バタバタとゴールして、やっと一息ついたので
100首を並べておきますね。
仮題は『知的好奇心をこちょこちょ』かな?
あーーーーーー!今年も「かさぶた」が出てる~![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyo_shock1.gif)
001:おはよう
太陽に温められて蒸散ははじめて緩いおはようを吐く
002:次
次世代の交配が生む輪かくにくっきり君の素直を刻む
003:理由
頬がすぐあかくなる理由心臓が初期微動から揺れる敏感
004:塩
一粒の青 薄い血の色に染め塩化コバルトは涙の試薬
005:放
流れるか飛ぶか墜ちるか流星の放射点から占う未来
006:ドラマ
伏線を張って炎は坩堝まで伝導えるドラマ 私は融ける
007:壁
春だから成長点のざわざわが細胞壁の脇をくすぐる
008:守
恋人の名残はかすかニューロンの先に丸めた守秘義務のくず
009:会話
多い目に空気をふくむ会話には沸騰石と名付けた犬を
010:蝶
こめかみに繋がる骨の蝶の翅そっと私の宇宙を包む
011:除
除かれた新生物の万倍も軽くスキップ少女の心地
012:ダイヤ
ワンタッチダイヤルAは愛してる 指が海馬を無視してしまう
013:優
自転車のサドル優曇華揺れていて「孵化を見てて」と小さな声が
014:泉
「濾過して」と願う泉に沈黙の春の頭痛は女神を襲う
015:アジア
今は昔ここはアジアと黒髪が桜と揺れて示相化石に
016:%
湿度計に許される誤差5%少女の髪に絡む涙の
017:頭
柱頭に触れたらそれで幸せで伸ばす伸ばす花粉管伸ばす
018:集
ゆすっても心残りは溶けなくて水上置換で集めて燃やす
019:豆腐
夕映えに豆腐屋のラッパすれ違い絶対音感試されている
020:鳩
泣きながら帰巣本能を鳩たちに預けて海へ 冒険者たち
021:サッカー
逆らって駆けても15度刻まれて日は暮れてゆくサッカースタジアム
022:低
押し出して欲しいこころを見透かして水の分子は低くつぶやく
023:用紙
何もかも素直に言えぬわたくしをクロマトグラフィー用紙に落とす
024:岸
物言わぬひげ根屈湿性で伸びほぼ完璧な護岸工事だ
025:あられ
過冷却されて一触即発の私は迷う雹かあられか
026:基
複雑な基板なぞっている指が星座の話になってゆく君
027:消毒
消毒の泡しゅわと湧きしゅわと消えどんなちからがあるとも知らず
028:供
燃えるもの燃え尽き愛や化石たち枯渇するのが供養でしょうか
029:杖
沸点の低い涙は頬杖を滴り濾過への流れを選ぶ
030:湯気
加速度を感じて落ちる雨いつか浴室満たす湯気になる日が
031:忍
忍び会う約束は未明(あさ)蜘蛛の巣に夜露(つゆ)丸まって光る寸前
032:ルージュ
ヘブンリーブルージュラ紀の片隅に初めての種子双葉を伸ばす
033:すいか
絡まって生きる本能許されてすいかずらには激しい甘さ
034:岡
泣くことで波形の岡は均されて体内は凪ぐ そう信じてる
035:過去
過去からの伝言硬く封じ込め羊歯群生の森は燃え尽く
036:船
さざなみの川面蒸気の悲鳴聞き外輪船に裂かれて揺れて
037:V
危うげな傾き君に見せつけて倒れてもいいV字バランス
038:有
強がりじゃない有りっ丈遠くへと涙を風に乗せる実験
039:王子
大甘の王子に吠える紫の雪ゆえ憎く降る水の森
040:粘
頬の粘膜培養にマッチ棒アンドロイドじゃ無いとわかるまで
041:存在
後ろから抱きすくめられ散々に貝ボタン割れ波の存在
042:鱗
溺愛の加減蜘蛛の巣鱗粉の輪郭までも撫ぜられている
043:宝くじ
「裏切った瞬間破る」口にして告げても宝くじだし彼も
044:鈴
歓声も波もくぐもり夏の日のビーチボールの内側の鈴
045:楽譜
雨粒で分水嶺を書き込んだ楽譜いつしか霧にとけだす
046:設
夜を待つ設いおひさまのにおい倒れこんでもいいやわらかさ
047:ひまわり
夏じゅうの暑さに焼かれうなだれたひまわり一人っ子のふりをして
048:凧
一陣の風に翻弄されて凧力学上の愛にまどろむ
049:礼
一礼をささげ引き裂く衝動をやんわり指に伝える工夫
050:確率
お互いの星座を当てる確率を計算しつつ立つ地雷原
051:熊
日焼けした麦わら帽子熊毛色トンボと風と夕日と遊ぶ
052:考
堆積の呪文深々降り積もり考古学者のスコップは錆びる
053:キヨスク
キヨスクの前に着陸するように狙うドアから発つ無人駅
054:笛
微笑めば傷は案外さりげなくさらに喉笛さらしてしまう
055:乾燥
乾燥地研究センター裏庭は驟雨に慌て深呼吸する
056:悩
煩悩の数果てしなく増殖し生きても生きても生きても生きても
057:パジャマ
お揃いが許されるのは君が持つ雨傘の裏わたしのパジャマ
058:帽
早口で世界平和をささやいた黄帽子インコに呼び止められて
059:ごはん
遅刻した「にはんとごはん」班長に2と5の倍数叫ぶ罰則
060:郎
河太郎(がたろう)の立てた水音吸い込んで深く静けさ積もらせる淵
061:@
ひび割れたかさぶた@ひざ小僧撫ぜて一生付き合う予感
062:浅
くるぶしをくすぐる揺らぎ浅瀬からマリアナ海溝あたりまで 波
063:スリッパ
片方が裏向く予報真夜中のベッドルームのスリッパは重い
064:可憐
あと1つ足りない部品わき腹に埋め込むタイプの純情可憐
065:眩
本能のまま眩さを貪欲に食う夏果実爆ぜて飛び散る
066:ひとりごと
ことごとく謀にはひとりごとうわごとのごと恨みごと込め
067:葱
葱坊主ゆれるなゆれるな触りたいこの衝動が指に駆けだす
068:踊
大伯母の指輪が眠るビロードにプリマの脚は踊る形で
069:呼吸
無呼吸と過呼吸くりかえし緩いカーブを下る二人乗りの恋
070:籍
日曜に入籍したい恋人の筆圧が破る薄い紙切れ
071:メール
リンドウが少し蕾をゆるめたと地球(ほし)の裏から来るメールボム
072:緑
一面の緑果てなき草原のジグソーパズル風が眼に染む
073:寄
寄り道の途中溜まった笑い声夕日が溶けたビー玉をはじく
074:銀行
台風に煽られ風はたどり着き銀行のドアこじ開けている
075:量
矢車草抱え通学した朝の器量ほめられ今生きている
076:ジャンプ
ジャンプしてごらん写真に切り取ろうアドレナリンが写りこむはず
077:横
見た目より横隔膜が軟弱で内緒を溜めるスペースが無い
078:合図
班長の目配せ合図に唱和して7の倍数忘れっこ無し
079:児
卒論は『児童文学の離婚像』別れる恋はしないつもりで
080:Lサイズ
遺伝上LLサイズ生む種子(たね)のどこかに臆病うずもれている
081:嵐
内緒だよ「わらいかわせみに話すなよ」磁気嵐避け短波笑うよ
082:研
082:研に苦しむ「我が窮状」ジュリーは銃を背中に隠す
083:名古屋
本当に「名古屋はええよ!やっとかめ」でもビルヂングの星が見えない
084:球
私やらクロウサギやらの地団駄がじわりじんわり地球を揺らす
085:うがい
あっ、私ジャム期に入った、たった今 うがいの届くあたりの喉が
086:恵
おしゃべりなロック多すぎひとときの恵方ロールは黙ってかじる
087:天使
手をつなぐ込み入った話しそこねる指のすきまを天使が通る
088:錯
また少し騙されている痛み無く錯視絵本に懐かしいしみ
089:減
永遠にシェイクはバニラ遺伝上減数分裂にて受け継がれ
090:メダル
5枚だけ許され頭と全身にメダル落としはリズムを刻む
091:渇
満月の渇きの海でコンパスは水のにおいを探る計器に
092:生い立ち
無意識に挿絵がみんな怖かった小公女に似た生い立ちを持つ
093:周
北天の周極星よこの真昼きみを探そう夜の記憶で
094:沈黙
熱は無い ただ沈黙をかき混ぜる咳は空(そら)って名をもらってる
095:しっぽ
幸せをひっかけるってかぎしっぽ媚びた動きはできない仕組み
096:複
小走りで複々線の踏み切りをぬけて今から隣の校区
097:訴
かさこそと落ち葉と風は越境も訴追免除を謳歌している
098:地下
地下茎をたどりスギナに会いに行く天気図の雨の記号を聞きに
099:勇
10歳をジュール・ベルヌに差し出して勇気はすべて使い果たした
100:おやすみ
「おやすみ」と傷は今夜もネンリキに任せ飲み込むミクロ決死隊
100首を並べておきますね。
仮題は『知的好奇心をこちょこちょ』かな?
あーーーーーー!今年も「かさぶた」が出てる~
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyo_shock1.gif)
001:おはよう
太陽に温められて蒸散ははじめて緩いおはようを吐く
002:次
次世代の交配が生む輪かくにくっきり君の素直を刻む
003:理由
頬がすぐあかくなる理由心臓が初期微動から揺れる敏感
004:塩
一粒の青 薄い血の色に染め塩化コバルトは涙の試薬
005:放
流れるか飛ぶか墜ちるか流星の放射点から占う未来
006:ドラマ
伏線を張って炎は坩堝まで伝導えるドラマ 私は融ける
007:壁
春だから成長点のざわざわが細胞壁の脇をくすぐる
008:守
恋人の名残はかすかニューロンの先に丸めた守秘義務のくず
009:会話
多い目に空気をふくむ会話には沸騰石と名付けた犬を
010:蝶
こめかみに繋がる骨の蝶の翅そっと私の宇宙を包む
011:除
除かれた新生物の万倍も軽くスキップ少女の心地
012:ダイヤ
ワンタッチダイヤルAは愛してる 指が海馬を無視してしまう
013:優
自転車のサドル優曇華揺れていて「孵化を見てて」と小さな声が
014:泉
「濾過して」と願う泉に沈黙の春の頭痛は女神を襲う
015:アジア
今は昔ここはアジアと黒髪が桜と揺れて示相化石に
016:%
湿度計に許される誤差5%少女の髪に絡む涙の
017:頭
柱頭に触れたらそれで幸せで伸ばす伸ばす花粉管伸ばす
018:集
ゆすっても心残りは溶けなくて水上置換で集めて燃やす
019:豆腐
夕映えに豆腐屋のラッパすれ違い絶対音感試されている
020:鳩
泣きながら帰巣本能を鳩たちに預けて海へ 冒険者たち
021:サッカー
逆らって駆けても15度刻まれて日は暮れてゆくサッカースタジアム
022:低
押し出して欲しいこころを見透かして水の分子は低くつぶやく
023:用紙
何もかも素直に言えぬわたくしをクロマトグラフィー用紙に落とす
024:岸
物言わぬひげ根屈湿性で伸びほぼ完璧な護岸工事だ
025:あられ
過冷却されて一触即発の私は迷う雹かあられか
026:基
複雑な基板なぞっている指が星座の話になってゆく君
027:消毒
消毒の泡しゅわと湧きしゅわと消えどんなちからがあるとも知らず
028:供
燃えるもの燃え尽き愛や化石たち枯渇するのが供養でしょうか
029:杖
沸点の低い涙は頬杖を滴り濾過への流れを選ぶ
030:湯気
加速度を感じて落ちる雨いつか浴室満たす湯気になる日が
031:忍
忍び会う約束は未明(あさ)蜘蛛の巣に夜露(つゆ)丸まって光る寸前
032:ルージュ
ヘブンリーブルージュラ紀の片隅に初めての種子双葉を伸ばす
033:すいか
絡まって生きる本能許されてすいかずらには激しい甘さ
034:岡
泣くことで波形の岡は均されて体内は凪ぐ そう信じてる
035:過去
過去からの伝言硬く封じ込め羊歯群生の森は燃え尽く
036:船
さざなみの川面蒸気の悲鳴聞き外輪船に裂かれて揺れて
037:V
危うげな傾き君に見せつけて倒れてもいいV字バランス
038:有
強がりじゃない有りっ丈遠くへと涙を風に乗せる実験
039:王子
大甘の王子に吠える紫の雪ゆえ憎く降る水の森
040:粘
頬の粘膜培養にマッチ棒アンドロイドじゃ無いとわかるまで
041:存在
後ろから抱きすくめられ散々に貝ボタン割れ波の存在
042:鱗
溺愛の加減蜘蛛の巣鱗粉の輪郭までも撫ぜられている
043:宝くじ
「裏切った瞬間破る」口にして告げても宝くじだし彼も
044:鈴
歓声も波もくぐもり夏の日のビーチボールの内側の鈴
045:楽譜
雨粒で分水嶺を書き込んだ楽譜いつしか霧にとけだす
046:設
夜を待つ設いおひさまのにおい倒れこんでもいいやわらかさ
047:ひまわり
夏じゅうの暑さに焼かれうなだれたひまわり一人っ子のふりをして
048:凧
一陣の風に翻弄されて凧力学上の愛にまどろむ
049:礼
一礼をささげ引き裂く衝動をやんわり指に伝える工夫
050:確率
お互いの星座を当てる確率を計算しつつ立つ地雷原
051:熊
日焼けした麦わら帽子熊毛色トンボと風と夕日と遊ぶ
052:考
堆積の呪文深々降り積もり考古学者のスコップは錆びる
053:キヨスク
キヨスクの前に着陸するように狙うドアから発つ無人駅
054:笛
微笑めば傷は案外さりげなくさらに喉笛さらしてしまう
055:乾燥
乾燥地研究センター裏庭は驟雨に慌て深呼吸する
056:悩
煩悩の数果てしなく増殖し生きても生きても生きても生きても
057:パジャマ
お揃いが許されるのは君が持つ雨傘の裏わたしのパジャマ
058:帽
早口で世界平和をささやいた黄帽子インコに呼び止められて
059:ごはん
遅刻した「にはんとごはん」班長に2と5の倍数叫ぶ罰則
060:郎
河太郎(がたろう)の立てた水音吸い込んで深く静けさ積もらせる淵
061:@
ひび割れたかさぶた@ひざ小僧撫ぜて一生付き合う予感
062:浅
くるぶしをくすぐる揺らぎ浅瀬からマリアナ海溝あたりまで 波
063:スリッパ
片方が裏向く予報真夜中のベッドルームのスリッパは重い
064:可憐
あと1つ足りない部品わき腹に埋め込むタイプの純情可憐
065:眩
本能のまま眩さを貪欲に食う夏果実爆ぜて飛び散る
066:ひとりごと
ことごとく謀にはひとりごとうわごとのごと恨みごと込め
067:葱
葱坊主ゆれるなゆれるな触りたいこの衝動が指に駆けだす
068:踊
大伯母の指輪が眠るビロードにプリマの脚は踊る形で
069:呼吸
無呼吸と過呼吸くりかえし緩いカーブを下る二人乗りの恋
070:籍
日曜に入籍したい恋人の筆圧が破る薄い紙切れ
071:メール
リンドウが少し蕾をゆるめたと地球(ほし)の裏から来るメールボム
072:緑
一面の緑果てなき草原のジグソーパズル風が眼に染む
073:寄
寄り道の途中溜まった笑い声夕日が溶けたビー玉をはじく
074:銀行
台風に煽られ風はたどり着き銀行のドアこじ開けている
075:量
矢車草抱え通学した朝の器量ほめられ今生きている
076:ジャンプ
ジャンプしてごらん写真に切り取ろうアドレナリンが写りこむはず
077:横
見た目より横隔膜が軟弱で内緒を溜めるスペースが無い
078:合図
班長の目配せ合図に唱和して7の倍数忘れっこ無し
079:児
卒論は『児童文学の離婚像』別れる恋はしないつもりで
080:Lサイズ
遺伝上LLサイズ生む種子(たね)のどこかに臆病うずもれている
081:嵐
内緒だよ「わらいかわせみに話すなよ」磁気嵐避け短波笑うよ
082:研
082:研に苦しむ「我が窮状」ジュリーは銃を背中に隠す
083:名古屋
本当に「名古屋はええよ!やっとかめ」でもビルヂングの星が見えない
084:球
私やらクロウサギやらの地団駄がじわりじんわり地球を揺らす
085:うがい
あっ、私ジャム期に入った、たった今 うがいの届くあたりの喉が
086:恵
おしゃべりなロック多すぎひとときの恵方ロールは黙ってかじる
087:天使
手をつなぐ込み入った話しそこねる指のすきまを天使が通る
088:錯
また少し騙されている痛み無く錯視絵本に懐かしいしみ
089:減
永遠にシェイクはバニラ遺伝上減数分裂にて受け継がれ
090:メダル
5枚だけ許され頭と全身にメダル落としはリズムを刻む
091:渇
満月の渇きの海でコンパスは水のにおいを探る計器に
092:生い立ち
無意識に挿絵がみんな怖かった小公女に似た生い立ちを持つ
093:周
北天の周極星よこの真昼きみを探そう夜の記憶で
094:沈黙
熱は無い ただ沈黙をかき混ぜる咳は空(そら)って名をもらってる
095:しっぽ
幸せをひっかけるってかぎしっぽ媚びた動きはできない仕組み
096:複
小走りで複々線の踏み切りをぬけて今から隣の校区
097:訴
かさこそと落ち葉と風は越境も訴追免除を謳歌している
098:地下
地下茎をたどりスギナに会いに行く天気図の雨の記号を聞きに
099:勇
10歳をジュール・ベルヌに差し出して勇気はすべて使い果たした
100:おやすみ
「おやすみ」と傷は今夜もネンリキに任せ飲み込むミクロ決死隊