かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

緊張の効果

2015年06月13日 | 気になる人々
女優の岸恵子は82歳になったのだというが、テレビのインタビュー番組で見た彼女はなんとまぁ、佇まいが美しく、おっちょこちょい風で、それがまた魅力的で、楽しい話ぶりに好感が持てた。

彼女いわく、女優として「外に出ればピカッとした笑顔を見せなければならず」、「ほかにも色々と緊張感を持つことを強いられた生活が美しさを保つ秘訣」で、「実年齢×8割と自分にハッタリをかけて」、お洒落にも気を使っているのだという。


そんな彼女を見ていたら、ある人を思い出した。

その人は一昨年まで同じ職場で働いていた先輩医師なのであるが、定年より数年早く臨床医を退き、日本赤十字社に転職したのであった。

先日、彼女が退職してから初めて会う機会があった。

はっきりいって、同じ職場にいたときは、いつも疲れた感じの表情をしており、患者さんに対してもどちらかというと愛想の良いタイプではなく、あまり魅力的には写らなかったのであるが、先日はびっくりするほど若々しくはつらつとして、明らかに肌の色艶もよく、岸恵子に共通したオーラを醸し出し、以前の彼女とはまったく別人のようであった。

日赤での仕事は臨床医とはまったく異なり、「ひとに頭下げてばっかりよ~」と言いつつも、嬉々として献血事業について熱く語っていた。


以前、こんなことを彼女に言われたことがある。

「呼吸器内科のセンセイはいいわよねぇ。肺がんは治らなくて当然だから気が楽でしょ?あたしたち血液内科は治すつもりでいるから、外来では再発していないかどうか、いつも緊張して診てるのよ。ストレスだわ」


あのときは私もまだ若かったから、反論できなかったが、同じ内科医でも、受けるストレスは違うのだということは知った。


まぁともかく、そんな緊張、ストレスから解放された彼女は、10歳くらい若返った様子であった。


どんな緊張感が人をイキイキさせるのかは、人それぞれだということである。

もちろん、イキイキ輝ける質の良いストレスにさらされていたいものである。
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