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アロイジオ・デルコル神父『十六のかんむり 長崎十六殉教者』、7

2016-10-31 02:47:46 | 日本キリスト教史
アロイジオ・デルコル神父『十六のかんむり 長崎十六殉教者』、7

 「へっへっへ!」とつぜん笑いだしたものがありました。

 「そんなばかなことがあるものか、もうちょっとりこうになりたいなら、そんなインチキのフィデス(=信仰)はすてたほうがよいぞ、でないと、いまにひどい目にあうからな」

 おや、ラテン語で話しかけたぞ?ミゲル神父さまは、きっと顔をあげて声の主をみました。ごうもんに負けて信仰をすてたトマス・アラキという神父です。ミゲル神父さまは、かれをま正面から射るようにみつめて、いいかえしました。

 「そのラテン語は正しい。だが、あなたが今いったのは、あくまのことばだ」

 うらぎりものは、はずかしげに顔をあからめて、目を伏せました。

◆ 水ぜめのごうもん

 3人は、あらあらしくひきたおされ、十重二十重となわをかけられました。役人は、かれらの口をこじあけ、大きなじょうごをさしこむと、ようしゃなく水を注ぎこんだのです。

「ぷうー こほん こほん……」

 せくやら むせるやら、もう息ができません。まっさおになって、気を失いかけているのをみると、こんなに、らく死なせてなるものかとばかりに、水をやめ、水でふくれたお腹のうえに板をのせました。

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