
チェルノブイリ原発事故の際、旧ソ連の科学者ワレリー・レガソフは調査委員会の中心人物として爆発当日に現場に向かい、知識もモラルも乏しい現地の幹部たちの間で、燃えさかる核の炎を消し止め、死の灰を無防備に浴びる住民を避難させようと孤軍奮闘しました。被害拡大防止に情報公開が必要とするレガソフの主張は、隠蔽を図る上層部に却下され、苦悩したレガソフは2年後に自殺しました。7月22日(金)00:00-00:50(24時間表記)BS1で放送の、BS世界のドキュメンタリー<シリーズ飽くなき真実の追求>「チェルノブイリの真相~ある科学者の告白~」では、レガソフが残した回想録を基に現場で何が起きていたのかを再現、事故の背景に単なるミスを超えた国家や社会のあり方が横たわっていたことが描かれます。福島第一原発事故後の東電と政府の対応も、厳しく見つめてゆく必要があります。脱原発と自然エネルギー中心社会実現を求める全国署名にご協力ください。
以下は番組HPからの番組概要です。
1986年4月26日に起きたチェルノブイリ原発の大爆発。旧ソ連の事故調査委員会の主要メンバーとして、事故後すぐに現地入りした科学者、ワレリー・レガソフが自ら見聞きした体験をまとめた回想録を元に描いたドキュメンタリードラマ。
爆発事故は、皮肉にも停電などで外部からの電力の供給がストップした際にいかに原子炉を安定して運転させるかを確かめる安全試験の最中に起きた。すぐに消防が駆けつけ消火作業にあたったが、放射線を浴びて倒れていった。現場には、事態を正確に把握して指揮をとれる者はおらず、幹部たちは何とか事故の情報を内輪にとどめることだけに執着した。その結果、事故の後も多くの従業員が発電所にとどまり被爆した。さらに、従業員の家族などが暮らす人口3万5千の街では、事故の情報は伝えられず、見えない死の灰が降り注ぐ中で、いつもと変わらぬ生活を送っていた。
2ヵ月後、IAEA国際原子力機関で報告を行うこととなったレガソフは、事故の影響の大きさを考慮して、ありのままの全てを公にすべきだと主張するが、政府側はレガソフを諭し、事故は従業員の操作ミスが重なったために起きたとだけ、公表させた。チェルノブイリ原発事故の現場で何が起きていたのかを生々しく描くとともに、事故の背景に、単なるミスを超えた国家や社会のあり方が横たわっていたことを指摘する。原題:Chernobyl Nuclear Disaster
制作:BBC/Discovery Channel/ProSieben (イギリス/アメリカ/ドイツ 2006)
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