スロバキア、タトラ山脈の麓より

スロバキア人の夫と2人の娘と私の生活
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サクラサク

2022-05-10 | スロバキア2022
「海外ではお受験とは無縁、のびのびとした子育てができる」と思い込んでいたのは私の勝手でここヨーロッパでも実は子供のお受験に親たちはヤキモキするものなんです。それも日本よりも更にちょっと早く1度めの受験は小5で始まります。

スロバキアの学校は、まず日本で言う小中学校の義務教育である9年制の学校に6歳から入学します。そして6年生から大学進学コースの8年ギムナジウムと呼ばれる、いわゆる中高一貫校があり、一部の子供たちはそちらへ進学します。もしくは9年間小中学校に通い、この中高一貫校の高校を受験して中学を卒業後に編入することもできますが、日本同様に中高一貫の進学校の高校受験は難関、中学から入れるものなら入ると良いと言われています。そんなわけで我が家のネルカと私たち、この春初めての「お受験」を体験しました。

お受験につきものの塾と家庭教師。これまた万国共通で、ここスロバキアにもありました。ただしその中高一貫校で教鞭をとる教師の開く準備コースだったり、その先生に直接個別指導をお願いしたりと、あまりフェアなものではありません。そもそもうちはそんなツテなどありませんし。それで夫が本屋さんで問題集を一冊買いそれだけで準備しました。小5で受験勉強なんて本人の自覚もあまりない上、「まぁ受かったら」ぐらいに考えていたので、ネルカには「毎週1問、問題集を解いてわからなかったら聞くこと」とだけ言い、「わからないところあった?」「なかった!全部できた!」の返事にわが娘ながら凄いなと感心し、あまり細かく見ずに半年ちょっと勉強しました。そして試験の数週間前、なんと「わからないことなかった!全部できた!」という言葉は一度も答え合わせをせずに言っていたものと発覚。この能天気さは誰譲りでしょう?愕然としました。

そして試験の前日、娘が泣きながら「(同じクラスの)○○ちゃんのお父さんはギムナジウムの先生とお友達で、試験の結果に関係なく入学させてもらえるんだって。××ちゃん(○○ちゃんの友達)も一緒に行けるように頼んであるんだって。縁故のない子で合格した子は聞いたことがないって言ってたよ。」と口にしました。地元の有力者の子供にはよくある話ですがまさかごく普通の家庭の子供までそんなことを言っているなんて。同じクラスでもピアノ教室でもすでにギムナジウムへの入学が決まっていてそれを口にする子供たちがいるので知っているだけでも5人ほどは裏口入学が決まっていることになります。腹立たしいやら、努力が報われないこともあるとわかっていながらそれでも「大丈夫、実力があれば行けるから」と言って聞かせないとならないやるせなさ。

さんざんな気持ちで受験に望みましたが、試験を終え、「行きたいけれど、たとえ受からなかったとしても今までと違う新しい経験ができて良かった」と清々しい顔で言った娘の成長ぶりに私も気持ちがおさまり結果がどうであれ良かったと思う反面、尚更行かせてあげたいなぁと思っていると、なんと昨日受けた学校から早くも今日結果通知がメールできました。

結果は

サクラサク

良かった。
おめでとう!
庭の桜がちょうど開花。
ネルカは放課後友達とアイスクリームを食べに出かけました。

9月から良い友達に恵まれ、有意義な学校生活が送れますように。






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