
6月17日から始まった解体工事
明日でちょうど2週間です
もうほぼ工事は終了
熱も下がって体力も回復した私は
2日前
親しくあったご近所や
あまり面識がないが新しく隣接するお宅
工事関係者、不動産会社へ
ご挨拶へ伺った
ひっかき回された挙句に
何もかも奪い、最後には家土地まで現金にして
ハワイへ旅立つというあの女性に
跡を濁されたままで
私が平気なわけがない
立つ鳥跡を濁すな
ということだ
お礼とお別れを
きちんとせねば
この気持ちだけで
実家へ向かった
家は跡形もなく
まずは現場の方に挨拶へ
「お世話になってます、この家のものですが・・・・」
地面をならしている現場の方が
駆けってこられた
「私、〇です。覚えてますか?」
この現場にいて最後の作業をされている方は
この日だけ、ヘルプで駆けつけてこられた人で
なんと私の同級生だった
しかも、小学校2年生くらいまで、すぐ下の公園で遊んでいて
母がよくおやつを持ってきた記憶を
私はすぐに思い出した
その同級生の彼も
公園で遊んだこと
この家が私の家では?という記憶も残っていて
現場に来たときに驚いたという
急に転校して行ってしまったし
それ以来50年近く経っただろうかと笑いあった
少し離れたところから、人手がいるために来てくれたそうで
一瞬にして塞ぎこんだ気持ちがすっと楽になれた
更地になった実家の表札がついた門を
私と母を知る懐かしい友の手で終わらせてくれるのかと思うと
気持ち少し救われもし
この偶然の再会は
もはや奇跡ではなかろうか・・・・・
まだ潤ますには早い瞼にちょろっと涙が滲んだ
梅雨が明けた空は真っ青で
更地になった土地も眩しかった
用意した手土産も
その家々ご近所さんのお顔を思い浮かべながら
ひとつひとつ丁寧に選び
ご挨拶の言葉も練習までしておいた
まずは、あそこへ
次はここへと順番も決めて
順繰り順繰り回って行った
あまり面識がないお宅以外の
親しいご近所さんへ伺うと
たちまち昔の幼い私が顔を出す
もうこんないい年をしているのにだ
実家で生まれた私を
可愛がってくれた近所のおじちゃん、おばちゃん達がいてくれる
この地区一帯が私の故郷であって
その誰をもが私を温かく迎えいれてくれるのだ
思えばいつ、いつの時代も
私の味方でいてくれて、母のように話を聞いてくれて
正しくあれるように導きをくれてきたのだ
今でも唯一甘えられる場所が
この地区のおばちゃん達のところだ
「〇〇のおばちゃん~私〇〇のSっちゃん~」
インターホンに声を入れると
「Sちゃんかねえ~あがりんさい、おあがんなさい」
「入って、はよお、お入り、いいからいいから入りんさい」
「いや、ここでええの、ここでええよ」
といいながら
靴を脱ぎ、まるで実家に上がり込むように
図々しく上がっていく私は
何も汚れない丸裸な素直な心が開けていくのだ
これが私を大事に育ててくれた父母と、
仲良くしていただいてきたご近所さんの愛の魔法だ
一生解けない魔法の力が
こうして記事を書き続ける力にもなっているのは
いうまでもない
つづく
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