らくがき・澪

澪。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

らくがき・梨子

梨子。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

らくがき・レイチェル

レイチェル。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

名探偵コナン「葡萄畑に薔薇の花」

ワイナリーの話。小五郎たちがワイナリーに行った理由とか言ってましたっけ? 契約の立ち会いってわけでもなさそうですよね。そもそもそういうのは探偵の仕事じゃないと思うし。単に見学に行っただけ? スーツを着て…。

小五郎はともかく蘭とコナンはワインを飲むわけにもいかないし、ちょっとつまらないかな…と思ったけど、あの葡萄畑の見学ができるのならいいかも。薔薇の花って実際に植えたりするのかな。役に立つんだろうし見た目にもきれいだけど、けっこう手間が掛かって大変なんじゃないかと思ったり。

百合香はなぁ。衝動的にやってしまったというのならともかく、あれだけ計画的に夫を殺すって怖いわ。しかも、平然と友人に罪をなすりつけようとしてたしねぇ。こんな人だったらそりゃ夫も離婚したくなるかも。ワインのことだけじゃなくて、いろいろあったんじゃないかと邪推してしまう。

小五郎、ワインを飲みまくってへべれけになるだろうと予想していたけどやっぱりね(笑)。ワイナリーじゃなくて帰ってきてからでまだ良かったけれど。ていうか、あのワイナリーどうなったんだろう…小五郎にお礼している場合でもないような…。

▼名探偵コナン アニメ感想等
名探偵コナン@SKY BLUE
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

らくがき・沙耶

沙耶。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

らくがき・レイチェル

レイチェル。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

らくがき・沙耶

沙耶。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

「東京ラビリンス」第40話・都合のいい男

「それで、おまえはノコノコ帰ってきたっていうのか?」
「そう言われても……帰るしかありませんよ……」
 広くはない悠人の部屋で、大地が声に怒気を孕ませつつ誠一に詰め寄っていた。基本的に人当たりのいい大地も、美咲のこととなれば我を忘れる。その迫力に圧倒されて壁際まで追いつめられた誠一は、間近に迫った大地の顔を、全身をこわばらせながら困惑ぎみに見上げていた。
 悠人はそんな二人を椅子に座ったまま眺め、そっと眉を寄せた。

 警察庁に出勤した誠一が帰ってきたのは、夜六時をまわった頃だった。
 そのとき、武蔵は田辺医師に銃創を診てもらっており、剛三は外せない用事のため会社の方へ行っていた。それゆえ、悠人はとりあえず先に話を聞いておこうと思い、誠一にここへ来てもらったのである。
 メルローズの居場所について何か探れたのか――それについて尋ねるつもりだったが、彼の口から語られた話に、悠人も大地も驚かずにはいられなかった。メルローズはおろか美咲とまで会っていたなど完全に予想外である。しかも、彼女は自らの意志でそこに留まっているという。それが事実であるかどうか確かめる術はないが、彼が嘘を言っているようには見えなかった。

「君は刑事だろう。なのに、何の手がかりも掴んでこないとはどういうことだ。密かに携帯電話を発信するなり、レコーダーで録音するなり、美咲のいた部屋に盗聴器やGPSを仕掛けるなり、何かしら出来ることはあったんじゃないのか?」
「そんな、無理ですよ」
 頭突きされそうなほど間合いをつめられ、誠一は壁に背を張りつけながら引きつり笑いを浮かべていた。
 大地の気持ちはわからないでもないが、そこまで要求するのは酷だろうと悠人は思う。聞いた話では手錠も目隠しもされていたらしいし、そもそも盗聴器やGPSなど用意していなかったはずだ。予想外の事態なのだから仕方がない。むしろ、自分たちが先回りして対策を立てるべきだったのだ。
「とんだへなちょこ刑事だな」
 大地はやり場のない怒りをぶつけるように言い捨てると、腰に手を当てて悠人へ向き直る。
「悠人、まだ場所は掴めないのか?」
「そう簡単にはいかないだろう」
 自室で休んでいた篤史に電話で依頼したのは、まだほんの数分前のことである。そんなに早く突き止めるのは当然ながら無理だろうが、時間を掛けても可能性は低いのではないかと思う。警察庁の出入り口にカメラがあるわけではなく、ナンバーどころか車種もわからないのでは、どの車を追跡すればいいのかさえわからない。雲を掴むような話なのだ。
「メルローズが警察庁の地下にいるっていうのも違ったようだな」
「たとえ警察庁の地下でも、そうと悟られないため車に乗せるはずだ」
 感情的になっている大地を刺激しないよう、悠人は淡々と答えを返す。そのおかげか彼は落ち着きを取り戻したようだ。ふうと大きく息を吐き出して体の力を抜くと、どさりとベッドに腰掛け、うつむいたまま膝の上で両手を組み合わせる。
「橘美咲さんを探して、どうするつもりですか」
 誠一が遠慮がちに尋ねると、大地は冷たい一瞥を流して答える。
「会いたい、話したい、今はただそれだけだ」
 それはおそらく彼の本心に違いない。悠人も同じ気持ちである。あんな伝言ひとつで易々と引き下がれはしない。もっとも、悠人に対しては伝言のひとつすらなかったのだが――。
「まどろっこしいな」
 大地はベッドからすくっと立ち上がった。強い決意を感じさせる面持ちになると、隣で椅子に座る悠人を見下ろして言う。
「長官に直談判に行くぞ」
「……わかった」
 悠人は少し考えてからそう答えた。場所を掴むことが難しい現状では、直接当たってみるのも悪くない。もちろん素直に教えてもらえるとは思わないが、対峙して反応を見ることで、何らかのヒントが得られるかもしれないからだ。
 しかし、異を唱えたのは誠一だった。
「待ってください! 橘会長に行動を起こすなと言われているはずです。それに、武蔵にもこの話をしてからじゃないと……」
 美咲だけでなくメルローズも一緒にいたのだから、武蔵にも話すのが筋だろうが、そうすると確実にややこしいことになってしまう。できれば、このまま誰にも邪魔をされず自分たちだけで向かいたい。悠人はそう思いながら上目遣いで大地を窺った。
「止めるなら、力尽くで止めてみろ」
 彼はまっすぐに誠一を見据え、研ぎ澄まされた本気を思わせる声で挑発する。
 誠一は表情を硬くして顎を引いた。しばらく物言いたげに大地を見つめ返していたが、やがてふいと背を向け、無言のままドアノブに手を掛けようとする。が、その手をすんでのところで大地が捻り上げ、鳩尾に固いこぶしを叩き込んだ。うっ、という小さな苦悶の呻き声とともに、誠一は膝から崩れ落ちる。
 足元にだらりと横たわったその身体を、大地は冷たく一瞥した。
「手足を縛って口を塞げ」
「そこまでするのか?」
「妨害されたくないからな」
 意識が戻ったら間違いなく武蔵や剛三にこの件を伝えるだろう。そうすれば途中で引き戻されかねない。仲間である彼にあまり手荒なことはしたくなかったが、この状況では仕方ないと自分に言い聞かせつつ、悠人は使えそうなロープやハンカチを探すべく立ち上がった。

「美咲と会わせていただけますか」
 執務机で不敵な笑みを浮かべる楠長官に怯むことなく、大地はにっこりと微笑んで本題に切り込んだ。しかし、楠長官もこう来ることは予想していたのだろう。唇に笑みをのせたまま余裕たっぷりに切り返す。
「彼女の言葉は伝わっているのかな?」
「ええ、だからここに来たのです」
「美咲さんに帰る意志はないようだが」
「でも、会わせてはいただけますよね」
 監禁ではないと主張している以上、会わせないなどとは言えないはずだ。いつもながら大地はこういう交渉が上手い。悠人が横目を流しながら感心していると、不意に、楠長官の矛先が自分の方へと向けられた。
「悠人、おまえも会いたいのか」
「……いけませんか」
 意味ありげな薄笑いを浮かべる楠長官が癪にさわり、思わずそう言い返したが、大地についてきただけと答えた方が良かったかもしれない。これでは悠人自身が美咲に会いたがっているみたいだ。いや、そういう気持ちを持っているのは事実だが、なるべくなら知られたくないことである。父親にはもちろん、大地にも――。
 楠長官は見透かしたように鼻先で笑い、再び大地に視線を移す。
「大地君、なぜ悠人なんかを連れてきたのかね」
「いけませんか」
 彼が間髪を入れずに発した言葉は、先ほどの悠人と同じものだった。その口もとにはうっすらと笑みが浮かんでいる。悠人に対する揶揄なのか、長官に対する挑発なのか、あるいは他愛もない冗談なのか、考えてみたところでわかりようがない。ただ、願望でしかないのかもしれないが、悠人には彼が味方をしてくれたように感じられた。

「チェックメイト」
 カツン――乾いた音を響かせながら白のクイーンを動かし、大地は宣言する。その声には隠しきれない愉悦が滲んでいた。悠人は盤上の駒を確認してから溜息を落とす。これでゲームセットだ。まるで勝てる要素のなかったひどい対局である。
「チェスなんて学生のとき以来だけど、案外覚えてるものだな」
 大地は腕を組みながら、革張りのソファに身を預けて口もとを上げた。もっとも悠人も同じく学生のとき以来ではあるが、そのことは敢えて口にせず、ソファに座ったままちらりと掛け時計に目を向ける。溝端が退出してから、間もなく指定の時間が過ぎようとしていた。
 二時間――。
 楠長官はそれだけ待てるならばと条件を提示し、大地の承諾を得ると、美咲をこの部屋へ連れて来るよう溝端に命じた。本当に二時間も必要なのかわからない。美咲のいる場所が離れていると思わせるために、無駄な時間つぶしをしているとも考えられる。だが、それを問い詰めたところで白状はしないだろう。ここで下手に事を荒立てるより美咲を待った方が得策だ。二人ともそう判断し、おとなしくチェスをしながら待つことにしたのである。
「そろそろですね」
 大地はくすりと笑うと、盤上から白のクイーンを手にとって軽く口づける。
 直後、複数の足音が廊下の方から聞こえてきた。まっすぐこちらへ近づいてくるのがわかる。その足音が止まるとすぐに扉が叩かれ、返事を待つことなくガチャリと開かれた。そこから入ってきたのは溝端、続いて――。
「美咲っ!」
 大地は顔を輝かせて、弾かれたようにソファから立ち上がった。すぐさま駆け寄り、覆い被さるように彼女の小柄な体を抱きすくめる。彼女は薄手の白いワンピースにカーディガンを羽織り、足にはサンダルという、まだ雪のちらつくこの時季には相応しくない格好をしていた。
「会いたかった……ずっと……」
「大地、みんなが見てる」
「見せつけてやればいいさ」
 艶やかな黒髪に手を差し入れて口づけようとする大地を、美咲は困惑ぎみに制止するが、彼は熱っぽく煽るようにそう言って強引に唇を重ねた。その言葉どおり、まわりに見せつけるように堂々と口づけを深くしていく。頬を桜色に染めて恥ずかしそうにしていた美咲も、次第に彼に応え、その広い背中に透き通るような白い細腕をまわしていく。
 悠人は見ていられなくなって顔を伏せた。微かなその音や息遣いを聞きたくなくて、わざと乱雑にローテーブルのチェスを片付け始める。盤の脇に転がされていた白のクイーンを見つけると、壊れ物を扱うかのようにそっと拾い上げた。
「そのくらいにしてもらえないだろうか」
 楠長官は悪戯っぽい口調で言う。
 我にかえった美咲は僅かに体を離してうつむき、初心な少女のように恥じらいの表情を見せた。澪に少し似ているかもしれない――悠人が片付ける手を止めて横目で窺っていると、ふと視線がぶつかり、互いに何ともいえない複雑な表情を浮かべる。瞬間、大地は彼女の顎を掴むように指を添え、もう一度クイッと自分の方へ向かせた。
「大丈夫だった? ひどいことされてない?」
「何ともないわ、このとおり元気よ」
 美咲は穏やかに微笑むが、大地はまるで幼子を心配するかのように覗き込む。
「帰りたくはない?」
「メルローズの生体エネルギーを安定させられるまでは、あの子のところにいるわ。私自身がそう決めたの。私がそばについていてあげないと……いいえ、私があの子のそばについていたいの」
 ほとんど誠一から聞いたとおりの答えであるが、実際に美咲本人の口から聞かされると、よりいっそうやりきれない気持ちになる。悠人はチェスの駒を片付け終えても顔を上げられなかった。大地もやりきれない気持ちは同じだと思うが、そんな感情は微塵も見せることなく、優しく落ち着かせるような声音で先を促す。
「そのあとは?」
「メルローズを救出したい……けれど、どう足掻いても無理よね……」
「無理じゃないさ。美咲が望んでくれるなら、僕はどんなことだってできる」
 顔を曇らせる彼女の肩にしっかりと手を置き、物柔らかに断言した。彼が本当にそう思っているのかはわからない。美咲を安心させるためなら平気で嘘もつくだろう。一方で、美咲が願うなら本当にやりかねないとも思う。たとえ、それがどれほど無謀なことだとしても。
「大胆不敵なロマンチストだな」
 楠長官はニヤリと笑い、執務机の上で骨張った両手をゆったりと組み合わせた。
「あいにく、そう簡単に実験体を手放すつもりはないがね」
「でしょうね。でも、私の方もそう簡単に諦めませんよ」
「面白い」
 彼の口角が不敵に吊り上がった。それに応じるように、大地も片方の口の端を上げる。そんな二人のやりとりを眺めていた溝端は、口こそ挟まないものの、あからさまに嫌悪の情を滲ませていた。攻撃的な大地の言動に対してはもちろん、真剣味の足りない楠長官の応答に対しても、部下として腹立たしく思っているのかもしれない。
 大地はあらためて楠長官に向き直り、美咲の肩を抱いた。
「今後はいつでも会わせてもらえるんですよね」
「残念ながらそうはいかない。研究内容も研究場所もこの国の最高機密でね。かつて我々を裏切ったことのある人間を、気軽に出入りはさせられないのだよ。今回、美咲さんをここへ連れてきたのは、君への温情で特例だと思ってほしい」
 楠長官の声はどこか愉しげだった。大地も微笑を崩すことなく答える。
「でしたら仕方ありません。美咲は連れて帰ります」
「大地!」
 真っ先に反応したのは、彼に肩を抱かれていた美咲である。その声には驚きと非難が入り混じっていた。切羽詰まった目で大地を見上げ、縋るようにシャツの胸元を掴み、黒髪を揺らしながら必死に訴えかける。
「お願い! メルローズに何かあったら、きっと大地を恨んでしまうわ」
「甘受するよ。僕が恨まれるくらいで美咲を助けられるなら安いものだ」
 大地はにっこりと微笑んで彼女の頭に手を置いた。美咲を守るにはそれしかないのだとすれば、どれだけ言葉を尽くしても覆せないだろう。彼はそういう人間だ。美咲もようやくそのことを悟ったのか、返す言葉を失い、漆黒の瞳を震わせてうつむいた。
 しかし、楠長官は諦めることなく反撃する。
「もし、実験体が暴発すれば、無関係な人も含め数百人が亡くなる試算だ」
「構いませんよ。美咲さえ守れるなら、誰がどうなろうと興味はありません」
 相変わらず大地は少しの動揺も見せない。が、美咲は息を呑んで表情を凍りつかせた。みるみるうちに顔面から血の気が失せていく。再び大地に向き直り、感情をぶつけるようにシャツの胸元を引っ掴んだ。
「大地! 私はやっぱり嫌よ!!」
 今にも泣き出しそうに叫んだ彼女を、大地は両腕でしっかりと抱きすくめた。そのまま耳元に口を寄せ、優しく言い聞かせるように言葉を紡いでいく。
「ねぇ、美咲、僕だってつらいんだよ。出来るなら君の言うことを何でも聞いてあげたい。でもね、美咲を奪われることだけは許せないんだ。ずっと僕と一緒にいてくれるって、僕のために生きてくれるって、そう約束したよね」
「それは……そうだけど……」
 美咲は困惑し、彼の腕の中で顔を曇らせる。
 そんな身勝手な約束は破棄すればいい――悠人は心の中で毒づく。それでもあえて口に出さなかったのは、美咲が橘家に帰ることには賛成だからである。おそらく大地だけが、この方法だけが、美咲を家に帰らせることが出来るのだろう。腹立たしさを覚えるものの、今は利用するしかない。
「メルローズのことは帰ってから考えよう。大丈夫、絶対に見捨てたりなんかしないから」
 大地の後押しに、美咲の瞳は小さく揺らいだ。彼のたくましい腕に拘束されたまま、広い胸に顔を寄せ、追いつめられたような表情を浮かべる。
「一つ提案だが」
 ふと、楠長官が執務机から声を放った。
 大地は眉をひそめたが、すぐに笑顔を取り繕って振り向く。
「何でしょう?」
「大地君、君も一緒に来てはどうだろうか」
 声を弾ませる楠長官とは対照的に、大地は訝るように顔を曇らせた。
「……どういうことです?」
「美咲さんに与えた個室で、君も一緒に暮らすんだよ。そうすればずっと一緒にいられるし、美咲さんも研究に打ち込める。もちろん自由に外出はさせられないが、実験体が安定して研究の道筋が立てられれば、美咲さん共々解放すると約束しよう。さすがに実験体までは渡せないがね」
 そう言って、楠長官はククッと笑う。
 無意識なのか、意識的なのか、美咲を抱きしめる大地の手に力がこもる。そのまましばらく無言で考え込んでいたが、やがて顔を上げ、揺るぎのない眼差しで楠長官を見据えた。
「いいでしょう、その条件で」
 凛然と答えると、腕の中の彼女を覗き込む。
「美咲もいいね?」
「ええ……大地さえ良ければ……」
 彼女は困惑しながらも承諾の答えを返した。メルローズを見捨てずに済み、大地ともいられるのだから、彼女からしても悪い話ではないだろう。しかし、視野を広げて考えると、決してこちらに有利な話とはいえない。悠人はソファから立ち上がり、険しい顔を大地に向けて意見する。
「馬鹿な真似はよせ。人質が一人増えるだけだぞ」
「何ならおまえも来るか? 」
 自分が行ったところで、さらに人質が増えるだけで何の解決にもなりえない。人の話を聞いていたのだろうか。悠人が訝しげに顔をしかめると、大地はくすっと笑って言い直す。
「僕たち三人で仲良く暮らすか?」
「…………」
「本気になるなよ、冗談だ」
 悠人はいつのまにか頬を伝っていた汗を手のひらで拭い、大地を睨めつける。それでも彼は悠然と微笑をたたえていた。美咲を抱いていた両腕を解くと、悠人の方へ歩を進めつつ言葉を重ねていく。
「おまえには澪と遥の面倒を見てもらわないとな。もちろん会長秘書の仕事もあるしね。それに、いざというときには僕らを助けに来てくれる人が必要だろう? おまえが外にいてくれるからこそ、僕は安心して美咲のもとへ行けるんだ」
 悠人は思いきり眉をひそめ、舌打ちした。
「勝手なことばかり言いやがって」
「頼りにしてるってことさ」
 大地はすぐ正面まで来て足を止めると、すっと手を伸ばし、包み込むように悠人の頬に触れた。ほのかな温もりが手のひらから伝わる。何だ? と怪訝に思うと同時に顔を寄せられ、抗う間もなく唇を掠め取られた。触れ合っていた時間は一秒もない。何の反応もできずに呆然としていると、間接キスだと思ってもいいぞ――と揶揄するような囁きが耳朶をくすぐった。
「じゃあ、行きましょうか。目隠しや手錠をするんですよね」
 大地は踵を返し、何事もなかったかのように平然と歩いて戻る。
 ありえない光景にさすがに唖然としていた溝端も、すぐに仕事の顔を取り戻し、楠長官に伺いを立てるような目を向けた。彼が頷くのを見ると、手を取り合った大地と美咲に感情のない視線を移す。
「来てください」
 そう言うと、大きく扉を開けて部屋を出た。大地と美咲もすぐあとに続く。出る間際、大地は満面の笑みを浮かべて手を振ったが、悠人は応えることなくただじとりと睨み返した。大地の隣で、美咲は申し訳なさそうに苦笑していた。
 ガチャン、と扉が閉まる。
 悠人は執務机についている楠長官と二人きりになった。気まずさを感じて微妙に体をそむける。いまだ感覚の残る唇を拭おうとするが、上げかけた手を戻し、さらに深く顔をうつむけて下唇を噛んだ。
「相変わらずいいように利用されているな」
「……言われなくてもわかっています」
 小馬鹿にするように言われ、背を向けたまま静かに言い返す。
 今さらこんなことで傷ついたりしない。中学生のときに出会ってから今に至るまでずっと、都合のいい存在でしかなかったことくらい承知している。大地は基本的に去る者を追わない。嫌なら去ればいいだけのこと。それをしないのは、どんな理由を付けたとしても自分自身の選択に他ならない――悠人は吐息を落とすと、楠長官に目を向けることなく無言で部屋をあとにした。


…これまでのお話は「東京ラビリンス」でご覧ください。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

らくがき・遥

遥。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

らくがき・ユールベル

ユールベル。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

らくがき・レイチェル

レイチェル。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

らくがき・七海

七海。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

名探偵コナン「消えた老舗の和菓子」

今回は「劇場版 名探偵コナン 絶海の探偵」のプレストーリーだとか。イージス艦に乗るために、前日から京都に来てたんですね。園子と蘭の目当ては京銘菓「京のとり」チョコ味。なぜかすべての店舗で全部消えてしまったとか。小五郎は依頼されたけどやる気なし(笑)。でも、コナンはこういうのも好きそうですね。

綾小路警部とは前日にも会ってたのか。シマリスはまだちゃんと飼ってますね!

蘭がすごい執念を燃やしていてちょっとビックリ。そんなに「京のとり」チョコ味が好きなのか。小五郎はまだしも綾小路警部(非番)にまで命令してますよ。でも、綾小路警部はなんだかんだいって協力してくれてます。ナンバーで照会とかNシステムとかさすが国家権力頼もしい。しかし小五郎は……ありゃダメだ…とはいえ蘭のおしおき怖すぎ!(笑)

犯人は菓子職人のみなさん。先代の嫌っていた抹茶やチョコ味は命日には出したくなかったからって。気持ちはわからんでもないけどな。こそこそ変な工作をするのは良くないよねぇ。話し合ってみればよかったんじゃ。

ピンクの車の女性はとんだ濡れ衣だったな(笑)。チョコ味は手に入らないし、密かに犯人扱いされるし、踏んだり蹴ったりですね。

コナンではめずらしいけど、こういう平和な事件もたまにはいいですよね!

▼名探偵コナン アニメ感想等
名探偵コナン@SKY BLUE
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

劇場版 名探偵コナン 絶海の探偵

某国のスパイに潜入されたイージスですね。あまりにもセキュリティとかゆるゆるで、海上自衛隊的にはこれオッケーだったのかな…と心配になるレベル。イージス艦のすごさはわかるんだけど、その国家機密満載のイージス艦にしては、乗組員の対応がお粗末すぎるというか…そうでなければ名探偵コナンとしての話が進まないのはわかるんだけど…。

ストーリーとしても序盤、中盤は地味な感じに進みますし、特に意外性もなく、肩透かし的なものもあったり。が、終盤にすべて持って行かれた感じ。終盤までは全部プロローグだったのかもしれません(笑)。

あとは和葉がむっちゃ可愛かったです! 平次の和葉への態度にもいちいち萌えたわ。カップルのふりとか、頭をわしゃわしゃして宥めるところとか…。平次はどうでもいいんだけど(酷)、平次に恋する和葉が好きなので嬉しかったです!

柴咲コウは最初から最後まで結構セリフがありました。そんなに悪くはなかったかな。緊張感のあるセリフだとあまり違和感ないけど、普通のトーンのセリフだと少しおかしく感じました。ていうか、柴咲コウ云々より、あのキャラの独特な眉毛が気になって仕方なかったです。薄いゲジ麻呂眉?(なんだそれは…)。京都だから麻呂っぽくしたの?

麻呂といえば、久しぶりに綾小路警部を見られて嬉しかったです。せっかく京都が舞台ですからね!

以下ネタバレあり。

コナンの新探偵グッズはUSB付き衛星電話腕時計。メールも送れるらしい(?)。イージス艦にこれ持って乗るなんてデータ盗む気満々としか思えない(笑)。携帯電話の持ち込みは禁止なのに持ち込んでるし、通信を探知されてもやめようとはしないし、立ち入り禁止のところに入りまくってるし、スパイと間違われて逮捕されても仕方のないレベル。事が起こってからならまだしも、何にもないときから規則破ってたしなぁ。ていうか、序盤はコナンが攪乱してたような気がする…いろいろと…。

イージス艦の中、セキュリティとかどうなってるの。あまりにもゆるゆるでなし崩しでこんなのでいいのかなと思ってしまいました。立ち入り禁止のところに簡単に入って行けちゃうし、入っていてもあんまり怒られないし、そのうちいるのが当たり前になってるし。いちばんありえないと思ったのは、民間人の小五郎に遺体の一部が見つかった件について相談したこと。あのセンシティブな状況ならなおさら隠すだろうに。今すぐ、と切羽詰まってたわけでもないのにねぇ。

京都で起きた殺人事件になぜ警視庁が真っ先に来るのかもよくわからなかった。京都府警の管轄じゃないの? 警察庁ならまだわからなくもないけど…。

Xは思わせぶりな人が何の捻りもなくXでううむ…勇気君との関係もすぐに予想のつくものだったし…。そして、笹浦さんを殺した犯人にいたっては肩透かし感が半端なかったです…。

Xは「あの国」のスパイ。相棒(ドラマ)みたいに架空の国にでもするかと思ったんだけど、一貫して「あの国」で通してたのには笑った。どう考えてもあの国って北朝せn(ry よりによってこんな情勢のときにってのがまた…。

この映画の見せ場はスパイを捕まえることではなく蘭の救出だったんですね。というか、そもそも訓練されたスパイに蘭一人で立ち向かうなんて無謀もいいところだぜ…まあ、黒の組織相手に格闘やって弾丸よけたりしてるから、今さらではありますね…。空手だけでは身につきそうもないすごい動きをしてるんだけど、他にも何か格闘技をやっているのだろうか。

海に落ちたときは、正直そんなに大ごとになるとは思ってなかったです。昔、平次もシンフォニー号(豪華客船)から落とされたけどピンピンして帰ってきたし(笑)。怪盗キッド(快斗)も豪華客船から海に逃げて泳いで帰ったりしてたし。現実だとそりゃどえらいことだけど、コナンの世界ではたいしたことないのかな…と何となく思ってしまってて。

助かることはわかってたんですけどね。助からないわけはないんですけどね。でも今回は演出やらみんなの涙や叫び声につられてすごい不安になってしまいました。つられて私もちょっと涙が出たよ。なにせ泣いたことのないコナンまで涙を流してましたからね。光彦の時計が思わせぶりだとはずっと思ってたけど、まさかそんな使い方だとは…電波を発信する方なら探知できるだろうけど、受信する方も探知できるの?? 知らなかった。そして小五郎の名刺には笑った。どれだけ持ってたらヘリで追えるくらいキラキラになるのよ(笑)。

来年もコナン劇場版やるみたいです。タワーみたいなのが映ってました。「京都タワー?」と同行者に訊いたら「スカイツリー」と言われたので多分スカイツリーです…少なくとも京都タワーではないわな(笑)。なんで京都タワーと思ったのか謎です。で、そのスカイツリーも爆破か銃撃か何かでボロボロになりそうなんだけどいいのかな(笑)。

ルパン三世 VS 名探偵コナンの予告もやってました。どんな話になるのかはまだわからなかったけれど。でもアレだよね。前回の最後でコナン=工藤新一ってばれちゃってるんだよね? どう考えてもコナンの分が悪い気が…。

▼名探偵コナン アニメ感想等
名探偵コナン@SKY BLUE
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

らくがき・澪

澪。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 前ページ