歩道を走る自転車のこども

題詠blog2015に参加しています。
ただし…めっちゃとろとろしておりますので
どんどん追い越してってくださいな~

五首選会に参加させていただきます。

2014-12-05 21:55:25 | 題詠blog2014
中村成志さんが催されている五首選会に参加させていただきます。
 
 
自選五首 「かっこつけないでじりじりしている歌」
 
017:サービス   夕刻のお値打ち価格のその上にサービス特価を貼って待ちます 
025:がっかり   いじわるやわざとじゃなくてがっかりをつねにまとって経年劣化は
032:叩       漲っていた日々はもう暮れたのに叩けば誇りがでしゃばる身体
056:余        残酷な時に挑んで流されて君の余生はちょっと待てない
074:焼             年齢の欄うめるたび楽園が焼きはらわれてくすぶる臭い
 
これまで中村さんの五首選での自選は「かっこつけた歌」ということで、
丸括弧や鉤括弧を使った歌を選んできたのですが、
今年は一新しました。
生活に密着したこと(家族や老いなど)はまだまだ年とってからの題材に
すればいいと思ってきましたが、寄る年波には勝てませんね、
今年の100首の中には「弱音」とも思える歌が……
そんな背伸びせずに本音がポロリと出たんじゃないかって歌を選びました。
 
去年に引き続き今年も……
バタバタと爆走しなければ完走できないスケジュールになってしまい
9年やっても内容的に全然成長しない自分が情けないです。
皆さんに選歌していただくには恥ずかしい100首ですが
ここに参加するために!って追い込んで完走しましたので
どうぞよろしくお願いいたします。
 
題詠Blog2014のワンコの100首はこちら

題詠Blog2014 暴走の記録

2014-12-01 21:59:06 | 題詠blog2014
001:咲      太陽に向かって咲いて火傷してなおも背伸びをする夏の君
002:飲      飲みすぎたアルコールなら半日で追い出せるのにどうして君は      
003:育      遠距離で三年ちかく育んだ最後のハグの遠慮がちな腕 
004:瓶      魔法なら割れるはずない魔法瓶そうだよ魔法なんてまやかし
005:返事     受話器ごし「いいお返事」とほめられて耳から染まるずっと年上
006:員      目的はただ逃げるだけ箱舟の乗組員は君とふたりで
007:快      不愉快なことも投げつけあったなら飛び散ってもう遠い星屑
008:原      原型をとどめていない現状はお知らせしないのが平安で
009:いずれ   「いずれまた伺いますね改めて」連絡のない夜を塗りこめる
010:倒       倒れ込む いやなだれ込む崩れてく君への下手な倒立前転

011:錆       身から出た錆となじられたとしてもほほえみましょう君のことなら

012:延       ルール上まだ延長の余地がある11回の裏サヨナラしない
013:実       もう決める 実を結ばない約束のいつかいつかを一月五日に
014:壇       君に手折られて花壇を旅立てばちりぢり風に舞う明日がくる
015:艶            字面から艶めくメール送りたし「おんなと焼き鳥食った」の返事に (艶めく=なまめく)
016:捜       恋ごごろ捜索願を出しましょう もぬけの殻に詰め込む分の                 
017:サービス   夕刻のお値打ち価格のその上にサービス特価を貼って待ちます      
018:援       「長生きの援助交際だよ」なんてうまいこと言ってくれるじゃないの
019:妹       ねえさんと私を呼んでいるくせに妹扱いするんだ君は
020:央       「冷たいね送りもせずにごめんね」は泣ける中央フリーウェイじゃない

021:折             表現の折れて曲がった果てにある微かにゆれているのが「あいたい」
022:関東      いっそ土地勘の無い関東に居て今飛び出せば逢えそうで痛い
023:保        君までの「お持ち歩きのお時間は?」ちっちゃな保冷剤じゃとろける     
024:維       もし君が許してくれるならふたりどちらか死ぬまで現状維持で
025:がっかり    いじわるやわざとじゃなくてがっかりをつねにまとって経年劣化は
026:応             月の満ち欠けと季節が見える位置応接セットのソファーは沈む    
027:炎       彼の立つ枯野は夏の火を放つ私は風をうたう炎に      
028:塗       真っ青に空を塗られて一滴も雲にはなれず涙はおちる
029:スープ     初めては熱くてかなり刺激的スープカレーはふたりを煽る
030:噴       欲望が噴出しない性格をえらんで最近ふくらんでいる
 
031:栗       栗東で会えばきっといい距離的に知らない人の中にまぎれて
032:叩        漲っていた日々はもう暮れたのに叩けば誇りがでしゃばる身体
033:連絡      連絡がなければさっと切れていてかさぶたにさえならない傷だ
034:由        息継ぎが由々しき事態ふつふつとナカの人のなか発酵はすすむ
035:因        前世すらぶら下がっている因縁の中でわんこと咬まれた君と        
036:ふわり     切りすぎて泣き出しそうな前髪に君がふわりと名付けてくれた
037:宴        打ち上げが宴と音の変わりゆくながながし夜をふたり呑みましょ (夜=よ)
038:華       雪の華 唄ってみせて永遠がフラットしつつ溶けてゆくさま        
039:鮭       鮭熊の木彫りを買って恋人は白くも面白くもない人
040:跡        夏草にアンの歌はもう聴こえないつわものどもが夢の跡だね       

041:一生      一生に一人でいいわ背徳を意識して会う年下の子は
042:尊       新聞が堂々「尊厳死」と載せる手際の良さで殺してほしい
043:ヤフー     今さっと諳んじられるアドレスは家族共有ヤフーのフリー
044:発       発熱のさきおとといの夜のこと聞かせて震えさせていっしょに        
045:桑       Yに似た地図記号桑畑って君の教科書じゃ点滅してたの
046:賛       賛同が得られるふたりの年齢と歳の差の比を検証しましょう     
047:持        傷つける言葉しぐさは排除してナイフはさみも持ちこみ禁止
048:センター   その歴史知らないでわたしに言うなセンター試験で受けましたって
049:岬       海が無い暮らしの君をぐらぐらと岬へ誘うバスになりたい              
050:頻       しけ単で覚えた頻出単語とは違うもえたんそだちの色は
 
051:たいせつ   たいせつにされてふれられないでいるだきしめるのならきえないうちに
052:戒       戒めとして繰り返し聴いている美奈子の『時よ』 夜がふるえる      
053:藍       吾は藍に思うままには染まるまい会えない愛も思うままには
054:照       開演のベル鳴りやがて照明が落ちてセリフを考える恋          
055:芸術      芸術に仕立ててもいつか色褪せるいちばんいたい太陽がわるい    
056:余       残酷な時に挑んで流されて君の余生はちょっと待てない
057:県       県境を越える看板を数えてたナビのおんなの声が邪魔する              
058:惨       明け方のサンタクロースの惨状をNASAがこっそり写メしてくれた
059:畑       恋をしたモンシロチョウと会いたくてキャベツ畑をはしごしました
060:懲        ふたりして懲りずに挑む脳内のリアル生活脱出ゲーム

061:倉       ひそやかな待ち合わせには鍵が要る港の波をかぶる倉庫の
062:ショー     約束はショーケース越し指さして選ぶところで醒める夢です
063:院        聖護院かぶらはうすくひろげられ冬のテレビの白いやくそく
064:妖       厳重につつんだ場所に妖しさを飼って秘密をたもつ蜜月    
065:砲       背中から心臓ねらう鉄砲は「くすぐったい」でほどけて熔けて             
066:浸       ひたむきに打ち寄せる波夕映えを浸して今日の地球をねぎらう (地球=きみ)            
067:手帳      明日へとたんたんたんと今日はゆく手帳を持たない生活をして
068:沼       じっ況で紹かいされた沼に沿いあるけば舌に鉛ぴつの味
069:排       反時計まわり離れたふたりでも血は渦巻いて排水口へ      
070:しっとり    口当たりしっとりお気に召すようにじっくりお酒を含ませてます

071:側        生活を捨てて地球の外側へゆこう観覧車にのらないか
072:銘        銘々で買った切符をもてあそびあとはどちらがじゃあねと言うか
073:谷        谷底がぽっかり口をあけていて揺れても揺れなくっても吊り橋      
074:焼             年齢の欄うめるたび楽園が焼きはらわれてくすぶる臭い
075:盆        盆暗って書くんだ そうかぼんくらって言われるわたしはどっか暗いんだ
076:ほのか     判断がぐらつくふいに誘われてほのかに期待していていいか
077:聡           眼に耳に直観に聡くうまれつくおんなを摩耗させて平穏
078:棚        網棚の古いかばんを確かめる今日買ったのを膝にのっけて
079:絶対      絶対にかなわないから言ってみる「デートしよ、肩こりがきえたら」
080:議        どちらかが死んだら涙でぐちゃぐちゃになろう家族が不思議がるほど

081:網       網棚のわたしの上にずっといる赤い爆発物だ551 (551=ぶたまん)
082:チェック    チェックしてしまう恋人アンテナが無駄な感度のでっかいパラボラ
083:射        流鏑馬の駆け抜けた風さわやかにたぶん初めて射手座の彼氏
084:皇        寝坊していい朝でしょう寝なさいと眠りを醸す皇室アルバム               
085:遥        超合金遥かに超えるさびしさの杭打ってくるジェネレーションギャップ
086:魅        唯一の魅惑ポイントが年上だなんて素直に言うのが魅力
087:故意      空メール故意に送信してみたり恥ずかしいことするのが恋か      
088:七        おめでとう 君の七つのお祝いに二十歳の私は何ができたの       
089:煽        読み書きはできてもさわれない感じ煽情的や官能的は
090:布        わたくしは宗教ですが布教する教祖が興ざめしてる今日です     

091:覧        朽ちかけた海のちかくの観覧車ゆっくり廻ってくれてよかった
092:勝手      手に入れたあとは勝手にしていいとそんな強引 巻き込まれたい
093:印        印象をきめるポイント髪型は印象的にぐいと立ってた      
094:雇        我々は雇われ囲われ縛られて割れるのを待つガラスの器                           
095:運命      どの恋もまさかの出会い運命にその身をまかせもてあそばれて
096:翻        スカートのすそ翻す強風よ背中を押してはくれないものか
097:陽        陽に焼けて潮の香を連れて帰ったらデートだったと嘘がつけるね       
098:吉              げんきでね 耳元に祈る声がある吉田美奈子のやわらかきハグ
099:観        苦しくはないか小さく囲われて必ず地上に還る観覧車 (地上=ここ)        
100:最後           できなくてごめん最初の男には最後の席を用意してます