『覇権か、生存か――アメリカの世界戦略と人類の未来』
【著者】ノーム チョムスキー
【翻訳】鈴木 主税
【出版】集英社
【値段】998円
2006.09.25 CNN/APニュースより
チャベス大統領が国連で「推薦」の本、ベストセラーにニューヨーク──南米ベネズエラのチャベス大統領が国連で米ブッシュ大統領を非難する際に持ち出した、ノーム・チョムスキー著の「覇権か、生存か――アメリカの世界戦略と人類の未来」が、米国でベストセラーになっている。
言語学者のチョムスキー氏(77)が執筆した同書は、2001年9月11日の米同時多発テロ後における米国の対外政策を批判したもので、2003年に出版された。 強硬な反米路線を打ち出すチャベス大統領は20日、ニューヨークの国連本部でブッシュ大統領を「悪魔」と呼んでブッシュ政権の批判を展開。その際にこの本を取り上げて、国連総会の出席者に一読を勧めた。
演説後には記者団に対し、「米国人は、スーパーマンみたいな映画を観るより、この本を読むべきだ」と語ったという。 この「推薦」のおかげか、演説の翌日、オンライン小売り大手のアマゾンで同書は、前日の2万664位から人気が急上昇してベスト10入り。書籍大手のバーンズ・アンド・ノーブルでも、748位からトップ10入りした。
※ ちなみに日本のアマゾンでは21,186位だそうです。やれやれ
ミーハーなCeliaちゃん。もー、すぐさま注文した。
昨日届いて、さっそく読み始めた。
まだ7分の1くらいだけど、ここまで読んで思うことは、アメリカの考え方は確かに危険だということ、そして「最近、日本も似てきたなぁ」ということ。
つまり、こんなところ。
「先制攻撃と予防攻撃」(p.21)
先制攻撃は、国連法に違反する行為とされている。
しかし、アメリカは、近づいてくる爆撃機を打ち落とすのみならず、発射された(される)と思われる基地を事前に攻撃しても、これはあくまでも「予防」であり、国連法に反する先制攻撃にはあたらないとし、こうした予防戦争の開始を権利として主張しているという。
そー言えば、テポドン騒ぎの折、安倍官房長官、額賀防衛庁長官が打ち揃って「敵基地攻撃」に言及したが、「そっかー、あれはアメリカ受け売りだったのかー」という印象を改めて持った。
いやしくも日本の政治家なら日本の法、日本の精神に則して考え、主張してほしいものだと思う。
蛇足チャベスの演説にまつわる、ちょっと面白い話
【その1】
チャベス大統領は演説後の会見で「ノーム・チョムスキーが亡くなる前に会えなかったことが残念」と述べたとのこと。
しかし、チョムスキーさん、まだ生きてますってば
以来、チョムスキーを心配して彼のもとに送られた電子メールは1万通にのぼっているとか。しかし、それにちゃんと返信しているという元気な77歳。
おかげで、ノーム・チョムスキーは、マーク・トゥエインと同じく、生前に死亡説が流されたという珍しい有名人リストに仲間入りだそうだ。
【その2】
南米エクアドルの大統領選挙の最有力候補ラファエル・コレア氏(43歳)が、テレビで「ブッシュを悪魔にたとえるなんて、悪魔に失礼。悪魔は邪悪だが、知性はある」と発言したそうだ。
↓※そのときのテレビ番組が見られるサイト(BGMアリ)。スペイン語。 http://www.rafaelcorrea.com/
※右上の「Video」より、「Entrevista con Carlos Vera(カルロス・ベラによるインタビュー)」をクリック
エクアドル大統領選挙は確か10月15日投票。
エクアドルにはさすがに知人友人はいないので選挙運動はできないが、この人いいー!(顔もいいー)
ちなみに、左派だそうで。またしても南米に左派政権誕生か