tjさんのコメントに返礼

　長文を読破いただき有難うございます。少し補足説明を書き入れます。
全ての生命体には生残り戦略があります。ウイルス、病原細菌、原虫、蚊のいずれも、遺伝子に変異を起こしたものの中から強いものが生残ります。変異は世代をまたいで起こり、子孫が存続しなければ耐性種として確認されません。人類のみ医療と科学技術を駆使して、同一世代の間に幾つもの病原体に打勝とうと闘ってきました。皮肉なことに治療薬剤の開発の歴史は、病原体を撲滅できなければ耐性種誕生の歴史と背中合わせです。
ご指摘のように、マラリアは社会や政治の問題でもあります。この領域は驚くべき速さで変化しています。超大国の余剰農畜産物輸出は数～10年単位で輸入国産業基盤に大打撃を与え、1人の大統領の任期中に国際政治情勢が急変しています。このような変化が不可逆でないことを祈る気持ちです。民主社会においては市民に選択が委ねられた問題ですが。
なお、野口博士は黄熱病の研究に邁進された方でした。