『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』 ☆☆★★★

久々に劇場に行きました。なんと１０日ぶり！！まずは１本目。

『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』
監督：ニルス・ミュラー
製作：アルフォンス・キュアロン他
製作総指揮：レオナルド・ディカプリオ、アレクサンダー・ペイン他
出演：ショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ドン・チーゲル、ジャック・トンプソン

監督／脚本のニルス・ミュラーは今作がデビュー作らしいが、この映画の製作を発表した
のは９９年だったそうです。内容が内容だし、２００１年には９・１１事件もあり資金集め
に苦労した為結局５年もかかったらしい。脚本を読んでその才能を認めたディカプリオや
アレクサンダー・ペインが製作に加わり、アルフォンソ・キュアロンのアンヘロ・プロダ
クションが製作を買ってでて製作された。ショーン・ペンの起用は９９年当初から決まっ
てたらしい。

かなり事実に忠実に作られているみたいだ。サミュエル・J・ベックという人物が７４年
２月２２日に航空機をハイジャックしホワイトハウスに突っ込むという大統領暗殺計画
未遂事件を起こす。映画はそこに至るまでのサム・ベックの生活、動機、背景を描く。
以下ネタバレあり。



彼はなぜ大統領を憎むようになったのか…。
サムは事件１年前に妻マリーと別居、３人の子供とも週に１回会う程度だった。仕事面でも
セールスマンという定職にはつくもののナイーブで不器用なサムは思うようにいかない。
彼の上司は立派なセールスマンになれと言う。そしてニクソンが世界一の商売人だとも…。
あまりにも正直に生きようとするサムには客を騙しての商売はできなかった。そんな彼の
目には大統領の発言や行動は国民全員を騙しているように見えた。
友人ボビーと新たな事業を始めようとするがなかなかうまくいかず、家族との関係も仕事も
うまくいかないサムは全ての原因は合衆国大統領にあると思うようになる。
なんでやねん！って思ってしまうが、実際の動機なんてそんなもんなのかも知れないです。
多くの様々な事件が毎日起こってますが、動機が意味わからんのも多いですもんね。サムに
同情する氣はさらさらないが、彼みたいな人がいたこと、彼の起こそうとしたことを世間の
人が知るのは大事なことだと思います。彼は数十億分の１ではなく、あの時代を立派に生き
た１人の人間だから。

映画としての題材は社会派サスペンスとしても凄くいいものだったが、サムの私生活を描く
シーンが少し見ててしんどく、サムのキャラクターに苛立ちを覚えた。前半はジャック・
ニコルソンの「アバウトシュミット」を見ているような感じだった。サムがついに最後の
行動に出るシーンはかなり緊迫感がありショーン・ペンでないと出来ない演技だったかも
知れないが前半のショーン・ペンはあんまり好きではなかった。実際にいた人物を演じて
るんだから評価するのもおかしな話ですけどね。

この事件以降ホワイトハウスには地下の避難シェルターや対航空機用ミサイルが備えつけ
られたそうです。もちろん２００１年の９・１１同時多発テロのずっと以前の話です。

ってかナオミ・ワッツって気づかなかった（笑）デビッド・リンチの「マルホランド・
ドライブ」で彼女のファンになった。そして東京国際映画祭の「ザ・リング」の上映前の
舞台挨拶に行った際にも彼女を見た。めちゃキレイだった。松嶋菜々子が花束を持って
かけつけてた。日米リング対決みたいなことを言っていた。
それでも彼女に気づかなかった。女の人って映画によって雰囲気変わりますよね？

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