COCCOLITH EARTH WATCH REPORT

限りある地球に住む一地球市民として、微力ながら持続可能な世界実現に向けて情報や意見の発信を試みています。

6月25~28日に放送された石油関連番組概要

2008-06-24 00:12:06 | Weblog
にほんブログ村 環境ブログ エネルギー・資源へ
チャンネルはいずれもNHK衛星第一です。以下は番組HPに基づく概要です。スクロールダウンしてご覧ください。

放送済み分
25日(水)00:10-01:00「インドネシア パーム油増産が森を追いつめる」。
 スマトラ島に住むオラン・リンバの人々は、ここ数年急速な勢いで、生活基盤である森林を失っている。海外の企業とインドネシア政府、さらに資金を融資する大銀行が手を結び、26万平方キロという英国に匹敵する面積の熱帯雨林を、アブラやしのプランテーション農場に転換させようとしているからだ。手っ取り早い開墾方法は、ジャングルの巨木を切り倒したあとに火を放つというもの。森林火災と見紛うほどの炎は、大量の二酸化炭素を大気中に放出する。焼け跡にアブラやしの株を植えると、3年目には実が収穫できる。
 しかし熱帯雨林が育んできた生物の多様性は失われ、森での狩猟や果実の採取で暮らしてきた人々は、町に出て食物を恵んでもらうほかに生きる術がない。インドネシア全体では、4500万人の森に依存する先住民が、同じような苦境に直面している。 インドネシア最大のパーム油生産会社 の取締役は、「何も生産しない熱帯雨林を、生産的な土地に転換するもの」だとして、事業の正当性を主張。インドネシア軍と手を組んで、隣国のパプアニューギニアにまで、密かに触手を伸ばす企業も現れはじめている。(原題: Lost in Palm Oil 制作: Altemeier & Hornung Film (ドイツ) 2007年)

26日(木)00:10-01:00 NHK衛星第一「アメリカ 石油依存の構図~遅れる温暖化対策~」
 1990年、米議会で、エアコンを切った状態で行なわれた公聴会で、NASAの研究員が「地球は温暖化に向かっている」と発言。政府もこの証言を重要視したが、翌年の湾岸戦争勃発により、関心は中東問題へと移ってしまった。クリントン政権は、CO2をより多く排出すると税金が高くなる新税金システムを提案したが、出身母体の民主党が反発。自動車組合という重要な票田を失い、次の選挙を乗り切れないと考えたためだ。 クリントン時代、産業界は政府の動きに警戒を強め、「二酸化炭素の排出は地球にとって良い」ことを証明する科学者の研究に対し大規模献金を行った。産業界は、これらの科学者を動員し、「温暖化はウソ!」というCMまで制作。反温暖化キャンペーンを行った結果、アメリカの世論は温暖化への関心を失っていく。
 ブッシュ政権に入り、チェイニー元副大統領は、「エネルギー(石油、石炭、ガス)の確保こそがアメリカの安全保障の根幹」とする政策を打ち出すと、CO2の削減は国益に反するとして、完全に政策から切り離される。 ボストンの公共放送WGBHが、これまで米政権は経済活動を優先するあまり、温暖化対策に消極的にならざるを得なかったという背景を検証。ブッシュ父の時代から、クリントン、現ブッシュ政権へと引き継がれる中で、京都議定書がなしくずしとなっていった経緯が見えてくる調査報道番組。(原題: Hot Politics 制作: WGBH(アメリカ) 2007年)

27日(金)00:10-01:00 「石油 1億6千万年の旅 前編」
 石油がいつの時代に、どんな経緯で生まれたのか?1億6千万年前の恐竜時代にまでさかのぼり、炭素分子を介在させてつながる、石油と植物と二酸化炭素の関係をひも解くことから旅が始まる。 その頃、地球上では地殻変動に伴う火山の噴火が相次ぎ、大量の二酸化炭素が大気中へと放出されていた。その温室効果により海面の水位が上昇し、現在のアラビア半島がある付近には、暖かく浅い海が広がっていた。そのラグーンで異常発生した植物性のプランクトンの死骸が、長い年月をかけてゆっくりと海底に積もっていくことで、有機物を大量に含んだ地層が出来上がった。 その地層が、再び長い年月をかけて地面深くに沈んでゆき、高温高圧の条件の下に置かれることで、ようやく油田が出来上がる。石油はいつ、どこでも生成されるものではなく、ある一定の条件が揃ったときに生まれる偶然の産物。そのため、埋蔵量の70%がアラビア半島に偏在していると番組は説明する。(原題: Crude:The Incredible Journey of Oil 制作: ABC(オーストラリア) 2007年)

27日(金)10:10-11:00 「石油枯渇はやってくるのか」
 原油価格はこの2年間で、1バレルあたり30ドルから70ドルへと2倍以上に値上がりした。しかしそれは、直ちに石油不足がやってくることを意味しない。航空会社や石油会社が将来のリスクをヘッジするため、先物に資金を投じていること、機関投資家やヘッジファンドの投機マネーが流れ込んでいることが理由だ。 大手メジャーのシェブロンは、世界の主要産油国48カ国中、33カ国で、生産のピークは過ぎており、2010年にはピークオイルに達するとしている。現在の技術では、3千メートルを超える深海底の原油を掘削したり、カナダのアルバータ州に横たわる、サウジの埋蔵量に匹敵するほどの原油を含んだ油砂から抽出したりも可能だが、採算ベースにのせるのは非常に難しいのが現実だ。 欧州の専門家によるピークオイル研究会(ASPO)は、世界の観光地に対し警鐘を鳴らしている。特にゴールドコーストの新興リゾート、ハーベイ・ベイのように、集客を航空路線に依存している観光地は、石油価格が高騰すればひとたまりもない。 ピークオイルは生産サイドだけの問題ではない。自動車の利用を減らす、観光収入への依存を減らすといった、個人や行政など、消費者の側の問題でもあることを認識することこそが、危機を先延ばしにする近道だと、番組は結んで終わる。(原題: Peak Oil? 制作: ABC(オーストラリア) 2006年)

28日(土)00:10-01:00「石油 1億6千万年の旅 後編」.産業革命後、人類による石油の大量消費時代を迎える。1859年、エドウィン・ドレイクがペンシルバニア州に油田を掘り、世界で初めて石油の商業生産を開始。1879年 エジソンが電球を開発、1896年 フォードが自動車を試作と、石油は時代の波に乗り、瞬く間に、世界中の産業の根底を支えるエネルギーとなっていく。生物が何千万年もの年月を費やし、大気中の二酸化炭素を少しずつ固定化することで蓄積してきた化石燃料を、人類は、わずか150年の間に急速に燃やしつくし、膨大な量の二酸化炭素を大気中にばらまき続けてきた。
その結果、急激に地球温暖化が進み、世界各地で気候大異変の兆候が始まった。しかし、暖かな海と過剰な二酸化炭素という条件は、太古の時代に石油が生まれた時代の気候と合致する。つまり石油の終焉は、新たな石油生成の始まりでもあるのだ。地球は温暖化と氷河期をくり返し生命を育んできたが、石油はその一翼を担う重要なファクターだ。地球環境は今、大きな転換期にあり、それが激変となるか、緩やかな移行となるかは、人類の出方に託されているのだ。






コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« カナダの「カナダの汚れた秘... | トップ | 未来への提言スペシャル「地... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事