父も母も郷里は隣県で
時々法事があったり
父の兄弟の訃報を聞けば
ワタシは運転手になり
お酒を沢山呑む父と一緒に
出席をする
そすると
親戚の誰もが
喜んで迎えてくださった
悲しみの中でも
父がその輪に入れば
涙が笑顔になり
故人の思い出話に花が咲き
すぐ宴会のようになる
父には
そんな不思議なパワーがあって
やはり
逞しく
頼もしい
父の姉(私の叔母)が
「今日奥さんは、どうしたん?」
と
父に聞けば
父は叔母とは時々話をしていたのか
「これよ」と
手を回しす仕草で
叔母にはわかるようだった
そんな時でも
女性は
父の携帯に電話をかけ
父の兄弟や叔母にも
「きょうは、ようじができてしまって、行かれなかった」
と
日頃は
父の世話をしていると言う
アピールをする
そりゃ
誰も疑わないわ
来てないんだから
パチンコ屋にいるんだから
車の中では
少し酔った父に
普段は話さない
女性のことや
生活の様子を
探りながら聞いたりして
よい距離感をとるようにすることで
父が困ることのないようにと
気を使うことを
女性は知る由もない
それどころか
父から楽しみを
ひとつ、またひとつと
奪っていった
ゴルフにあまり行けておらず
辞めることになりそうだ
と
つづく