2月24日(木)20:00-21:15のNHK衛星HVで放送の「未来への提言」に、現代をモアイ文明の崩壊したイースター島になぞらえて、文明崩壊の危機を警告したジャレド・ダイアモンド博士が登場します。
ゴア氏のノーベル賞受賞で映画「不都合な真実」に注目が集まりましたが、2007年6月にNHK衛星第一で放送されたテレビドキュメンタリー「映像詩プラネット」4回シリーズは、「不都合な真実」とは違った形で環境問題の深刻さを訴えた名作でした。この中でダイアモンド博士(カリフォルニア大学LA校教授)は、「モアイ文明が栄えたイースター島では、人々の生活を支えていた木を最後の一本まで切ってしまった。糧を得るために海に出る船も作れず、人々は骨肉の争いを演じて滅亡への道を辿った。まるで今の地球とそっくりではないか」と語り、視聴者を震撼させました。
ダイアモンド博士は生物学・生理学の権威でありながら、その幅広い知識と見識で地球人類史を科学の目で検証し直してきました。1997年出版のベストセラー『銃・病原菌・鉄』で過去の文明がいかにして生成・発展したかを解き明かし、ピューリッツァー賞を受賞。2005年、今度は『文明崩壊』でその文明がいかにして滅びていったのかを描きました。イースター島は太平洋上に唯一無二の文明を起こしながらも、墓石のようなモアイ像を残すだけとなってしまいました。博士は、現代文明は崩壊の危機にあり、しかも全地球的な規模になり、このまま放置すれば「地球最後の日」が現実化するという警告を発しています。
番組では、人類が作り上げた「文明」は果たしてこの先どうなるのか。迫り来る破局から抜け出すには、今何をしなければならないかを博士に聞きます。インタビュアーは文化人類学や環境問題で、ユニークな発想を展開する京都造形芸術大学教授・竹村真一氏です。
この番組は、26日(土)10:00-11:15にNHK衛星HVで再放送があります。
なお、かつて私が非常勤講師を務めた某大学で、映像詩プラネットの中のダイアモンド博士の発言の部分を視聴した受講生達の感想文が、当ブログの地球はイースター島と同じ運命を辿るのか?そして、宇宙は人類のフロンティアになり得るか?に掲載してあります。また、映像詩プラネットについても、「映像詩プラネット」1~4回 ダイジェスト版
と、映像詩プラネット 最終回 残された選択 識者全発言収録版
がご覧になれます。
参考文献
銃・病原菌・鉄-13000年にわたる人類史の謎-上、下。 ジャレド・ダイアモンド著、倉骨彰訳(2000年10月 東京 草思社)、各1900円
文明崩壊-滅亡と存続の命運を分けるもの-上、下 。ジャレド・ダイアモンド著 楡井浩一訳(2005年12月 東京草思社)、 各2000円