アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

丸橋広実さん著「おしゃべりなインド舞踊~ケララに夢中」

2018-09-15 | インド映画

インド古典舞踊モーヒニーアッタムの先生、丸橋広実さんからご著書をいただきました。題して「おしゃべりなインド舞踊~ケララに夢中」(ケララ企画/税別1,800円)。ケララ(私はケーララという表記が好み)とは、インド西南端にある州の名前です。ケーララのキーワードを並べてみると、「仮面舞踊カタカリ」「マラヤーラム語」「椰子の木」「バックウォーター」「象祭り」「カラリパヤットゥ」等々でしょうか。私は3、4回しか行ったことがないのですが、東側のタミル・ナードゥ州に比べると、「緑したたる」土地という印象が強い州です。最初に行ったのは1980年代初めで、当時はマドラスだったチェンナイから飛行機でトリヴァンドラム(現ティルヴァナンタプラム)に飛ぶと、西ガーツ山脈を越えたとたんそれまでの赤茶けた大地が緑色に変わり、湿潤な気候の土地に来たんだな、と思い知らされました。「おしゃべりなインド舞踊」の本の装丁は、そのケーララ州を写したような緑色の表紙となっており、とてもきれいです。

表紙を飾る美しい舞踊手は、もちろん丸橋広実さん。左上の舞踊手は、丸橋さんの先生であるリーラーマー師で、左側に「モヒニアッタムの巨匠、リーラーマー師に捧ぐ」とあるように、2017年6月に亡くなられました。本書は、その訃報から始まっています。右上には、丸橋さんのもう1人の先生、マールギー・サディ師の写真がありますが、こちらの先生も2015年12月に亡くなられたとか。この本は、丸橋さんが敬愛するお二人の先生に捧げられているようです。ほかのイメージ写真は、ケーララのおいしいお料理やカタカリなど。ケーララの地図も付いています。そして裏表紙は、一段と緑の色が鮮やかです。


もともと丸橋さんはとてもお話上手で、「インド通信」の発送作業に来て下さると、抱腹絶倒の語りでみんなを大笑いさせて下さいます。本書にある「これもアーユルヴェーダの治療なの?」というエピソードも、聞いた時はみんなで転げ回らんばかりに笑ったのですが、そこが見込まれて本書の出版となったようで、笑えるエピソードがいっぱいのほか、つらかったことも笑いに変えて記述してある、とっても楽しいご本です。丸橋さんのことがよくわかるのはもちろんですが、前述のお二人の先生のことや、ケーララのことも、アハハと笑いながらいつの間にか詳しくわかってしまうという、軽いノリながら内容豊富な本です。第五章には「インド映画にデビュー」という項目もあって、マラヤーラム語映画界の内幕(?)が書いてあります。えぇ~、こんなトンデモ映画界なのぉ? インド映画に関心をお持ちの方は、ぜひ読んでみて下さい。

丸橋さんは、ケーララに通ううちにマラヤーラム語もすっかり上達、今では日本で通訳もこなしているのですが、ケーララ滞在中にはテレビ番組に出演したりもしています。その映像がYouTubeにアップされていますので、下に貼り付けておきましょう。丸橋さんが華麗に舞う映像も見られます。

Interview with japanese dancer Hiromi Maruhashi

「おしゃべりなインド舞踊~ケララに夢中」をご希望の方は、出版元のケララ企画までご連絡下さい。最後になりましたが、丸橋さんご出版おめでとうございます! これからもがんばって下さいね!

<追記>

丸橋さんのモーヒニーアッタムを実際にご覧になりたい方は、9月29日(土)・30日(日)と代々木公園で開かれるイベント「ナマステ・インディア」の2日目、30日(日)にお越し下さい。夕方6時5分から20分間の公演が予定されています。時間は変更になる可能性もありますので、「ナマステ・インディア」公式サイトの「プログラム」でよくご確認の上、お出かけ下さいね。

 

 


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