清水富美加の電撃出家の裏で、大チャンスをつかんだ女優が1人……。それは、24歳の石橋杏奈。11月より公開される映画『泥棒役者』(監督:西田征史)で清水の代役に抜てきされました。女優として着実に経験を積みながらも、なかなかブレークには至らなかった彼女ですが、ここが転換点となるのでしょうか?
 
関ジャニ∞丸山主演の注目作
 
『泥棒役者』は、関ジャニ∞丸山隆平の記念すべき映画単独初主演作! ……なのですが、清水の出家により、一時は公開中止も危惧される事態となりました。すでに撮影を終えていたシーンも多かったにもかかわらず、清水の出番を急きょ撮り直すことになったと報じられています。そんな大変な現場で、清水の代役を務めることになったのが石橋です。
 
『泥棒役者』は、8人の登場人物による“だまし・だまされ”の一大喜劇。清水演じる奥江里子は、市村正親演じる絵本作家・前園の担当編集者という役どころで、彼女が物語の中で次第にアイデンティティを確立していく姿も作品のポイントのようです。
 
丸山隆平、市村正親、石橋杏奈の他に、高畑充希やユースケ・サンタマリア、峯村リエたちが出演するとも発表されており、結構な豪華キャスト! また、監督・脚本を担当する西田征史は、大ヒットアニメ「TIGER & BUNNY」やNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」といった作品の脚本を手掛けてきた人気クリエイターで、映画の監督を担当するのは、『小野寺の弟・小野寺の姉』に続き本作が第2作目。つまり『泥棒役者』がかなりの注目作であることに間違いはなく、石橋の代役決定は“大抜てき”と言っても差し支えないのではないでしょうか。
 
「LIFE!」で“通”には好評でも…
 
石橋は、けっして女優として経験値が低いわけではありません。女優デビューを果たした2007年放送のテレビ朝日系ドラマ「失踪HOLIDAY」では、いきなり主演を務めています。それから、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」と「花燃ゆ」、NHK連続テレビ小説「おひさま」、TBS系ドラマ「天皇の料理番」など話題作に関わってきてはいるのですが、出演作は多いものの、「テレビに引っ張りだこ」的な目立った印象はない……というのが正直なところです。
 
2012年の放送スタート時からレギュラー出演しているNHK「LIFE!〜人生に捧げるコント〜」でのコメディ演技は好評ですが、どちらかというと同番組は“通好み”のテイスト。広い層に一発で「あの女優は誰だ!」と見つかるような機会には、なかなか恵まれませんでした。
 
そんなときに舞い込んできたのが、話題作『泥棒役者』出演のチャンスです。しかも、“あの清水富美加の代役”ということで、プロモーションイベントなどでも、石橋がメディア注目を一身に集めることは間違いありません。逆を言えば、それだけ言動に気を遣わなければならない難しい立場ということにはなりますが……。
 
女優デビュー10周年の大チャンス
 
任天堂が発売した新型ゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」のテレビCM「おすそわけ篇」出演、6月10日公開の映画『22年目の告白 ―私が殺人犯です―』出演と、『泥棒役者』以外にも大きな仕事が続いており、女優として運が向いてきている!?
 
“代役”のおいしさは、スケジュール重視のため、もともと大人気女優がやる予定だった仕事がポロッと回ってきたりするところ。今をときめく広瀬すずだって、始めは能年玲奈の代役だったと一部ネットニュースサイトで報じられています。石橋はここからブレークへの階段を一気に上っていけるのでしょうか? 女優デビュー10周年を迎えて、今、千載一遇のチャンスが巡ってきています。
 
(文/原田美紗@HEW)
 
2017年3月16日