グー版・迷子の古事記

古事記の世界をあっちへふらふらこっちへふらふら
気になったことだけ勝手に想像して勝手に納得しています

九九

2013年09月18日 | 落書き帖
小学校2年生の時、算数の時間に九九を習った。

担任は池田先生という若い女の先生。
大学を出たばかりの先生だったのかな?
授業の合間の休み時間にはその都度校庭に出て一緒にドッジボールしてくれてたっけ。
昼休みだけでなく、他の10分間休憩とかも…
今考えるとパワフルだなーって思います
とにかく真剣に接してくれる先生でした。

算数で九九の授業があった日の放課後のこと…
池田先生は生徒達が楽しんで九九を覚えてくれるようにと、九九を早口言葉のように早く言う遊びのような物を考えてくれました。
ストップウォッチ片手に九九を何秒で言えるか…

放課後この遊びに残った生徒は10人。
10人はみんなこの遊びにすっかりはまってしまった。
一人ずつ先生の前にいくと、早口で九九を言ってタイムを計ってもらう。
みんな少しずつうまくなって記録は1分を切りそうな勢い。

一つだけ池田先生には誤算があったと思う。
小学校2年生は面白いことがあると疲れないのだ

どれだけ時間が経っただろう…
一人の脱落者も無く延々と九九を早口で言っては列に並びなおす生徒…
そしてただストップウォッチを押すだけの池田先生…

タイムアタックは1分を切りそうでなかなか誰も1分を切れない。
生徒は誰が1分を切るかで盛り上がっていた。
時間の経過とともに、生徒のテンションは上がる一方、先生は目に目に疲れていった。

その時奇跡はおきた。
一人の女の子が、立て板に水とでも言うように流れるように九九を言ってのけたのだ。
生徒達の目がストップウォッチに集まった。
「先生今の何秒?」
みんな叫んでいた。
「54秒よ」
池田先生の喜びとも安堵ともつかぬ笑顔がそこにはあった。

ところが生徒達は今度は自分がその記録を抜くぞ!
と言わんばかりに、よりテンションが上がってしまったのです。
優しい池田先生は「あとひと回りだけよ」と言って、みんなに記録更新のチャンスをくれたのでした。

みんなで校庭に出ると陽も暮れんばかりでした