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NIKOMAT | FTN

2015-06-16 | インプレッション

3年前に愛知へ出張に行ったときに、ふと寄ったハードオフで購入したカメラ。

40年以上前のニコンの廉価盤一眼レフカメラ、FTNです。
(もちろんデジタルじゃありませんので背面に液晶画面なんぞも付いていません)


これに50mm/f1.4が付いてなんと4,000円!

電池は測光用ボタン電池が1個だけ。

シャッター幕のチャージやフィルムの巻き上げは完全機械式なので測光しなければ電池なしで撮影できるカメラです。





ジャンクコーナーではなく、ちゃんとショーケースに入れられていました。

↑実物品(購入後に自宅で撮影)


レンズ内にはホコリが多少あったけど撮影には支障ないレベル。
なにより40年以上前のものなのにカビひとつ生えていないのが奇跡的。
オーナーさんが大切に扱っていたのでしょう。


ファインダーもきれいだし可動部もちゃんと動く。
お店で空シャッターを切らしてもらったけど問題なし。

ダメだったら飾り物感覚で即購入。

レジで会計を済ますと薄手のショボいビニール袋に緩衝材なしで無造作に入れてくれました(笑)。




後でヨドバシにて露出計用の電池(今となっては輸入品)を350円(高い!)で購入してセットしてみましたが、はやり故障してウンともスンとも・・・

セコニックやフォクトレンダーの露出メーターも考えたのですが、このカメラが4個以上も買えてしまう値段。

カメラよりも高いってどゆこと?


っということで仕方ないのでスマホに露出計アプリを入れて使用することに。
これが意外と優秀で焦点距離やF値、ISOを設定すると適正値を表示してくれます。

フィルムはKodakのトライ-X400。
24枚撮り、モノクロでISO400です。


このセットで撮影開始!


ん~デジカメと違ってなかなかシャッターを切ることができません。

何しろ一発勝負。
しかもその場で確認ができない!


構図はもちろん、絞りやF値、シャッタースピードを慎重に決めてようやくシャッターボタンを押せる、っといった具合。

とにかく「一枚撮影するのに、とても時間がかかる」のです。







結局、24枚全て撮り終わるのに「2年」もかかってしまいました・・・(汗)



構図を決めるのに一週間。

絞りを決めるのに一週間。

F値を決めるのに一週間。

シャッタースピードを決めるのに一週間。


そして一か月後にようやくシャッターボタンが押せるのです。(ウソつけ!)



1枚の撮影に1か月かかるのです。(ぉぃぉぃ)




まぁ冗談はさておき、フィルムの鮮度に悪いことはわかっていましたが、とにかく「もったいない」し「面倒くさい」のです。





測光するのに手間がかかるし、ピントはマニュアルだから「動きもの」は無理。

静物を撮るっていったって風景は今一つ。

どちらかというとスナップ系だとは思うけど、その「一瞬」を撮るのに不向き・・・

それにコイツが結構重いのです。

まさに鉄のカタマリ。
これで頭殴られたら陥没すること間違いなしですね。
護衛にはイイカモ?!


そんなワケで撮る機会をどんどん逃しながら2年が経過したのです。




そんなこんなでようやく撮り終わり、いよいよ現像&プリント。
家ではできないので近くのカメラ屋さんへ。

外注なので数日かかりましたがデジタルですぐその場で確認できるのと違ってワクワク感がありますね。

家に帰って早速袋から取り出してみると・・・心配していましたがまったく無問題、むしろよく撮れているじゃありませんか!

高速シャッターが1/2000秒まで、と遅いですが露出オーバーすることもなく適正。
低速側では手ぶれ補正も付いていない(当たり前)ので手持ちではブレブレ。

まぁL判プリントだしデジタルで等倍で見るわけではないので許容範囲ですね。



フィルムスキャナーは持っていないのでデジタル化できずお見せできませんが今でも十分耐えられるカメラということが証明されました。お見せできませんが。




えっ? 今もちゃんと使っているかって?!


・・・ん~防湿庫で睡眠中ですかね・・・










まさに温故知新。


便利な世の中だからこそ改めてその良さを知ることができました。

いろいろ考えさせてくれるFTNでした。