トイレ完備の個室に入るも
父は尿管に管を入れて
酸素マスクをつけ
点滴をしている
はずが
点滴をしながら
液がぶら下がったそれを
コロコロ動かして
廊下を歩いている
どうしたのだろうか
急に元気になったのだろうか
トイレで用を足して
戻ってきた父に寄り添って
個室ではなく
大部屋へ戻った
女性がいないうちに話を聞いたら
点滴を受ける父の
ベッド傍にあるテーブル上の
お茶に手を伸ばした女性が
尿管の管に引っかかって
父があまりの痛さで看護師を呼び
飛んできた看護師さんに
もう外してください、と
頼んで
外してもらい
部屋も大部屋に変えてもらったと
そして
トイレは歩いて自分で行くことにしたのだ
つづく