「あなたの長所と短所は?」。面接等で聞かれがちな質問だが、準備なしで即答できるだろうか▼上越教育大学の森島慧名誉教授は、学生が「短所を挙げるのは得意でも長所は挙げられない」点を心配し、「大学は自分の長所を伸ばすためにある。なのに長所を知らずに何を学ぶのか」と問い掛ける▼短所ばかりという人はいない。どんな人にも長所はある。限りある人生、短所ばかりに目を向けるより、長所を生かす挑戦を心掛けるほうが価値的だろう。また、短所と長所は往々にして裏表。短所は、長所と捉え直すこともできる。「引っ込み思案」は「思慮深い」というように▼ただ、長所は自分で気付きにくいのも確か。周囲の指摘が、長所に気付くきっかけになる場合も多い。本紙連載中の教育評論家・親野智可等さんの指摘が面白い。健康な人でも「顔色が悪いね」と別々の場面で違う人から言われると、本当に「自分は気分が悪い」と思い込み、病院に駆け込む。同様に、良い点も、一人だけでなく複数の人から、同じことを重ねて指摘されると、長所と自覚し、伸びていくという▼卒業シーズンが終わり、新入学、新社会人の季節へと移っていく。長所を見付けて、積極的に伝えよう。それが「育てる」ことだと心に留めて。(集)
年度末のコラムですけどね。
相手の長所を見つけていく…。なかなか難しいですけど、新年度に入ったことですし、挑戦していきますよ。