上田力 「クロス・トーク」

作・編曲家、ピアニスト:上田力とスタッフが徒然なるまま語ります。

゛云いきってしまう ゛ことが ゛云い過ぎる ゛

2008-12-30 | diary
ここのところ、夜のBSで、ずーっと黒沢映画の特集を続けていて、先週末も、黒沢としてはかなり晩年の『まァだだよ』を、ちょっと見始めたら、とうとう終わりまで観てしまった。やはり、それだけ ゛惹き付けるもの ゛があるということなんだが、一つだけ気になったのは、あぁこの場面、もうホンのちょっと手前でカットにすれば、しつっこさを残さずに印象が深まるのになァと思うところが何ケ所か有ったこと。

もちろん、黒沢信捧者には、これこそが ゛たまらない魅力 ゛でもあるんだろうけれど、 ゛云いきってしまう ゛ことが、もしかしたら゛云い過ぎる ゛という印象になってしまう場合もあるんじゃないか。例えば、 ゛だから、そうです ゛という意を伝えるのに、そのまま全部を云い切るのではなく、 ゛です ゛をカットする方が、意味の余韻を大きくして印象が深まるんじゃないか…というような…。

アレンジでも、あるフレーズの形を全部出しきってしまうと、それが一つの ゛区切り ゛となり、区切りが多くなれば、そのぶんだけ音楽の広がりにブレーキがかかって、全体が小さく、キュークツになってしまう。

12月8日の、ニュー・アレンジ3曲でも、自分で演奏しながら、かなりそうなってしまっていることに気がつき、もう、このまま改定版をお聴きかせ出来ずに年を越すのかと思うと…ま、とりあえず、良いお年を…。

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