グー版・迷子の古事記

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ミカ(甕)…古代語に詳しい人に意見頂きたいかも…

2013年09月17日 | 古事記
前回導き出した答え

ミカ(甕) … 映し出す。輝き。

これが正しければ、物凄い広がりで周辺の事情が理解できる事に気付きました
当ブログ かめ 参照下さい

  《ミカ(甕)》

下記にあるのは前回示した甕のつく神様です。

①武甕槌(タケミカツチ) … 雷神 剣神
②甕早日(ミカハヤヒ) … 剣神
③天津甕星(アマツミカボシ) … 星神
④天照國照彦天火明櫛甕玉饒速日(アマテルクニテルヒコアメノホアカリクシミカタマニギハヤヒ) … ニギハヤヒ
⑤倭大物主櫛甕魂(ヤマトオオモノヌシクシミカタマ) … 大物主

①②③の神様は ミカ(甕)=映し出す。輝き。
の意味で説明できます。

では④⑤の神様は?
「甕」の文字の一つ前の文字に注目してください、「櫛」と言う文字が使われています。
そして「甕」と前後の3文字は「櫛甕玉、櫛甕魂」。

櫛甕玉・櫛甕魂 = クシミカタマ

これはクシミタマ(櫛魂)の事のではないか?
甕の水面に映った神霊を、「神聖な物・貴い物」という意味に取ると、
ミカタマ(甕玉)で「神聖な魂・貴い魂」と言うことになる。

ここで少し前回のおさらいと補足説明です。

鏡を神霊の依り代、化身と考えた民族は、青銅器文化以前鏡の作られなかった時代、水鏡に映る神(太陽・月)の魂(神霊)に神聖な物を感じ、その神霊を閉じ込めるミカ(甕)に霊力を感じていたと思われる。
水面に映る神の姿は手ですくい取ることも出来ないので、物体としてではなく、霊体として捉えられていただろう事は、容易に想像がつく。
また鏡を太陽神の化身とした民族は、甕に閉じ込められた太陽の神霊を貴い魂と考えていただろう事も想像に難くない。

そしてこのように考えてくると…
ミカ(甕)は「映し出す。輝き。」と言う意味だけでなく、「神聖な、貴い」と言う意味も表していたのだろうと思われるのです。

ミカタマ(甕玉)で「貴い魂」即ち、

ミカタマ(甕玉) = ミタマ(御玉)
∴ ミカ(甕) = ミ(御)

ミカ(甕)の意味の派生過程から考えても、ミカ(甕)の「カ」が欠落してミ(御)となったのではないでしょうか。
また、ミカ(甕)の転訛としてイカ(厳)となったとも考えられそうです。
ここに関連ありそうな言葉を上げておきます。

イカ(厳)…いかめしい、厳しい、おごそか。
イ(斎・忌)…清浄、神聖。
ミ(御)…貴い。

私は専門家ではないのですが、従来「イカ(厳)」は「イ(斎・忌)」の派生語として捉えられているように思います。
ところが私の考えた通りだとすると、イカ(厳)イ(斎・忌)ミ(御)は全てミカ(甕)の派生語だと考えられます

そして今まで述べた事が正しければ、ミカタマ(甕玉)はミタマ(御玉)より古い表現と言うことになり、
④⑤の神様の名前のクシミカタマ(櫛甕玉)の部分は、かなり古い表現と言えそうなのです。
④⑤の神様の神名は長いので後付で色々付けられたかもしれませんが、クシミカタマ(櫛甕玉)の部分はかなり古く、神名の原始的核心部分である可能性が高いかもしれません
私にとっては神様の本質が知りたいので、この最後の部分がとても重要となるのです