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志村辰弥神父『聖母マリアの崇敬』、2

2016-07-23 07:05:48 | 聖母崇敬
志村辰弥神父『聖母マリアの崇敬』

◆2、マリアはキリストのあがないの協力者

 次にマリアは、キリストのあがないの協力者であります。これは、マリアがキリストを産み育て、たすけて、最後までキリストに奉仕したことによって明らかであります。教会憲章は、これについても、「イエズスの宣教活動の間に、マリアはイエズスのことばを受け入れ、忠実に実行した。こうして信仰の旅路を進み、子との一致を十字架に至るまで忠実に保った。またマリアは、神の配慮によって十字架のもとに立っていたが子とともに深く悲しみ、母の心をもってこのいけにえに自分を一致させ、自分から生まれたいけにえの奉献に、心をこめて同意した」(第58節)と述べています。こうしてマリアは、キリストのあがないの偉大なみわざにあずかったのであります。

 ユスチノ(165年殉教)は、マリアをエヴァに対比させて

「蛇によってもたらされた不従順の罪は、それが行なわれたと同じ方法で打ち消されるに違いない。エヴァは、蛇のことばをつ受け入れて不従順と死を招いた。だからマリアは、大天使の告げを聞いて、従順にそれに従ったのである。こうして、第一のエヴァが堕落にあずかったように、第二のエヴァはあがないのみわざに直接あずかりたといえる」と証言しました。

 神は全能にましますから、マリアの協力なしにおん子をこの世につかわし、人類の罪をあがなわせることができました。またキリストのあがないも完全無欠であるから、これに加える犠牲は何も必要ではありませんでした。しかし、神はマリアをキリストの母として選び、その協力の犠牲をお求めになられたのです。それは、まことに深い奥義であって、マリアの協力にまじって人類の地位をいっそう高め、神との交わりをいっそう深めるためであったと思われます。ピオ一〇世教皇は、「キリストのあがないに当り、マリアはカルワリオまでキリストにともなわれ、それによってキリストが人類のために報償的功徳(正義によって与えられる功徳)によってあがなったものを、マリアは神のあわれみによる功徳によってあがなわれた。だからマリアは、キリストとともに人類を救ったといえる」と申しました。

 マリアが献げた全生涯の功徳は、その高い人格と完全な意向によって、日とともに増加し、晩年にいたっては、天使をはじめ全被造物の功績をすべて総合したよりも、はるかに偉大なものになりました。

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