「連続長距離バス卍固め 」の巻

　某所（我が町）からすべての行程はバス。まさに「旅」・・・と、一人で満足感に浸りつつ数時間。
　途中、サービスエリアで２回、５分間のトイレ休憩がある。その隙に２本のニコチンを一気に補給する。あぁ、目眩が。
　バスもいいけど、禁煙がつらいんだよなー。
　東京駅の八重洲口で夜行長距離バスの「ドリーム高知号」に乗り換えるのだが、この界隈は「路上禁煙」だそうで、吸ったら罰金だぞ、と看板が出ている。そ、そ、そんな、ご無体な。

　煙草吸って国に税金を納め、自治体には罰金を納めろって？おいおい、この構図、おかしくないかぁ？あー、煙草吸いてー、１本だけ、いや、先ッチョだけでいい・・・・・・・・・
　と、そんなことばかり言っててもしゃあないんで、とりあえず煙草のことは出来るだけ忘れるようにして、車中で食べる弁当を確保することに。
　東京では、おにぎりがトレンディなんでしょうか。八重洲口にはざっと見ておにぎり屋が３つもある。１個１６０円の高級「鮭おにぎり」は、鮭がぎっしり詰まっていて頬の内側がキュンとするくらい旨かった。
　
　20時40分発「ドリーム高知号」は、乗車時に手渡される熱いおしぼり、タオル地のスリッパ（持ち帰りオッケー）、お飲み物はご自由にどうぞ、など心憎いサービスが満載だ。煙草が吸えれば言うことないんだが・・・あ、いかん。また煙草のことを思い出してしまった。

　２階の中ほど、３列独立シートの右側が私の指定席だ。
　毎度のことながらトイレ休憩は忙しい。立て続けに吸った煙に咽せつつ洗顔、歯磨きを済ませ、ささ、あとは寝るだけ。
　車中では、ポータブルオーディオだけがトモダチだ。
　この日のために仕込んできた「モーターサイクル★ダイヤリーズ」のサウンドトラック（確かアカデミー賞音楽賞受賞）をBGMに、シートを倒して睡眠体制に入る。
　バスの適度な揺れと、ときに哀愁に満ち、ときにストロークを効かせたフォルクローレがマッチして気分はすっかり南米大陸縦断。明日の朝、目が覚めたら、そこはクスコではなく、高知駅前という、ただそれだけの違いだ。