瑞原唯子のひとりごと

窮鼠はチーズの夢を見る


優柔不断な男と、彼に執着する大学時代の後輩の恋愛物語。

恋愛の嫌な部分を煮詰めたような作品だった。その煮こごりの中に一粒だけ美しいものがあるような感じ。映画としての出来は悪くないと思うけど、自分の好みではない。登場人物の誰のことも好きになれなかった。

流されるまま恋愛をしてきて誰にも執着しなかった恭一が、初めて執着したのが今ヶ瀬というわけね。この二人はもうお互いで完結しておいてほしい。つきあおうが別れようが傷つけあおうが好きにすればいいけど、これ以上、まわりを巻き込んで犠牲者を作るなよという気持ち。

恭一がどういう人間かわかってて近づいた大学時代の友人はともかく、職場の後輩女子は不憫だった。傍から見てると恭一は結婚に向いてないとしか思えなかったけど、本人にその自覚はなかったんだろうか。今度こそ誠実になるつもりだったんだろうか。結局なれなかったけど。

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