環境色彩計画は、対象となるものの周囲がどのような色彩環境を持っているかを把握することから始まります。
また、環境を構成する要素を分類・整理し、対象物の“位置づけ”を確認することが重要であると考えます。
これは、その考え方を模式的に表した、環境における『誘目性のヒエラルキー』というものです。誘目性とは、単に色の目立つ・目立たないだけでなく、環境の中で人の目を引き付ける度合いを表します。
もっと簡易な図や表は、色彩検定やカラーコーディネーター試験の参考書等にも記載されています。
左右に誘目性の高低を示す軸を取り、環境の中で目立つ必要のあるもの、例えば交通標識やサイン、イベントのバナー(旗)等を誘目性の高い方に、そういったものの言わば背景となるような、舗装や建築物の外装・屋根等、いたずらに目立たせる必要のないものを誘目性の低い方へ位置づけています。

私達はこのような環境の全体像がよりわかりやすいように、画像や例となる色彩などを入れ、視覚的に環境全体を捉えられる図を作成し、活用しています。
大規模なプロジェクトの場合などには、その物件毎に画像を変え、より実際の環境に近いイメージを表現する場合もあります。

これはさらに、左右を動く・動かない、上下を面積の大・小とし、よりきめ細やかな視点で対象物の位置づけを明らかにする作業に役立てています。
このような整理をしていくと、まず自然物と人工物の特徴が見えてきます。
また、交通標識等を例にあげると、鮮やかな高彩度色は環境全体の中で見ればごく小さな面積で、地上付近に出現していることがわかります。一方、建築の外装色や舗装等は、面積が大きくある程度距離を置いた際にも、一定の存在感を持って出現する要素である、とも言えます。
これは、自然界における色彩構造と類似しています。
こうして、環境全体から対象となる建物や工作物、あるいはストリートファニチュアーにふさわしい色彩を位置づけます。
周囲の環境に対し、目立つ必要のあるサインや標識はより公共性の高い要素と言えますから、常に高い誘目性を保たせるべきではないでしょうか。
あるいは、こういう考え方も出来ます。環境の中で主役となるべきは、何か。もし、ヒエラルキーのバランスを崩してもなお、調和ある景観だと認められるためには、新しく主役となることの意図や意義や広く人々に理解されるものでなければならないと思います。
一方、脇役はただ控え目であればよい、ということはありません。建築の基調色がただ単調で均質化しれば、まちなみは無味乾燥で殺伐とした印象となります。また、歩行者の目線に近い小さなものほど、まちなみの雰囲気の形成に大きな影響力を持っています。
色彩計画はこのように、常に全体と個の関係を調整することに他なりません。
広い視野をもちながら、個々の要素を注視し綿密な調整を行い、また全体に引き戻すこと。
相当意識しないとバランスがどちらかに偏りがちですが、それを助けてくれるのが、自分達が頭と手を動かし作成した図版等の資料であると思っています。
そしてこれらの資料は、常に見直し更新していくことも大切です。
また、環境を構成する要素を分類・整理し、対象物の“位置づけ”を確認することが重要であると考えます。
これは、その考え方を模式的に表した、環境における『誘目性のヒエラルキー』というものです。誘目性とは、単に色の目立つ・目立たないだけでなく、環境の中で人の目を引き付ける度合いを表します。
もっと簡易な図や表は、色彩検定やカラーコーディネーター試験の参考書等にも記載されています。
左右に誘目性の高低を示す軸を取り、環境の中で目立つ必要のあるもの、例えば交通標識やサイン、イベントのバナー(旗)等を誘目性の高い方に、そういったものの言わば背景となるような、舗装や建築物の外装・屋根等、いたずらに目立たせる必要のないものを誘目性の低い方へ位置づけています。

私達はこのような環境の全体像がよりわかりやすいように、画像や例となる色彩などを入れ、視覚的に環境全体を捉えられる図を作成し、活用しています。
大規模なプロジェクトの場合などには、その物件毎に画像を変え、より実際の環境に近いイメージを表現する場合もあります。

これはさらに、左右を動く・動かない、上下を面積の大・小とし、よりきめ細やかな視点で対象物の位置づけを明らかにする作業に役立てています。
このような整理をしていくと、まず自然物と人工物の特徴が見えてきます。
また、交通標識等を例にあげると、鮮やかな高彩度色は環境全体の中で見ればごく小さな面積で、地上付近に出現していることがわかります。一方、建築の外装色や舗装等は、面積が大きくある程度距離を置いた際にも、一定の存在感を持って出現する要素である、とも言えます。
これは、自然界における色彩構造と類似しています。
こうして、環境全体から対象となる建物や工作物、あるいはストリートファニチュアーにふさわしい色彩を位置づけます。
周囲の環境に対し、目立つ必要のあるサインや標識はより公共性の高い要素と言えますから、常に高い誘目性を保たせるべきではないでしょうか。
あるいは、こういう考え方も出来ます。環境の中で主役となるべきは、何か。もし、ヒエラルキーのバランスを崩してもなお、調和ある景観だと認められるためには、新しく主役となることの意図や意義や広く人々に理解されるものでなければならないと思います。
一方、脇役はただ控え目であればよい、ということはありません。建築の基調色がただ単調で均質化しれば、まちなみは無味乾燥で殺伐とした印象となります。また、歩行者の目線に近い小さなものほど、まちなみの雰囲気の形成に大きな影響力を持っています。
色彩計画はこのように、常に全体と個の関係を調整することに他なりません。
広い視野をもちながら、個々の要素を注視し綿密な調整を行い、また全体に引き戻すこと。
相当意識しないとバランスがどちらかに偏りがちですが、それを助けてくれるのが、自分達が頭と手を動かし作成した図版等の資料であると思っています。
そしてこれらの資料は、常に見直し更新していくことも大切です。