新しく信者となった人々の中に、多くの武士があり、彼等は一旦信者となった後は、私が諸兄に書きあらわすことのできない位に、私達の親しい友となった。そして、私逡に、不信者の宗旨の教えを、丹念に説明してくれた。前にも言ったように、違った宗旨が九つある。その内容が詳しくわかってから、その教えの誤謬を明らかにするために、随分解読を探し求めた。それで私達は、毎日のように、その教えとその根抵とする所とについて質問した。これに対して坊さんや尼さんをはじめ、魔術師や神の教えを守ることのできない人々も、ろくに答えることができなかった。信者達は、坊さんが答えに窮すると大いに喜んだ。こうして毎日神への信仰が成長して行った。討論に加わる不信者の人々も、今までの宗旨の教えに対して信頼を失った。
聖フランシスコ・ザビエル 「書簡」30:17、1552年1月29日
聖フランシスコ・ザビエル 「書簡」30:17、1552年1月29日