歩道を走る自転車のこども

題詠blog2015に参加しています。
ただし…めっちゃとろとろしておりますので
どんどん追い越してってくださいな~

題詠blog2013(暴走の記録)

2013-11-29 23:44:08 | 題詠100首2013
001:新     道なりにゆるくくだって来たここに新しい恋液状化して
002:甘     とりかえしつかない甘いことをして瞬時に灰になって散りたい     
003:各     各々の想いを推して量る術身に付く歳を越えてきたのに
004:やがて    三叉路では流れる水についてゆきやがてみごとに今日のわたくし
005:叫     本当は叫んでたんだ(連れてって)空は黙って吸い込んでった
006:券  今日のふたご座は「帰り道を気にしないでどこまでもいってみるような日」(石井ゆかり)
        行き先が決まらないまま改札へするする進む入場券は    
007:別     いつか別ルートで滲みオアシスになる約束のふた粒の水 
008:瞬     瞬いて君との間の屈折を教えてありがとう星                   
009:テーブル   テーブルを挟んだ位置が礼儀だとしても隣に座ってしまう 
010:賞     君のこと特記事項か賞罰かどちらかに記す思い出として    
011:習     この恋はすこし数値を差し変えた練習問題なのに解けない
012:わずか   今日何が食べたいかって延長のわずかに君と食べたいがある
013:極     こちらから連絡しない約束は消極的な自殺でしょうか          
014:更     日中はほとんど隙を眠らせて夜更けを待って泳がせている
015:吐     新しく君に子どもができたって吐いたりしない だから知らせて
016:仕事     よじてれももげても腕は君をハグするのが仕事胸もそう言う
017:彼     彼女だと言われたっきり彼っぽいこと何も無いそれはそれでいい
018:闘     闘っていますつまらぬ妄想と理性という名のつまらないもの               
019:同じ    同じ惑星同じ空の下生きているそれはニアミス微かに触れてる       
020:嘆         ちっぽけな嘆き突き上げ作り出す落ちてけ私の位置エネルギー
021:仲     属性は「仲がいい」ですか会わないで摩擦係数ゼロの二人は
022:梨     お祭りの夜配られて梨の実は滴る波だ駆け足の秋          
023:不思議   過去のどの出会いも否定できないと宇宙に生きる不思議を想う
024:妙     妙齢の女性に属しているつもり本能のまま歌うあいだは
025:滅          滅亡の時を二人はそれぞれに自然な場所で迎えましょうね
026:期     構成が違う元素で仕方なく二人のずれて来る半減期
027:コメント  真夜中のコメント欄にひとりぼっち かすれたフォント誰が選んだ
028:幾     幾度か誘おうとして引き返し眼を閉じて行く体内の道
029:逃     逃げ出していいよ自由に君は風 境界に捲く有刺鉄線
030:財     二人して居れば堕ちてく手をつなぎ散財そして泥酔の日々
031:はずれ   つないだ手 指からはずれていく夢の途中無理やり覚醒をよぶ
032:猛     猛の字は手書きでないともうなんて書いてあるのか脳が読めない
033:夏          夏らしいことしたいよね八月の口癖で廻す白いパラソル  
034:勢      一日でも後ろめたさが持てますかそんなに姿勢がよくて私と    
035:後悔     飴玉を噛んでしまう癖生きてきて後悔している二番目のこと
036:少      少々のことじゃ人って死ななくていっぱいいっぱいまで甘酸っぱい  
037:恨      君のこと愛してる娘の恨みなら要送料でも取り寄せて買う
038:イエス    イエスさま遅すぎましたこの島はトイレの隅まで神がおられます
039:銃      静謐を破壊する音 銃声と言うならあえて押し殺して撃て
040:誇      どん底も咲き誇る花も全霊で歌えばいいと許されていて
041:カステラ   カステラが生まれる町に越してきて全身甘いあまい生活
042:若      箱舟に乗る人類を募ります<恋愛ができる方若干名>
043:慣      聞き慣れた「大丈夫」さえ出る口が違えば見える色とりどりに  
044:日本     残酷な仕打ちを人に向けぬようチーズが縦に裂ける日本
045:喋      いつもよりお喋りな柄のハンカチで今日の無口な私を飾る          
046:間      冬に間に合うかぬかるむ道をゆくゲリラ豪雨の夏の名残の (改)
047:繋      求めれば一瞬触れて繋がって弾けて飛んで無くなる恋だ     
048:アルプス  最終の電車がゆけば北風の唸り声はハイジのアルプス
049:括      巷にはひと括りにしてミキサーにかけても恋の歌はあふれて
050:互          お互いに放出しない静電気ため込んでいて触れてはいけない
051:般      とりあえず諸般の事情に鑑みて「帰れなくなるよ」には「困ります」
052:ダブル    複雑で愛が必要 絡まない三人でするこのダブルダッチは 
053:受      甘んじて受け入れましょう曲者とよばれる根拠が感受性なら
054:商      ニューフェイス 商店会の期待にもイッパイイッパイとかいてある顔    
055:駄目     酔っぱらうと駄目になっちゃう堤防に地下茎を張りめぐらせるスギナ   
056:善      善悪で分ければどちらでもなくてちょっと悪ぶってみたいマジョリティ
057:衰      衰弱死するくらいなら一日の終わり浮腫んでぱんぱん死する    
058:秀   「秀」の字は大人になってもバランスがうまくとれない
        秀樹への手紙は宛名でつまづいてペン字練習帳の栞に       
059:永遠    戯れに帰さないっていう口は知らないでしょう永遠なんて
060:何     居酒屋はトマトに何もかけないでスライスされるだけで傷つく
061:獣     クリスマス怪獣イルミー襲来し無駄に恋せよビームを放つ
062:氏     華氏ならね99度5分だって温める人が居なくても微熱
063:以上    明日の降(る)しっぽ確率は100% 以上ワンコがお送りしました
064:刑     短歌という不発弾をばらまいた罪は認めます流刑になります
065:投     契っては投げ契っては投げ誰も残さないなら千切れてしまえ   
066:きれい   きれいって言われず死んでしまいそう八方美人と書かれても「いいね!」  
067:闇     この世から闇夜は消えたこっそりも奪われ誰もまぎれられない    
068:兄弟    一瞬にして役割を決められて兄弟(あにおとうと)と呼ばれる双子     
069:視     思い出の死角に立っていた人よ視力のせいにしてごめんなさい    
070:柿     飲ませても扱いにくい女です焼酎で飛ぶ柿渋は素直
071:得意    火の番をしつつ口にはせぬことを考えて煮る料理が得意
072:産     出産はもう無理ですが美しきチャレンジャーにはなりたい肢体
073:史     年齢にあらがい指数歴史上最大
が生む血の色のジェリー    
074:ワルツ   特別な引力があり触れた手の脈打つうちに波打つワルツ  
075:良     もう良いかいまあだだよってすぐそこに制限時間が待つ恋なのに
076:納     憧れは完璧な死体完全に見えないように納めてください
077:うっすら    君の持つうっすらとした断片のパズルで私はモノクロですか
078:師     手品師になって死ぬまで欺いていかがわしくも優しいウソで
079:悪     死ぬことはそんなに悪くはないみたいどこまでも透き通ってゆくよ    
080:修   ミュージシャンにあるまじき行為ですが  
        何処からか不協和音が聞こえても蹴飛ばしてゆく修行中です
081:自分   「もう遅い」言い返すんだ言われても「自分、かわいいなぁ」ってさんまに
082:柔     柔らかなうちに抱いておくといいよ想像以上に冷たいらしい
083:霞   巷では某かすみちゃんが大人気とか
                過冷却されて優しい霞にはなれずに雹(ひょう)として牙をむく  
084:左     左利きのステージ映えで引き抜いたベーシストなのに妙に愛しい    
085:歯     文通と同じリズムでいる二人メトロノームが歯がゆがっても
086:ぼんやり  まず息を半分吸ってから喋るぼんやりさんだと思われたくて   
087:餅     両の手で包めば移植できそうな羽二重餅の少女の頬は (改)
088:弱     強弱の波で溺れる体内に愛されたいがつのる演奏 (改)   
089:出口    ライブって意識不明で進行し出口を求めてうたいだす息
090:唯     唯ひとり聴かせたい人の永遠にひと時触れる歌を 神さま 
091:鯨       絶対にしないから安心して   
         ひも付きの男にしたいならするわ捕鯨船から銛打ち込んで
092:局     警報は頻繁に出て押し込める体の奥に局地的豪雨
093:ドア  「真夜中のドア〜Stay With Me」は聴くたびにもやもやする
        真夜中のドア叩かない真夜中に「帰らないで」と泣いて叩かない
094:衆     本当に不実な人で下衆だって思うわたしのいいひとじゃなきゃ
095:例     例えばほら半額になったお惣菜今日食べるなら買うように 愛せ
096:季節    泳げない季節に行こう波の間に海を知らないきみが消えそう 
097:証     お飲物・KISS(二名様)代金と領収証には記す社風です
098:濁     かがみよかがみ まろやかに甘えん坊の息づかいして鼻濁音    
099:文     大丈夫、大丈夫 また繰り返すすがればなんとかなるような呪文
100:止     止まるまで朽ち果てるまでこの肢体だれかと二人だけの秘密を    

完走報告(ワンコ山田)

2013-11-29 23:05:36 | 題詠100首2013

今、ものすごくホッとしています。

今年は生活が激変し、なかなか集中できなかったこともあり

5月に5首詠んだっきりうずくまってしまって、「もうだめだ」ってあきらめていました。

(これを機に短歌から離れるつもりでした)

11月初めに「何人完走されたかな?」って覗いて、いつもよりずっと少ない完走者数に驚き

さびしく感じる気持ちと「7年連続完走したのに途切れてしまって悔しくないか?」という気持ちが

ふつふつと湧いて、95首を25日間で詠もうって決めました。

これまでの7年は会期をゆっくりとイーブンペースで走るタイプだったので、今回の爆走は大変な冒険……

まず「応援して!」と友人に宣言して自分にプレッシャーをかけることから始めました。

「爆走=垂れ流し」になってしまったかもしれません。

でも、完走できてよかった……

 

五十嵐さん、今年も設営、管理……いろいろとお世話になりました。

本当にありがとうございました。

 

沿道で応援してくださった皆さん、ありがとうございました。

皆さんのおかげで、一年にこの題詠で100首詠むだけですが短歌から離れずにいようって……

また来年も走ろうって思えるようになりました。

これからも「駄作垂れ流しワンコ」ですが、よろしくお付き合いください。