アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

因縁のチェンナイ<6日目>3つのびっくり事件

2024-03-08 | インド映画

チェンナイでは、ホテルのドタバタが解消したと思ったら、その後もあれこれありまして。ちょっとメモっておきます。

<事件その①>ジガルタンダーがなくなった!

チェンナイに来ると、ここ10年ぐらい最大の楽しみだった食べ物が、ムルガン・イドリー・ショップのデザート「ジガルタンダー」。今回はデリー→チェンナイのエア・インディアの機内食を食べて以降、お腹を壊してしまい、ホテルの朝食以外はほとんど食べていなかったのですが、カパレーシュワラ寺院の門前町の薬局で買った下痢止め10錠(何と、10錠で20ルピー=36円)が効果を発揮し、やっとお腹も正常に。さあ、ムルガン・イドリー・ショップに行って、ジガルタンダーと再会するぞ! と張り切って行ったら、店頭のジガルタンダー調理台がアイスクリーム売り場みたいなのになっていました。で、中に入るとこんなポスターが貼ってあります。

ええ~、普通のジガルタンダーはないのォ? で、「カルパッティ(黒糖、という意味だとか)」を頼んでみたら、案の定くどくてあまりおいしくないのです。

お店のレジの人に聞いたら、「レシピを変えたんですよ。アイスクリームをいろいろ置くようになって、それをトッピングする形になったんです」とのこと。あ~ん、昔の味のが食べたいよー、と訴えてみたのですが、「今は出していないので」というつれない返事。他のムルガン・イドリー・ショップではジガルタンダー自体がメニューになかったと思うので、これはもうあきらめるしかないですね。食事メニューは相変わらずおいしいのに、なぜに変える、ジガルタンダー。私にとってのチェンナイの魅力が、8割方減りました。

<事件その②>3軒隣に寺院が出現!

今いるレジデンシー・ホテルは、前にも書いたように繁華な商業地域があるTナガルという地区にあり、結構広い地域に中級の上ぐらいのホテルが何軒も建っています。レジデンシー・ホテルの隣も、どうやらホテルらしき建物が建設中なのですが、そこから2軒向こうに、何と!ヒンドゥー教寺院が出現していました。ホテルのフロントで聞いても「あ、ああ、そうなんです、最近出来たんです」ぐらいの返事しか返ってこず、大事件、という感じではありません。でも、こんな寺院が突然ホテルと住宅のある地域に登場すると、驚くでしょうが、フツー。

昼間も結構にぎやかですが、夜は電飾がついて一段と目立ちます。

「Tirumala Tirupati Devasthanams」という名前の寺院で、中にいた若い僧侶くん3人組に聞いてみると、かの聖地ティルパティの女神をまつっているのだとか。「ご本尊様はレプリカだけどね」とあまりありがたそうでないことも教えてくれる僧侶くん。「寺院って、こんなに突然出来るものなの?」「うん、勧進元の人がここの土地を提供しますって言えば、そこに寺院を建てられるんだよ」とのことで、それでホテル街の、しかもフライオーバーと呼ばれる陸橋のすぐそばに聖地が出来ちゃったのでした。

中では、女神様のレプリカがブランコ状ソファに座り、僧侶の皆さんがそれを漕いだり扇いだりする傍らで、生の演奏者が音楽を奏でています(柵のすぐ向こうにいる人たち)。お参りしてぐるっと回ってみると、奥の方には立派なコンクリ作りの寺院内陣ができており、信仰心とはすごいなあ、と感心しました。寺院内ではケータイで写真を撮っている人がいたので、私もパチリ。出る時は、プラサードと呼ばれるものを下さるのですが、この日はカレー味の炒めご飯でした。持ち帰るのも大変なので、このあとムルガン・イドリー・ショップに行く途中に出会った物乞いの人に、ちょっぴり現金も付けてもらってもらったのですが、甘いポンガルライスではなかったのが意外でした。

<事件その③>郵便局でも一騒動!

友人、知人の皆さんはご存じですが、私は年賀状の返礼をこの時期に来るインドから出しています。今回も、最初のムンバイでGPO(中央郵便局)に行き、郵趣窓口で日本までの葉書の料金を15ルピーと確かめ、100人ちょっと分ぐらいの15ルピー分記念切手を買って、旅の合間にちょこちょこ添え書きしたりしながら、デリーを発つときに空港郵便局から70枚ほどを投函したのでした。

デリー空港第3ターミナルの郵便窓口にいたのは、カムレーシュワルさんとラーナーさんというお二人で、私が「これ、料金大丈夫ですよね? このポストに入れればいいですか?」等々ヒンディー語で聞いたらたちまち乗ってきてくれて、あれこれ身元調査したあと、お年を召した方が「インドの旅で困ったことがあったら、何でもわしに言ってきなさい」と、まるでモーディー首相かと思うようなお言葉をおっしゃり、ちょっと笑ってしまいながらもご親切な方、と御礼を言ってお別れしたのでした。

で、上写真の左の投函口にいれ、意気揚々とチェンナイに飛んだわけですが、残っていた40枚ほどをチェンナイで出すべくいつものマウントロード郵便局(現アンナーサライ郵便局)に持って行き、切手を確認してもらったところ、何やら雲行きがあやしくなりました。そして、隣の人と相談した中年の局員からは、「この宛名がローマナイズになっていないのはダメです。全部ローマナイズで余白に書き入れて下さい。さもないと、あと9ルピーかかります」と言われてしまったのです。「えー!」と思ったのですが、まあ、日本も同じようなこと言ってるし、と、郵趣の建物に行き、カウンターにいた青年にわけを話してデスクを借り、ローマ字で宛名を書き直したのでした。42枚、ローマナイズ住所を書くのもしんどかったですが、町名とか読めないものも多く、変なローマナイズになっていたらごめんなさい!と思いつつ書くのも気が滅入りました(お手元に変な年賀状が届いた皆様、お許しを)。下は、郵趣のカウンターの担当者である寡黙な青年サンジャイ・ロイさんです。

それでやっとこ書き終えて窓口に持って行ったら、「あと9ルピー貼らないと」と言うではありませんか。何と私の聞き間違いで、上記の「さもないと」は「さらに加えて」だったのでした。で、また郵趣の建物に返って、葉書の余白に貼れる10ルピー切手を探して42枚買い、スポンジを借りてペタペタ貼ったのでした。9ルピーという切手はなく、普通切手でも2枚とか3枚とかになるので、そうすると葉書の余白がなくなるため、こうするしかないのです。それで、このサンジャイさんといろいろ話をしていると、ベンガル出身ということがわかりました。西ベンガル州のシリグリという、ずーっと北部、ダージリンに近い町です。「公務員試験受けたら、ここに配属になって...」と言っていましたが、ベンガル人コミュニティはここチェンナイにもあって、ドゥルガ・プージャーとかも毎年やるそうです。ベンガル語映画にも詳しい、というので、「今、注目の監督は?」というと、Kaushiki GangulyとSrijit Mukherjeeという二人の名前を出してきてくれました。そんなことをやりながら、やっとこさ42枚貼り終わり、また窓口の人のところへ。今度は親切にも、スタンプを押す人がいる裏の方へ連れて行ってくれて、「これで大丈夫、届くから。規則なので、悪く思わないで」というようなことを言ってくれた、親切な人でした。

普段、自分の顔は出さないんですが、サンジャイ君とのお話が楽しかったのでツーショットを撮ったのを付けておきます。この郵趣窓口の建物、元は映画館なんですよ。それもあって、チェンナイで一番好きな場所です。

とまあ、チェンナイでもいろいろありまして。昨日書いた日本映画『鬼滅の刃』は、遠いモール「スカイウォーク」までわざわざ見に行ってみたら、「上映はキャンセルになりました」と言われて腰砕け。きっと、予約がゼロかゼロに近かったに違いない。子供向け映画で「日本語上映、英語字幕付き」なんて無理だよねー。代わりに他の映画を見たのですが、タミル語映画は2本ともがっくりの出来。あえて名前はあげませんが、あー、やっぱ今の時期はダメなのね~と花粉症対策で選んだこの時期がたたったようです。因縁のチェンナイ、今年も敗退、というところです。

 


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3 コメント

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届きました~~ (グレゴリ青山)
2024-03-20 11:53:40
cinetamaさま
いろいろたいへんな手間暇をかけてお送りいただいたエアメール、京都亀岡の我が家にちゃんと届きましたー。ありがとうございます!異国の切手が貼ってある、エアメール、今やめったになくてうれしい限りです。インドの旅のブログを拝見して、いやほんま、70過ぎてなんでそんなタフなん!?と驚きながら読んでます。そして帰国されたらすぐに映画。何でそんなタフなん?(2回目)とはいえ、お風邪をひかれたようで、どうぞ、くれぐれもお大事にされてくださいねー。取り急ぎ、お礼でした!
グレゴリ様 (Cinetama)
2024-03-20 20:54:23
コメント、ありがとうございました。
無事に葉書が届いてよかったです。

今回のインドは、昨年の「咳風邪インド旅」とは違って、チョー用心していたので大丈夫でした。何せ、ハイネックのヒートテックシャツとタイツを、チェンナイでも毎晩着込んで寝ていたので、風邪につけいる隙を与えなかったのでしょう。
しかし、日本に帰国して油断したらこのとおりで、今日は熱が下がらず、映画館に行くのをあきらめて1日中ベッドと食事テーブルを行ったり来たり(食べないと薬が飲めない)。すごい咳が出ています、ゲホッゴホッ! これを「年寄りの冷や水」と言う、ですねー。75歳、無理は禁物と思い知りましたです。
お大事に (グレゴリ青山)
2024-03-21 09:23:31
お熱も咳もあるとのこと、ほんまにどうぞお大事に。旅行から帰ってすぐって、体壊しやすいんですよね。油断大敵。ゆっくり休養してくださいませ。返信は不要です~~。

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