JR東海は、東海道・山陽新幹線用に導入する「N700S」の確認試験車の製作をすることを発表した。
「N700S」では、ATC、ブレーキシステムを改良し、N700Aよりブレーキ距離をさらに短縮、台車振動検知システムもららに改良する。駆動システムにはSiC素子を使うことで、11.0tの軽量化を図る。
中間車の床下機器配置を、6種類から2種類に変更、このことで16両の基本設計の変更せずに、12両、8両といった様々な編成を組むことが可能になる。先頭形状はデュアルスプリームウィングを採用、軽量化と走行抵抗の低減で、N700Aより消費電力を7%削減する。
機器の状態のデータについては、現状以上に多く車両データ分析センターに送信、異常時には車内防犯カメラのリアルタイム画像を総合指令所に送る。また、N700Aで使用していた鉛蓄電池については、リチウムイオンバッテリーに変更することで軽量化を図る。
グリーン車にはフルアクティブ制御振動装置を搭載して乗り心地を向上、普通車全席にもモバイル用コンセントを設置する。
試験車の完成予定は平成30年3月で、量産車については平成32年度に投入する方向で検討している。
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N700系の先行試作車が投入されてから11年、N700Aが投入されてから4年で、さらなるバージョンアップ車の発表、N700Aで見直したシステムをさらに改良したうえで、軽量化などで消費電力を削減させた。N700は700に比べ消費エネルギーを2割近く削減したのだけど、それをさらに削減することになる。
「N700S」の今までなかった特徴として、基本設計を変更せずに編成を自由に組み替えることが可能なこと。このことで、8両は「みずほ」「さくら」「つばめ」を置き換えることできるし、12両も台湾高速鉄道700Tの置き換えができる。「みずほ」「さくら」にN700Sの8両を導入、余剰となったN700の8両×30本が、500系×8、700系RS×16、800系0番台×6を置き換えるということになるだろう。でも、N700と違ってJR西日本との共同開発ではないから、その辺は少し微妙だけど。500系が平成9年製だということを考えると、早めに置き換えなければならない。
去年10月のプレスリリースから、N700S量産車投入の平成32年時点では、JR東海はN700Aに統一されているから、西日本に残った16両編成17本を置き換えていく方向なのだろう。東海のN700S導入で余剰となったN700Aを西日本に譲渡する形で。それと並行して8両を山陽・九州に導入したり、12両を台湾に導入したりという流れになるのだろうな。
最新のN700Sでもフルアクティブ制御振動装置はグリーン車だけ、これはE5が全車両にフルアクティブ制御振動装置を付けているのとは対照的、E5の方が速いけど、東海道もカーブがそこそこあるからな。熱海近辺での乗り心地を向上させてほしいところだけど。モバイルコンセントは、東日本新幹線が前シート下部にあるのに対し、シート肘置きの先端に付けることに。今までの窓際シート足元に比べると、相当楽に電源コードを差し込むことができる。現状のタイプだと、隣に人がいる時に付けにくいからな。
量産車投入の7年後にはリニア開業、でも横浜などへのアクセスを考えると、東海道新幹線は朝晩の一部が廃止になるくらいではないかと。N700の初期車は廃車になるけど、置き換えのN700Sは製造されないくらいか。時間短縮による運用本数減を考えると。
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