歩道を走る自転車のこども

題詠blog2015に参加しています。
ただし…めっちゃとろとろしておりますので
どんどん追い越してってくださいな~

『五首選会』に参加させていただきます

2010-12-05 19:47:41 | 鑑賞
今年も中村成志さん主催の五首選会に参加させていただきます。

ワンコ、師走は走り回るくらいに多忙で…
あわせて今年はパソコンが不調で…
でもこの会は感性の筋トレの絶好の機会ですよね。
がんばっちゃいますよ~
あっ、今年は皆さんお忙しいのか…参加表明が遅れ気味?
多数の方の参加を待ってます~~


ワンコの今年の100首はこちらです。
お手柔らかに~よろしくお願いいたします。



自選5首「かっこつけたやつら」

014:接  
  
明日が(来る・来ない)死因が手をつなぐ接触感染なら良しとする  

026:丸  

つたえたいきもちおしこめひんまがるぎゅうぎゅうづめの丸かっこ(わたし)

034:孫  
 
孫引きを手書きで写す(原典に出てない)愛が太く濃くなる

045:群    

朽ちるまで薄い地殻にもぐりこむ(誰か群発地震になれる?)

061:奴  
  
死んだって(あんな奴ら)とひとくくり悪友が居てくれてよかった  




↑そうです、単純にかっこ()をつけた歌を選びました…
もう1セット「」をつけたバージョンもできます~





題詠100首 2010

2010-12-03 22:10:35 | 題詠100首2010
今年の100首をここに。
名前はまだありません。う~ん、どうしようかしら…

今年はまったくコンセプト無しで走り始め、追々ぎゅっとなった感じ。
1~10が「眠り」を
11~20は「くるくる」を意識して。
21~30はお題が漢字ならばそれ以外を仮名で、
     また漢字以外のお題ならば漢字をいっぱい使って詠んでいます。
31~40は「手」の歌たちです。
ここまでくるうちに「死ぬということ」を意識し始めて
41以降は「死ぬ少し前のこと」「死ぬ前にすること」などを
ぼんやりと詠んだ歌が並んでいます。
どうなんだろう…
こんな現実味の無いふわふわしたものにしちゃっていいのかしら…
う~ん、私の希望ってことでお許しを



001:春    
目覚めない人には冷えた指先を急に押し当て春化処理する

002:暇    
暇人と聴きちがえても今人の蝸牛はすべて愛と受け取る

003:公園   
だれひとり眠っていない明るさに公園墓地の芝生芽吹いて

004:疑    
つねっても静かに眠るかさぶたは疑陽性にもならない恋の 

005:乗    
乗り過ごす予感 となりに君がいて寝てもいい肩貸してくれたら

006:サイン  
寝ていても反射で上がる口角とピースサインを突き出す腕と

007:決    
春だから決心します指先を1センチ半目覚めさせます
  
008:南北   
あと何度つよく揺れたら真っすぐに南北を指すわたしの地軸 

009:菜    
摘まみ菜の何をも知らず苦いって泣いて食べずに眠って ごめん

010:かけら  
遺伝子をかけらも壊したくなくて寝たふりをして避けてきたこと

011:青    
くるくるとまわって筒になっていく青焼きされて読めない未来  

012:穏    
穏便に素直に地味に死んでゆく雨でくるくるする髪以外

013:元気   
「こ・き・くるくる・くれ恋」でしょ最期まで元気に脳にしみつくカ変

014:接    
明日が(来る・来ない)死因が手をつなぐ接触感染なら良しとする  

015:ガール  
どん底の大気の底でくちずさむ高気圧ガールくるくるあがる

016:館    
水槽を巻いてくるくる降りてくる海遊館の底に眠気が     

017:最近   
雨ばかり最近ずっと続くから胡桃とくるまっていていい栗鼠に 

018:京    
川づたい長岡京にペンギンが来るかも越してくるかもしれない

019:押    
駆けてくるくるぶしに羽うすく見えあわてて押えつけた重力

020:まぐれ  
何手先を読んでもきみのきまぐれでくるうくるう息吸う位置も

021:狐    
こぶたぬききつねここぶたループするともだちだってしんじてる狐

022:カレンダー 
月や日や木や水や土繰り返しカレンダーよく燃えないでいる

023:魂    
ゆさぶられこがしてこめて魂はすこしおひまがいただきたくて  

024:相撲   
びっしょりときみにぬれたいあめんぼははじかれいつもひとり相撲で 

025:環    
こもれびも環っかになってゆれるからうつむいてたってないてたって

026:丸  
つたえたいきもちおしこめひんまがるぎゅうぎゅうづめの丸かっこ(わたし)

027:そわそわ  
雲行きをそわそわ眺め準備する飛びたい夜の竜巻警報 

028:陰  
陰ひなたないきみがいてにびいろをうずめたむねはひろげられない 

029:利用  
かんせつにそらからいとがたれているおどろう利用されるだけされて  

030:秤   
えいえんにとまるな秤ゆれたままつかずはなれずゆれるふたりで  

031:SF    
SFの短編としてここちよく破滅へ走る手に手を取って       

032:苦    
つないだ手つなげない夢寝苦しい夜の過敏な細胞になる      

033:みかん  
手に包む甘夏みかんこの惑星(ほし)とわたしの脳とどちらに似てる

034:孫    
孫引きを手書きで写す(原典に出てない)愛が太く濃くなる

035:金   
金輪際近づかないと誓います君の声する手の鳴る方へ   

036:正義   
切実でない「正義」とかたまに書き敏感にする手の甲のメモ    

037:奥  
生存の奥行き想う両の手のたぶん「ちいさく前になれ」ほど

038:空耳  
「そのうちに死ぬさ」空から手の中に墜ちた言葉を空耳とよぶ

039:怠    
存分に怠けなさいな戦いが好きでたまらぬ私の両手    

040:レンズ
両の手を丸めてのぞく遠眼鏡きみとは近くなれないレンズ    

041:鉛    
神さまに撃たれた鉛玉疼く「さいごは恋の歌をのこせよ」    

042:学者   
死に至る涙の跡を切り取って病理学者はプレパラートに   

043:剥    
剥製になれない身体燃え尽きる前は誰かを好きでいさせて 

044:ペット  
向日葵の俯くあたり終の巣にペットを終えた子を送る夏

045:群    
朽ちるまで薄い地殻にもぐりこむ(誰か群発地震になれる?)

046:じゃんけん
誰かさんが世界の終わりをじゃんけんで決めたとしても消えるしかなく

047:蒸    
会うたびに過去蒸し返す人のこと気がかりで今 死にきれなくて

048:来世  
『来世では会いたくない人リスト』書く死を受け止める儀式のひとつ

049:袋
増殖と死を包み込む母はみな有袋類になっている夢

050:虹   
「きっちりと白黒つけてから逝け」と雲の切れ間に虹の遺言

051:番号   
死ぬ前に母に謝ることみなに番号をふるセンチメンタル

052:婆    
婆やにはすこし大事にされ過ぎて死ぬことなんか知らないで今

053:ぽかん  
風の無い空にぽかんと打ち上げたフライ必ずひとり死ぬはず

054:戯    
泣きません戯曲化されてあらかじめ決まった台詞で死んでゆくから

055:アメリカ 
ほろ酔いで誰か死ぬとは思わずにアメリカ同時多発テロ観て

056:枯    
明日吐く言葉が枯渇しましたと遺言カサリカサコソ風に

057:台所   
祝杯を最後に交わす約束とずっと過ごした台所(だいどこ)にいる

058:脳    
息を吐くことさえ支配する脳の死滅する日々生きてる不思議

059:病    
病葉の死にゆく様を二人してひとつのソーダの泡で見送る

060:漫画   
吹き出しにタブー押し込め漫画家は日々の憂いを刻んで生きる

061:奴    
死んだって(あんな奴ら)とひとくくり悪友が居てくれてよかった  

062:ネクタイ 
ネクタイをきつく結べば一瞬の記憶海馬を飛び出す危険     

063:仏    
野仏の雨ざらしゆえやわらかくすり減ることと違う日常   

064:ふたご  
ふたごって気付いた二人この日まで生きた日にちが違っていても

065:骨    
雨の日に散骨せよと言い残し何処がいいのか任されている

066:雛    
雛罌粟に風わたしにも風うまく揺られた方はきっと泣かない

067:匿名   
いくつもの仮名で生きて最後にはさよならさえも匿名のまま  

068:怒    
目立たない子だったねってポケットの喜怒哀楽をするするさする

069:島    
文字だけの記憶触れられない記憶ランゲルハンス島は遠くに

070:白衣   
なめらかな白衣の人の小走りに誰かの危機を知るアクセント

071:褪
傾いた太陽の足いたずらに奥の方まで褪せた絨毯

072:コップ  
宿題は雨を集めた紙コップ明日の朝まで虹を沈めて    

073:弁    
全身に逆流防止弁を持つわたしちっとも煮立たないのに       

074:あとがき 
そろそろとあとがきを書くペンを持つひとりで過ごす誕生日には

075:微    
分解者この身をきみに預けよう単に微生物とは呼ばずに    

076:スーパー  
おまもりにスーパー戦隊大全を持たされた僕 業火は笑う

077:対     
誰か飛べ、テロ対策が万全で隙間だらけの私の前で

078:指紋    
天国の扉認証システムに決して採用されない指紋       

079:第     
式次第の最終盤に控えてる「手紙・日記を破棄する儀式」

080:夜     
体温を放射冷却が奪う夜つないだ指もいつしか冷えて

081:シェフ   
きまぐれなシェフが多くてサラダさえ決まらぬままの最後の宴

082:弾     
弾丸を埋めた身体黒い服ばかり選んで夏を過ごして

083:孤独    
孤独なのですかそれとも人類が皆待っているところでしょうか 

084:千     
細胞の片隅にさえ留まらぬ「千度言うたのに」は言い過ぎで    

085:訛     
浮かれたら半音あがる独特の訛最期の言葉もあがる

086:水たまり  
水たまり飛ぶ勇気なく避ける日は最後の恋も回避している

087:麗     
麗らかに見えるはず無い死に顔が最後の最後の私だなんて   

088:マニキュア 
マニキュアの指だけたぶん変わらないサヨナラマタネと振れないけれど

089:泡     
いつの日か水に浮かんだ泡になるわが身に空や雲を映して    

090:恐怖    
足元にちいさな恐怖うずくまる力の限り蹴飛ばして行け 

091:旅     
旅の途中夢の途中の寄り道が長くなったね恋もしたから

092:烈     
いくつかの愛しい記憶鮮烈にそこに居たって温感がある

093:全部    
跡形が残らないよう気配まで全部剥ぎ取る全部捨て去る

094:底     
夏の日のプールの底のぼんやりと揺れるラインがゴールテープで

095:黒     
黒ばかり選んだ長いスカートのくるぶしあたりから透けてゆく  

096:交差    
存在と無の交差する一瞬にすこうし無理して微笑んでいて

097:換     
居なくなるわけじゃないただ天と地と水に溶け込む配置転換

098:腕     
ぎゅっと腕引き戻された感覚が残っていてももう戻れない

099:イコール  
死イコール涙では無い終わり方融けて流れて無くなる氷

100:福     
フィナーレは祝福の歌遠くから途切れ途切れに降る夢の中