゲイのカップルが好きなのだと思います(ビアンカップルは生理的にだめなんです)
なぜゲイカップルが好きなのか……を考えると、
そこには「男女夫婦における不平等さ」がないからなのだと思います。
「誰が食わせてやっているんだ!」も「金渡さないぞ!」もないのです!!←cochi家?
女が家政婦替わりに扱われる日常が存在してないのです。
供に男で、仕事していて、立場が平等なのですから。

これが男女だと、同じように働いていて立場は平等のはずなのに、
結局家事育児、女が分担させられるし、それが当然のことのように思っている男が多いですよね。
女と結婚したがる男って、本能的に男性優位を感じたい人種なのではないでしょうか?
征服欲を手っ取り早く満足させてくれるのが妻なのでは?
すみません、男に対しては辛辣です。
根本的に男嫌いですから(笑)
じゃ、なんで結婚したのかといえば、きっぱり「生きるため」です。←冗談ですよ、半分は
どんなに偉そうなこと言っても、男に頼って生きるほうが経済的にラクですから。
こういうダメダメ女が男女夫婦における不平等を助長させているのでしょうね~。
でも女が経済的にしっかりした男を選ぶのは、これも本能の一部だと思うんですよ。
動物のメスが強いオスを選ぶのと同じことではないかと。
だから女のしたたかさは非難に値しないのだ~!←チョーご都合主義~

夢も希望もない話しでしたね~、すみません(笑)。
まあ、その夢も希望もない現実から逃避させてくれるのがこの「じりラブ」なのです。
うたさんも、ツレちゃんも普通のサラリーマン。
仕事終えて疲れて帰ってきたうたさんをツレちゃんがハグでお迎えしてくれます。
待っていてくれたツレちゃんのために、うたさん一生懸命ご飯つくります。
ツレちゃんが食べたいと言えばプリンもケーキも作ります!!
夫の鏡です!!
というか、うたさんは、夫であり、妻であり、母であり、幼稚園の先生であるようで(園児はツレちゃん)。
とにかくスーパーすごい人ですね。
理想です。
わたしが男だったら、絶対結婚したい人です(笑)。←ちょっと本気

同居生活10年たった今でも、
「君がいてよかった、これからもずっと一緒にいよう」と言えちゃううたさん、
ホントに好きですわぁ~!

毎朝一番にうたさんのブログを読んで、元気もらってます。
そして自分のことを反省したります。←たまに
もっとダンナを大事にしてあげようとか、やさしくしてあげようとか。
なかなか実行されていませんけど、思うだけでも大事ってことで。

そんなこんなでわたしの元気の出る一冊を紹介させていただきました。






高村薫「カワイイ、アナタ」

2010年02月11日 | 本・漫画・音楽


八人のミューズがささやく八つの物語。とてつもなく甘美で、けっこう怖い…絶品短篇小説館。

江國香織、小川洋子、川上弘美、桐野夏生、小池真理子、高樹のぶ子、高村薫、林真理子、
という豪華女性作家さん八人のアンソロジーです。
特に面白かったのは小川洋子の「巨人の接待」ですね。
小川さんのお話を読むのは初めてですが、とても心地よいお話でした。

で「カワイイ、アナタ」高村薫、でございますが……。
「なんだ~、このタイトルは」でございましょ?
信じられないですよね、「カワイイ、アナタ」ですよ?
昨年あの難解な「太陽を曵く馬」を発表し、先日は朝日新聞で「小澤幹事長の不起訴」について写真入りでコメントを載せ、すっかり硬派なイメージの高村薫が「カワイイ、アナタ」ときたか~。

で、冒頭読めばわかりますが、このお話は「小生」から「貴兄」に送った手紙でございます。
カンの鋭い高村ファンならおわかりですね、
「小生」とはあの合田雄一郎であり、「貴兄」とはもちろん彼の想い人(えっ違う?)加納祐介でありましょう。

手紙の内容は、「小生」がまだ若かった頃に、先輩警察官から聞いた話し……なのです。
ここで、問題なのは、合田がなぜ『多忙すぎて人間をやめているだろう』義兄にそんな手紙を送る必要があったのか、ということなのではないでしょうか?
本人も認めてますが「あまり笑えない夜話」なのです。

ということでわたくし必死に考えました。
結論!!
つまりですね、わたくしの考えるところとしては、
これは先輩の話しなどではなく、合田自身の話、なのではないか?ということでございますのよ。

以下ネタバレ&妄想ですので、ご注意!

突然何の相談もなく大阪に行ってしまった義兄を想い、もんもんとした日々を送っていた合田の目の前を、少年が横切り(ついでに財布を落す)足早に人ごみを駆け抜けていくのであります。
その少年が義兄によく似ていたことに驚き、合田はその少年を追いかけたのでございます。

もちろん見失うのでございますが(刑事のくせに)、以来、その少年のことを思い出しては戸惑う合田。
そして仕事の帰り、フッラッと視線をやった靴屋のショーウィンドーに、
少年に似合いそうな靴を見つけ、買ってしまうのです。
押し入れの中に押し込んだその靴を、出しては入れ、出しては入れ、
二度と会うこともないだろうその少年を想い、と同時に遥か遠くに赴任した義兄を思い出し……。
そんな煮え切らない日々を過ごすうちに、とうとう堪え切れなくなり、
意を決して義兄に手紙を送った、というわけです。

つまりあの手紙の意味するところは、「おまえに似合いそうな靴を買ったのでいらないか?」
ということでございます。 (おいおい……)
返事次第では、靴を口実に義兄に会いに行ってもよし、義兄が仕事のついでに寄ってくれたら、もっとよし……。

きっと聡明な義兄のこと、合田の原稿用紙何十枚にもわたる夜話の真意に気付いてくれるでしょう。

ところで合田くん、最近ではメールという便利なものがあるのはご存知でしょうか?
君とわたくしはそう年も変わらないはずです。
使いこなしてはいかがなものでしょう?
こんな分厚い封筒を受け取った加納が、一瞬眉ひそめた姿が容易に想像できます。
ま、それはそれでかわいいのだけど。

ということでもっと結論!「カワイイ、アナタ」とは加納義兄のことです!!

以上「カワイイ、アナタ」を十倍楽しむ方法でした。





山中ヒコ「王子と小鳥」&「涙三滴薔薇の花びら」

2010年02月01日 | 本・漫画・音楽


「王子と小鳥」
貧乏美大生・鈴木圭一が目覚めると、そこは砂漠の国のオークション会場だった。借金のカタに奴隷として出品された彼が、強欲な第一王子の手に落ちようとしたその時、その弟であるハーリド第二王子によって買い上げられる。ハーリドの奴隷となった鈴木は日々逃亡を企てるが、王子の優しさに少しずつ惹かれはじめ…。表題作他、心の欠けた大人と、彼に買われた少年の恋を描く「淋しさの値段」を収録。苦悩しながらも真実の愛を手に入れる恋人たちのドラマチックコミックス!! 王子と鈴木の後日談描き下ろし付き 

ヒコさんのコミックを紹介するのはこれで2回目。
前回の「丸角屋の嫁取り」は設定江戸時代という純和風でしたが、
「王子と小鳥」はアラブ系です。

アラブといえば「拉致監禁」「奴隷市」「ハーレム」「ゴーカン」「チョーキョー」えっ、そこまでいかない?
他のアラブ系を読んだことがないので詳しくはないのですが、たぶんそんな感じのお話が多いのでは?
(リアルアラブに失礼なくらいBLアラブは偏見に満ちていますよね)

で「王子と小鳥」はある意味その期待(?)を裏切るほど優しく、切ないラブストーリーです。
こんなに切ないけどさわやかでセンシティブなアラブ系は読んだことがないというくらい!
(アラブ系、読んでないくせに断言!)
とにかくハーリド王子が好青年なんです!!
もの静かで、寡黙で、ストイックで、思慮深くて、思いやりがあって、頭が良くて、ついでに黒髪で、これでもかってくらい理想の王子さまです。←わたしにとって
でもちょっとズレてます、あのスズキを「ヤマトナデシコ」だと思っているところあたり。
(それとも「大和撫子」の解釈が根本的に違うのか?)
そんなところも、こんなところも、全部かわい~です!!ツボです!!
久しぶりに胸きゅんのお話でした。

「涙三薔薇の花びら」は「王子と小鳥」の後日談です。
王子が日本に帰したスズキに会いに行くまでの経過を、侍従ハッサンの目を通して描かれています。
こちらも胸きゅん!です。
分ごと、秒ごとに、2人の再会に近づく描写に涙ウルウル……。
すっごく淡々と描かれているんですけどね、それが余計にきゅんときます。
あまりの感動に抱きしめて寝ようかと思ったくらい。
この「涙三滴」のラストが「王子と小鳥」のラストのコマに続く……のかな?
(でも王子、着ているものが違うし)

冬コミで発売されたものをオークションで落しました。
今月、委託販売が再開されるみたいなんですけど、待ち切れず買っちゃいました。
アホだなあ~と思ってます。



ちなみにこちらが「王子と小鳥」のコミック表紙です。
なんでしょ、このBLコミックとは思えないセンスの良い表紙!!
ああ、ヒコさん、好きだわぁ~。



えすとえむ「ショーが跳ねたら逢いましょう」

2010年01月30日 | 本・漫画・音楽



母親の死をきっかけに舞台に立てなくなったダンサーのテオ。気分転換にとすすめられた映画出演で若手人気スターのダレンと出逢う。冗談でしたはずのキスでゴシップ誌は大騒ぎに。華やかなハリウッドスターの恋と人生の物語から、京都祇園を舞台にした和の世界まで、あらゆるシチュエーションを芸術的なタッチで描く待望の初コミックス!


これはすごい!!
美しい!!
漫画というよりアート!!

淡々とした白と黒の世界。
独特の描線。
とにかく絵がお上手。
絡み合いはそんなに多くないけれど、おもわず見とれてしまう男の裸体でございます。
線一本でこの肉感は何だ!!
特に手がいいです!!筋張った手の甲!!萌えます!!

雰囲気に酔える大人テイストの漫画です。
7作の短編が載っているのですが、どれも好きです。
でもやっぱり一番は表題作とその前編とも言える「カーテンコール」ですね。
主人公テオの正面顔が好きだわ~。
ベッドの上で相手(ダレン)の耳を足で挟んだり、鼻をつまんだり
(なんて器用な指先!ちなみにわたしは足の指を開くことができません)
意外とおちゃめだったりするのもツボです。
外国物しか描かないのかな、と思ったら最後は和物でした。
浴衣の男たちもイケてます、ふは~~。
リーマン物も描いてほしいな~。

ところで、「ショーが跳ねたら……」の冒頭、10Pくらいほとんど背景なしです。
それでもぜんぜん不自然じゃなく、見えない背景がなんとなく見えてしまうのは、やはり上手さのせいなのでしょう。
この方はすごいですよ~!!
出会えてよかった~!!
BL漫画界には、こんな方もいらっしゃったんですね~(ためいき)
奥が深いわぁ~~!!

余湖裕輝「柳生非情剣SAMON」

2010年01月25日 | 本・漫画・音楽


時は天下泰平、徳川の治世。三代将軍・家光は劣等感や謀殺への畏れから心を閉ざし、剣技に耽った。孤独な将軍が打太刀役として召し抱えるのが、将軍家剣術指南役・柳生宗矩が次男・柳生左門。類稀なる美と剣術の才を兼ね備えた彼に家光は仕合の相手を命ずるが、峻厳なる剣の道に生くる左門は、そこで----...!?
剣を通して育まれる主従を越えた愛と一族の相克を描く隆慶一郎の傑作小説を、田畑由秋&余湖裕輝コンビが鮮やかにコミック化!!


原作は隆慶一郎の「柳生非情剣」、20年ほど前の小説です。直木賞の候補になったとか。
それが漫画化されてのは去年のこと。
おもわず買ってしまいました、帯見て。
『尻一つで十三万石だとぉっ!!』な、なんだ!?これは~!!

あっ、すみません、わたしのブログにいつも来てくださる方々はすでにご存知だと思いますが、
初めての方、何の気無しに迷い込んでしまった方はご注意を!
コミックの感想については限りなく下方向に話題が暴走する可能性がございますので、
腐ったもの、BL、やおい、ゲイなどなど興味のない方、お嫌いな方はここで引き返してくださいませ。


主人公は、かの有名な柳生宗矩の次男であり27歳という若さで亡くなった柳生友矩(左門)です。
柳生十兵衛の異母弟にあたる実在の人物です。
左門は時の将軍家光の剣の指南役であったそうですが、
大変美少年だったために、家光の寵愛を受けることになってしまうんですね。
そしてなんと13万石の大名に!!
そんな息子に対し宗矩が叫んだ台詞が「尻一つで十三万石だとぉっ!!」です。
己の力でやっと一万石の大名まで昇りつめた宗矩ですから、
息子に対して叫びたくなるのもおおいに理解できるわけでして……(笑)

青年向けの漫画ってほとんど読んだことがないので(「聖おにいさん」とか「かぶく者」くらい)
なんか新鮮な驚きというか、笑いというか(し、失礼)がありました。
やたらデカイ文字が飛び交っているんです!!
週刊誌の中刷り広告のように。

そして所々に
「かつて日本では男同士が愛し合うことは倫理に反することではなかった」みたいな注釈が入るんですね~。
一般人の方にはちゃんと説明しないと理解してもらえないってことなんでしょうね~。
昔は男同士の恋愛は普通に認められていたのに、
いつの間に後ろ指さされる存在になってしまったのでしょうね~。

上様と左門との愛も描かれているのですが、基本BLじゃないので、
からみあいもほとんどなく、ちょっと腐女子には物足りないぞ~という感じです。
BL漫画のようなキラキラもドキドキもありません。
剣の命をかけた男たちの物語ですから当然といえば当然でして。

そういえば、この漫画、原作者と、漫画家の他に脚本家がいらっしゃるのです。
青年誌では当たり前なんですか?
少女漫画だと、だいたい漫画家が脚本も兼ねて描いていますよね。

コミックカバーの題字「SAMON」は書道家の方が書いていらっしゃって、
yahooのブログでその制作風景を見ることができます。
なかなか興味深いかったです。
こんな風にして一冊のコミックが出来上がっていくんだな~と思うと同時に
お金かけていらっしゃるのね~と……(笑)

原作の方、図書館で予約しちゃいました。
楽しみです。