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【解答乱麻】子供の笑い声消してはならぬ B&G財団専務理事・菅原悟志

2015年02月14日 23時26分22秒 | コラム・ルポ

【解答乱麻】子供の笑い声消してはならぬ B&G財団専務理事・菅原悟志(産経新聞) - goo ニュース

産経新聞2015年2月14日(土)13:27

 少子化の波が止まらない。社会問題化して以来、有効な手立てを打てないまま今日まできた国の責任は大きい。少子化対策は今や国家消滅の危機に関わる最重要事項である。「子供は社会の宝」といわれ、社会で育てるという認識を持つべきだが、子供を取り巻く環境は厳しさを増すばかりだ。

 近年、飛行機内での子供の泣き声や電車内でのベビーカーの利用がクレームの対象になっている。また都市部を中心に保育所などの児童施設では子供の声が「騒音」だとして、周辺住民から苦情が寄せられている。そのため外遊びの時間制限を余儀なくされることがある。待機児童を多く抱える地域にもかかわらず施設の建設が難航することも見受けられる。子供の声や行動に厳しい態度をとる大人が増えてきたのである。

 知人の保育士によれば「園児の声がうるさくて生活できない。外で遊んでもいいが静かにしてほしい」と言い出す近隣のお年寄りもいるそうだ。なかには保育園を開設した後にそこへ移り住んだ人も苦情を寄せるという。その対応に疲れ果ててしまうらしい。

 子供が泣く、笑う、騒ぐなどは当然のことだ。人間形成において一番貴重な幼児期では外で元気に遊ぶことが子供の成長には不可欠である。苦情を寄せる人のなかには中高年者が多いらしい。だがその人たちもかつては子供だったことは間違いない。育児を経験した人も数多くいて孫もいるだろう。

 誰もが少なからず周囲に迷惑をかけながら大人になり、今の自分が存在している。この大切なことを忘れ自らの穏やかな生活環境を保つためだけに次代を担う子供に犠牲を強いる。このような態度はあまりにも身勝手すぎる。

 このような環境では育児中の親が肩身の狭い思いをし、さらにストレスをため込むことになる。また子供を望む夫婦にとっても不安で出産を躊躇(ちゅうちょ)させることにもなりかねない。少子化対策に逆行していることに気付くべきである。

 皮肉なことだが苦情を寄せ子供の成長を妨げる人たちを含め、われわれ大人が積み重ねた膨大な国の借金は、やがて子供たちが背負う羽目になる。だが現在、子供は何ら声を発することができない。

 だからこそ泣き声や話し声がうるさく迷惑だと感じたとしても、それは大したことではなく目をつむるような寛容さがあっていいはずだ。ならば日中を自宅で過ごす生活音に敏感な人たち、なかでもとりわけ定年を迎えた世代には残りの人生を健やかに過ごしてもらうため、子供と触れ合うボランティア活動に参加することを望む。

 核家族化が進み子供とお年寄りが共有する時間がなくなっている。活動を通じ子供と接することで学ぶことは多くあるはずだ。また培ってきた知識や経験、技術などを子供に伝える。肝心なのは排除ではなく、向き合い子供の特徴を理解しながら良好な関係を築くことにある。その方が前向きで地域のためにもなる。

 今後さらに加速する少子化。さまざまな対策が実を結ぶには時間を要する。国や自治体だけに任せておけばいい、という従来の姿勢ではなく一人ひとりがわが事として認識することが肝要だ。子供が健全に育ち、安心した生活が送れるよう社会全体で育児を支える。「宝」を磨き成長させるのは大人の役目である。子供の声や笑いが消えた社会に未来はない。

◇                   

【プロフィル】菅原悟志

 すがわら・さとし ブルーシー・アンド・グリーンランド財団。海事科学振興財団(船の科学館)監事。


ごく一部の大人だとは思いたいですけどね。 


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