銀行システム障害はなぜ起きた? 技術者が語る大規模プロジェクトの実態(ニュース畑) - goo ニュース
三菱東京UFJ銀行で5月12日に起きたシステム障害。約2万件の取引に障害が発生したと報道されています。巨大銀行同士の合併に伴って、2年の準備期間と約6000人の技術者、約4000億円をかけて行われたとされる今回のシステム統合は、同行が鳴り物入りで進めてきた一大プロジェクトでした。そこで起きたトラブルの「原因」は、一体どこにあるのか。
今回のトラブルでは、提携先のセブン銀行で一部のATM取引ができなくなるなどの障害が発生し、その直接の原因として、システムの情報伝達に使う文字コードを「カタカナ」にするか「漢字」にするかが食い違っていたことがあったと伝えられています。
しかし、「原因」は本当にそれだけなのか。このニュースの背景をめぐって、ニュース畑には第一線の技術者からの投稿が多数寄せられました。それらは大規模システム開発プロジェクトの現場の実態や問題点を指摘する「叫び」の声です。
UFJシステム障害の原因は漢字とカタカナ! 現場で一体何が起きているのか - goo ニュース畑
■大手と請け負いの複雑な関係
優秀な人材を集め、慎重を極めたはずのプロジェクトで、なぜそんな初歩的なミスが起きるのか。マスコミ報道ではそこまでは分かりません。しかしニュース畑には、大規模システム開発プロジェクトの現場からの「告発」が寄せられています。
「大手のシステムは大手企業のF/N/Iなどのシステム会社が第一請負を行います。で、そこの社員の方々がお客様と会議を行うんですね。しかし、設計するのは会議に出席していない中小のシステム会社のその派遣と言うのが現状です」(匿名投稿者)
この投稿者が語る内幕はかなり具体的。さらに次のように続けています。
「大手企業の社員は会議に出席してもそのあとの議事録、申し送り事項をまとめることはほとんどしません。お客様からもらった資料を何の説明もなく、中小のシステム会社に手渡します。質問すると『それは、何処何処部門の誰々さんが担当だからその人に聞いて』と言われ担当者に聞くと『そんなこと、会議で散々説明したぞ!!』と怒鳴られる。そうなると、誰も聞かなくなり資料からどうにか作りますよね。これが今回の問題の原因だと思いますよ!!」
膨大な人数がかかわる大規模プロジェクトでは、発注側と受注側、さまざまな開発作業を担う技術者間の連携や重要事項伝達も不可欠です。その中心となる管理者やSE(システムエンジニア)への不満も噴出しました。
「こんな大切なことの連絡は、技術屋さんの範囲外です。プロジェクトの責任者がするべき仕事です。で、このようにプロジェクトの責任者というか上にいる人が無能だから、技術者はその尻拭いをさせられているのです。3K、7Kといわれるのも、大部分が尻拭いのためになります」(匿名投稿者)
「連絡しあうのはチームリーダー等のプロジェクト管理者等の管轄なので、開発担当者が直接やりとりするのは極めてまれです。障害報告が来て『そんな仕様は初耳』なんて、よくある話です」 (匿名投稿者)
■「家にも帰れない」技術者たちの悲鳴
そうした「尻拭い」を担わされ、厳しいスケジュールや営業競争、社内調整のしわ寄せを受ける技術者が、実際どんな境遇にあるかは以下のコメントに集約されているかもしれません。
「以前、某銀に納めるシステムで、さんざん打ち合わせを伸ばされ、こちらは打ち合わせが伸びた以上、本番稼動も伸びるものと思っていましたが、先方は行内で発表したスケジュールは変えることが出来ないの一点張りで、数ヶ月間、私は家に帰れませんでした。時々、下着の交換で家に戻ると、当時まだ小さかった子供から『パパ、また遊びに来てね』と言われ、何の為に仕事をしているのかと落ち込んでしまいました」(匿名投稿者)
「こちらも何とか納期に間に合わせようと頑張り、結局3K・7Kにどっぷり漬かり、それこそ身を削りながら仕事をしてますが、それに耐えかねて辞めてく部下を何十人も見ていると何かを変えないと技術者が育たないと思うのですが どうしても営業ベースの競争になると、納期もひとつの商品力となり無理な納期で営業が受注してくるといった事が止みません。技術者は使い捨ての消耗品ではありません」(匿名投稿者)
■「不具合なし」は不可能なのか
こんな状況の中で、一体どこまで「完璧」を求めなければいけないのか。プログラムを書くのもプロジェクトを仕切るのも人間。ミスは避けられないとの見方もあります。
「不具合なしは無理です。人間ですから伝達ミスや、チェック漏れは必ず発生します。どちらかというと、不具合が起こるリスクを想定して、不具合が発生した場合の柔軟でスピーディーな対策を練っておく方が現実的」(匿名投稿者)
「同じ技術者として、恥ずかしい初歩的な確認ミスだと思います。ただ、これだけの大規模なシステムで、こんな初歩的なミスで済んだのが不幸中の幸いだと思います」(匿名投稿者)
一方、「わたしも大規模なシステム開発に関わっています」という方からは、こんな厳しい意見も。
「お客さんが希望するものが作れなかったのが問題。今回の問題はコックが食べられない料理を出したようなミスだ。プロが求められている最低限すら満たさずに、コックも人間だからしょうがないとか、厨房が効率的にできてなかったからだ、それも知らずに批判するなとか、開き直るのはおかしい。同じ技術者と思われたくない」(匿名投稿者)
こうしたプロジェクトの成否についての考え方で賛否両論はあっても、技術者が置かれた境遇の厳さを否定する声はありませんでした。
投稿者が「日本企業のシステム開発環境やエンジニアの待遇、採用、育成を見直す方向に持っていかないと、もっと深刻な事態になるだけじゃないんでしょうか」(gonhaha001さん)と投げ掛けた疑問に対し、「すでに深刻な事態で、下手すると手遅れじゃないかと思ってます。ただ、具体的な解決案が出てこないのが悔しい」(匿名投稿者)と歯がゆい思いをつづったコメントもありました。
今回のシステム障害も、単に銀行やプロジェクト関係者を処罰したり批判するだけでなく、業界全体の在り方や技術者の待遇を見直す方向に持っていければ、無駄ではなかったと言えるのかもしれません。報道によれば、三菱東京UFJ銀行は今後7月から12月にかけて、さらに大規模なシステム移行を予定しているそうです。教訓は今後に生かされるのでしょうか。ニュース畑では引き続きご意見募集中です。
UFJシステム障害の原因は漢字とカタカナ! 現場で一体何が起きているのか - goo ニュース畑
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まあ、どこにでもある主従関係ですか? 言っちゃ悪いですけど。
いつまで繰り返されるんでしょうか、同じような問題が
三菱東京UFJ銀行で5月12日に起きたシステム障害。約2万件の取引に障害が発生したと報道されています。巨大銀行同士の合併に伴って、2年の準備期間と約6000人の技術者、約4000億円をかけて行われたとされる今回のシステム統合は、同行が鳴り物入りで進めてきた一大プロジェクトでした。そこで起きたトラブルの「原因」は、一体どこにあるのか。
今回のトラブルでは、提携先のセブン銀行で一部のATM取引ができなくなるなどの障害が発生し、その直接の原因として、システムの情報伝達に使う文字コードを「カタカナ」にするか「漢字」にするかが食い違っていたことがあったと伝えられています。
しかし、「原因」は本当にそれだけなのか。このニュースの背景をめぐって、ニュース畑には第一線の技術者からの投稿が多数寄せられました。それらは大規模システム開発プロジェクトの現場の実態や問題点を指摘する「叫び」の声です。
UFJシステム障害の原因は漢字とカタカナ! 現場で一体何が起きているのか - goo ニュース畑
■大手と請け負いの複雑な関係
優秀な人材を集め、慎重を極めたはずのプロジェクトで、なぜそんな初歩的なミスが起きるのか。マスコミ報道ではそこまでは分かりません。しかしニュース畑には、大規模システム開発プロジェクトの現場からの「告発」が寄せられています。
「大手のシステムは大手企業のF/N/Iなどのシステム会社が第一請負を行います。で、そこの社員の方々がお客様と会議を行うんですね。しかし、設計するのは会議に出席していない中小のシステム会社のその派遣と言うのが現状です」(匿名投稿者)
この投稿者が語る内幕はかなり具体的。さらに次のように続けています。
「大手企業の社員は会議に出席してもそのあとの議事録、申し送り事項をまとめることはほとんどしません。お客様からもらった資料を何の説明もなく、中小のシステム会社に手渡します。質問すると『それは、何処何処部門の誰々さんが担当だからその人に聞いて』と言われ担当者に聞くと『そんなこと、会議で散々説明したぞ!!』と怒鳴られる。そうなると、誰も聞かなくなり資料からどうにか作りますよね。これが今回の問題の原因だと思いますよ!!」
膨大な人数がかかわる大規模プロジェクトでは、発注側と受注側、さまざまな開発作業を担う技術者間の連携や重要事項伝達も不可欠です。その中心となる管理者やSE(システムエンジニア)への不満も噴出しました。
「こんな大切なことの連絡は、技術屋さんの範囲外です。プロジェクトの責任者がするべき仕事です。で、このようにプロジェクトの責任者というか上にいる人が無能だから、技術者はその尻拭いをさせられているのです。3K、7Kといわれるのも、大部分が尻拭いのためになります」(匿名投稿者)
「連絡しあうのはチームリーダー等のプロジェクト管理者等の管轄なので、開発担当者が直接やりとりするのは極めてまれです。障害報告が来て『そんな仕様は初耳』なんて、よくある話です」 (匿名投稿者)
■「家にも帰れない」技術者たちの悲鳴
そうした「尻拭い」を担わされ、厳しいスケジュールや営業競争、社内調整のしわ寄せを受ける技術者が、実際どんな境遇にあるかは以下のコメントに集約されているかもしれません。
「以前、某銀に納めるシステムで、さんざん打ち合わせを伸ばされ、こちらは打ち合わせが伸びた以上、本番稼動も伸びるものと思っていましたが、先方は行内で発表したスケジュールは変えることが出来ないの一点張りで、数ヶ月間、私は家に帰れませんでした。時々、下着の交換で家に戻ると、当時まだ小さかった子供から『パパ、また遊びに来てね』と言われ、何の為に仕事をしているのかと落ち込んでしまいました」(匿名投稿者)
「こちらも何とか納期に間に合わせようと頑張り、結局3K・7Kにどっぷり漬かり、それこそ身を削りながら仕事をしてますが、それに耐えかねて辞めてく部下を何十人も見ていると何かを変えないと技術者が育たないと思うのですが どうしても営業ベースの競争になると、納期もひとつの商品力となり無理な納期で営業が受注してくるといった事が止みません。技術者は使い捨ての消耗品ではありません」(匿名投稿者)
■「不具合なし」は不可能なのか
こんな状況の中で、一体どこまで「完璧」を求めなければいけないのか。プログラムを書くのもプロジェクトを仕切るのも人間。ミスは避けられないとの見方もあります。
「不具合なしは無理です。人間ですから伝達ミスや、チェック漏れは必ず発生します。どちらかというと、不具合が起こるリスクを想定して、不具合が発生した場合の柔軟でスピーディーな対策を練っておく方が現実的」(匿名投稿者)
「同じ技術者として、恥ずかしい初歩的な確認ミスだと思います。ただ、これだけの大規模なシステムで、こんな初歩的なミスで済んだのが不幸中の幸いだと思います」(匿名投稿者)
一方、「わたしも大規模なシステム開発に関わっています」という方からは、こんな厳しい意見も。
「お客さんが希望するものが作れなかったのが問題。今回の問題はコックが食べられない料理を出したようなミスだ。プロが求められている最低限すら満たさずに、コックも人間だからしょうがないとか、厨房が効率的にできてなかったからだ、それも知らずに批判するなとか、開き直るのはおかしい。同じ技術者と思われたくない」(匿名投稿者)
こうしたプロジェクトの成否についての考え方で賛否両論はあっても、技術者が置かれた境遇の厳さを否定する声はありませんでした。
投稿者が「日本企業のシステム開発環境やエンジニアの待遇、採用、育成を見直す方向に持っていかないと、もっと深刻な事態になるだけじゃないんでしょうか」(gonhaha001さん)と投げ掛けた疑問に対し、「すでに深刻な事態で、下手すると手遅れじゃないかと思ってます。ただ、具体的な解決案が出てこないのが悔しい」(匿名投稿者)と歯がゆい思いをつづったコメントもありました。
今回のシステム障害も、単に銀行やプロジェクト関係者を処罰したり批判するだけでなく、業界全体の在り方や技術者の待遇を見直す方向に持っていければ、無駄ではなかったと言えるのかもしれません。報道によれば、三菱東京UFJ銀行は今後7月から12月にかけて、さらに大規模なシステム移行を予定しているそうです。教訓は今後に生かされるのでしょうか。ニュース畑では引き続きご意見募集中です。
UFJシステム障害の原因は漢字とカタカナ! 現場で一体何が起きているのか - goo ニュース畑
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まあ、どこにでもある主従関係ですか? 言っちゃ悪いですけど。
いつまで繰り返されるんでしょうか、同じような問題が