
食事が喉を通さない母の病状は
毎日の点滴だけでは力もなく
壁に手をついただけでも骨を折るようになってしまう
父が家事全般をこなし
料理も作るし
母の病院の送り向かい
入院中は毎日病室に通う献身ぶり
ちっとも疲れを見せずにいるのは
母に心配をかけないようにするためでした
時々私と一杯やりながら
「ちーと、くたびれはするが、母ちゃんに子育てを任せた分
ワシが今度は母ちゃんを支えちゃらにゃあ・・・・」
父は自分に言い聞かせているようでした
愚痴などこぼさない父は
本当に母を大切にしていました
母は自分が何も出来なくなってきていることも
自分のせいで、父や私たちに苦労をかけていることも
孫を抱っこすることもできないこと
どんどん自由が奪われてしまうと言って
涙を流しながら
愚痴をこぼすようになっていました
少し前の記事の
蛍の事件より少したち
平成12年の夏
父から
「週末だけでも、泊りに来て母ちゃんを励ましてやってくれんかの」
いつもの父とは少し違っていました
15年もの間
吐血、下血を伴っては倒れ
手術をしても完治に向かわず
入退院を繰り返す母は
何度お医者さまから、覚悟をしておくようにと告げられても
奇跡を見せてくれたものでしたから
またきっと奇跡を起こせるに違いない
そう信じながら
いつも願いながら
祈りながらいた私も
張り詰める気持ちが
すっと消えてしまいそうでも
母にしてあげられることは
できる限り時間を作って一緒に過ごすことだと
また心を奮い起こしては
母のもとに向かいました
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