第39回仙台平和七夕(8月6日~8日)の開催が間近に迫りました。関係者の方々は、会場に飾り付ける巨大な吹流しや、訪問客達に手渡す平和を祈る折り鶴レイの準備に大童のことでしょう。ところで、5日付の東京新聞朝刊1面に、仙台平和七夕関係者は勿論、核兵器廃絶を願う人々にとって嬉しい記事『真珠湾に広島の祈り 原爆投下69年後の米国 開戦の地 勇気ある展示』が掲載されました。そのあらましを紹介したいと思います。詳しくはその後に挿入してある記事のスキャン画像をご覧ください。
追:8月6日午後、会場で撮影した動画をユーチューブにアップロードしてあります。
アリゾナは旧日本軍の奇襲攻撃で沈められた米軍の戦艦で、今も千人以上の米兵の遺骨と共に真珠湾の海底に眠っている。アリゾナ記念館は真珠湾攻撃に関する国立展示館である。昨年9月からこの記念館に、広島の平和記念公園ある「原爆の子の像」のモデルで、原爆症のために12歳で亡くなった佐々木禎子さんが折った折り鶴が常設展示されている。これは禎子さんが病床で折った千羽鶴のうち、家族の元に残っていた一羽で、薬包紙(粉薬を包む正方形の紙)で折った大きさ約1センチのものである。
遺族から寄贈の申し出があった2010年当時、記念館では戦闘に焦点を当てた展示を、開戦に至る双方の背景を解説する内容に見直す作業を進めていた。ポール・デブレー記念館長は「折り鶴は太平洋戦争、続く日本占領を理解する一助になる。平和と和解を表現する新しい展示全体にも合う」と判断した。
折紙の劣化を防ぐため、展示ケースを窒素で満たす設備の導入に要した65,000ドル(約650万円)は、地元の日系人が中心になって集めた寄付で賄った。その一人の広島出身の被爆二世で日本語教師のピーターソン・ひろみさんは、同僚と一緒に出版した日本語教科書に自分の家族の被爆体験をつづり、それを使った授業で高校生達と原爆について語りあい、一緒に募金活動を行った。禎子さんの折り鶴の脇には、生徒達の折った折り鶴が飾られている。
ピーターソンさんは、「これまで『ノーモア・ヒロシマ』と『リメンバー・パールハーバー』は相容れなかった。展示は勇気のいることだったと思う」と記念館を賞賛している。デブレー館長は「折り鶴の展示に入場者から反発はない。むしろ前向きな意見を聞いている」と語っている。
なお、東京新聞の記事続編をこちらでご覧になれます。
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