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『おさないイエズスの聖テレジア』企画:デルコル神父 文:江藤きみえ 7

2017-02-21 03:28:38 | リジューの聖テレーズ
『おさないイエズスの聖テレジア』企画:デルコル神父 文:江藤きみえ 7

 テレジアの心に、イエズスヘの愛が、しだいに強くなっていきます。

 まだご聖体のみ主をお迎えしていませんが、ミサにいくのが嬉しくてたまりません。まして、毎年さかんな聖体行列の行事が行なわれるご聖体の祝日は、まちどおしくてなりません。
 この日テレジアは、きれいな純白の服をきて、ご聖体を運ぶ神父さまの前に出ます。ご聖体のまえで花をまく役目をたのまれたからです。テレジアは、花びらを高く高くこ聖体にむかって投げたかったのです。地面にまくなんて思いもよりません。でも、夢中になっているテレジアに、おとうさんとお姉さんが、くり返していいました。

「それは、すてきなことだけど、徳の花をイエズスさまの前にまくのは、もっと大切だよ」

 そのチャンスがすぐやってきました。お散歩から帰ってきたある日のことです、

「お姉ちゃん、わたし、とっても、のどが渇いちゃった」と、台所にかけこんだテレジア。「そう、でもね、飲むのをちょっと待ったら、ぎせいをイエズスさまにささげられるわね、どう?」と姉。テレジアは、つかんだコップを離しました。《ええ、わたしは、ひとりの罪人を救うために、喜んでこのぎせいをささげるわ》と思ったのです。でも、わずか5-6才の子どもにとって、大きなぎせいでした。

 おとうさんは、娘たちを連れてよく川岸に散歩に出かけました。楽しみは、魚釣りです。そのあいだ美しい自然の中を走りまわる娘たちの楽しげな声が父の耳を喜ばせます。でも、テレジアは遊んでから、ひざまずいて、「おお、天のおとうさま、こんなにたくさんの美しいものを、つくってくださってありがとう」と感謝するのでした。


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