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◆3、天使の三回目の出現

2016-07-09 07:55:29 | ファティマの聖母
アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド著(成相明人神父訳)『ファチマの聖母』1997年(原著初版1975年)

◆3、天使の三回目の出現

 三回目の出現は一九一六年の夏の終わりか秋の始めにロカ・ド・カベソでありました。イルマ・ルシアによるとその出現の様子は以下のようなものでした。

 「わたしたちはそこに着くや否やひざまずき、顔を地面につけて天使の祈りを始めました。『わたしの神よ、わたしはあなたを信じ、あなたを礼拝し、あなたに希望し、あなたを愛します…』何回この祈りを唱えた後だったか記憶していませんが、ふと気付くとわたしたちの頭の上の方に今まで経験したことのない光が輝いていました。それでわたしたちは何が起こっているのか見ようとして立ち上がると、左手にカリスを持っている天使が見えました。カリスの上にある御聖体からカリスの中に血がしたたり落ちていたのです。カリスと御聖体を空中に浮かんだままにしておいて、天使はわたしたちの脇にひれ伏し、次の祈りを三回唱えました」

 「至聖三位一体の御父、御子、聖霊、わたしはあなたを心から礼拝し、御子が嫌われる侮辱、無関心の償いのために、地上のすべての聖櫃にいらっしゃるイエズス・キリストの尊い御体、御血、魂、神性をあなたにお捧げいたします。そして至聖なる聖心とマリア様の汚れない御心の功徳を通じてかわいそうな罪人たちに回心の恵みを与えて下さい」

 「その後、天使は立ち上がってカリスと御聖体を再び手にしてわたしには御聖体を下さり、ジャシンタとフランシスコにはカリスに入っていた御伽を飲ませました。天使はそのとき『恩知らずの人間からひどく侮辱されているイエズス・キリストの御体と御血を受けなさい。彼らの罪のために償いをして、あなたたちの神様を慰めて差しヒげなさい』とおっしゃり、また地面にひれ伏して『至聖三位一体の御父』の祈りを三回唱えてから姿を消しました」

 「わたしたちを包んでいた超自然の力に促されてわたしたちも天使がしたとおりにひれ伏して、天使が唱えた祈りを唱えました。神様の存在がひしひしと感じられ、わたしたちは神様に吸い込まれてしまってほとんど無になってしまったかのように感じました。長い問わたしたちには体の感覚さえ無くなってしまったかのようでした。その後の何日間も、わたしたちは、まるであの超自然の存在かわたしたらを動かして下さったからこそ自分たらの体を動かすことができたように感じたものです。わたしたちが感じた平和と幸福は非常なものでした。しかし魂がまったく神に集中していたのでそれはとても内面的なものでした。わたしたちを押しつぶすような体の疲れも非常なものでした」

 「なぜか知りませんが、マリア様のご出現はこれととても違う結果をもたらしました。内面からくる喜びは同じでしたが、体が疲れる代わりにある種の開放的な活発さ.神の臨在の前に無になってしまうと感じる代わりに歓喜、話すことも困難になってしまう代わりに人々と分かち合いたくなるようなある種の熱意を感じたものです。しかし、わたしはこれらの感情にもかかわらず、特にある種の事柄に関しては沈黙を守るようにという霊感を受けました。調査のときわたしは答えを教えて下さる内的霊感を感じました。だからその答えがたとえ本当であっても、わたしがまだ秘密にしておかなければならないことの秘密は保つことできました」(回想録2の118ページ、4の322-326ページ、デ・マルキ54-55ページ、ウォルシュ43-44ページ、アイレス・ダ・フォンセカ122-123ぺージ、ガランバ・デ・オリヴェイラ58-59ページ参照)。

アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド著(成相明人神父訳)『ファチマの聖母』1997年(原著初版1975年) ◆4、

2016-07-09 07:54:20 | ファティマの聖母

アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド著(成相明人神父訳)『ファチマの聖母』1997年(原著初版1975年)

◆4、

 一九一六年の天使の出現に先だつ一九一五年の四月から十月にかけてその他に三回示現がありました。ルシアの他に三人の羊飼いの女の子一マリア・ローサ・マチアス、テレサ・マチアス、マリア・ジュスティーノが谷間の木の上の空中に何かが浮いているのを見ています。それは「透明にも見える、雪より白い雲のような人間の形でした。・・・日光のせいで少し透明になってしまった雪でできた彫像のようなー人間の形でした」。この描写はイルマ・ルシア自身によるものです。

(回想録2の110、4の316ぺージ、デ・マルキ50-51ぺージ、ウォルシュ27-28ページ、アイレス・ダ・フォンセカ119ぺージ、ガランバ・デ・オリヴェイラ51ぺージ参照)。


◆5、一回目のご出現 - 一九一七年五月十三日

2016-07-09 07:23:31 | ファティマの聖母

アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド著(成相明人神父訳)『ファチマの聖母』1997年(原著初版1975年)


★ 二章 聖母のご出現

 聖母マリアのご出現があったときルシア、フランシスコ、ジャシンタはそれぞれ十、九、七歳で誕生口は九〇七年二月二十二日、一九〇八年六月十一円、一九一〇年三月十一日でした。前述のように三人の幼い目撃著たちはファチマの町の小さな集落アルジュストレルに住んでいました。ご出現があったのはファチマからレイリアへの道路を二キロほど行った所にあるコヴァ・ダ・イリアと呼ばれる場所で、ルシアの両親に属する小さな土地でした。聖母がご出現になったのは一メートルほどの高さの柊の木の上のあたりでした。フランシスコにはマリア様が見えてもそのお声を聞くことはできませんでした。ジャシンタはマリア様を見ることも聞くこともできました。ルシアは聖母を見ることも聞くこともできましたし、話しかけることさえできました。ご出現の時刻は正午頃でした。

◆5、一回目のご出現 - 一九一七年五月十三日

 三人の子供たちがコヴァ・ダ・イリアで遊んでいたとき、彼らは稲妻のような光を二回見た後、柊の上に神の御母を見ました。ルシアの描写によれば、それは「太陽よりも輝いている白いお召し物を召された女の方でした。透き通った水を入れた水晶のコップに光り輝く太陽光線が当たったよりも透き通った、強い光がマリア様から出ていました」。ことばで表現できないその美しいお顔は軽く責めているような風で「悲しそうでも幸せそうでもなく、真剣でした」。その両手は祈っていらっしゃるかのように胸の前で上に向けて組み合わされていました。右手からはロザリオが垂れ下がっていて、お召し物はまるで光でできているようでした。上着の色は白、ベールの色も白で、金色で縁かがりされていました。それはマリア様の頭をおおい、足まで垂れ下がっていました。マリア様の髪も耳も見えませんでした。ルシアはマリア様の光り輝くお顔をよく見ることができなかったので、どうしてもそのお顔を掛写することができませんした。子供たちはマリア様から一メートル半ぐらいしかないすぐおそばにいたので、マリア様から出てそのお体を包み込んでしまっていた光の中に立っていました。対話の様子を以下に述べましょう。

アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド著(成相明人神父訳)『ファチマの聖母』1997年(原著初版1975年) ◆6、

2016-07-09 07:21:42 | ファティマの聖母

アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド著(成相明人神父訳)『ファチマの聖母』1997年(原著初版1975年)

◆6、

(注)

 面接の際ウォルシュ博士はイルマ・ルシアに、自分の手記の中では言葉どおりに書いたのか、それとも天使と聖母から告げられたことの全般的な意味だけを書いたのか尋ねました。イルマ・ルシアは以下のように答えています。

「天使の声には緊迫した、わたしたちを圧倒するような面、忘れることのできない超自然的現実性がありました。天使の言葉は、言われたとおりに、またいつまでも消えることなく、わたしたちの記憶に刻みつけられるようでした。それは聖母のお言葉ととても違っていました。聖母のお言葉はその一言々々が正確であったかは確かではありません。わたしが理解したのはその意味でした。わたしは理解したことを言葉にしたのです。これを説明するのは容易ではありません」(英語版のウォルシュ224ページ)。

 聖母から聞いたことをそのまま言葉にすることは困難だったので(これはある種の神秘現象と共通しています)、イルマ・ルシアはいつでも聖母が彼女に告げられたことを聞いたとおりに言おうとしていました。これはイオンゲン神父の調査の際明らかになりました。その一部を以下に再現してみましょう。

イオンゲン神父

 あなたが秘密を明らかにしたとき、聖母があなたに告げたことの意味だけを話すようにしたいと思いましたか?それとも聖母の言葉を聞いたとおり.再現するようにしたのですか?

イルマ・ルシア
 
 わたしがご出現のことを話すときわたしは言葉の意味だけに限定します。わたしはその出来事を書面に書くときはその反対に聞いた言葉をそのまま再現するように努めます。ですから秘密は聞いたとおりに書くことを望みました。

◆7、一回目のご出現 - 一九一七年五月十三日(3)

2016-07-09 07:19:38 | ファティマの聖母

アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド著(成相明人神父訳)『ファチマの聖母』1997年(原著初版1975年)

◆7、一回目のご出現 - 一九一七年五月十三日(3)


聖母

 恐れることはありません。わたしはあなたたちを傷つけたりしませんから。

ルシア

 あなた様は、どこから来られたのですか?

聖母

 わたしは天国から来ました。(マリア様は手を挙げて、天を指されました。)


ルシア

 あなた様はわたしに何をお望みなのでしょうか?

聖母

 わたしがここに来たのはあなたたちがこれから六カ月の間毎月十三日のこの時刻にここに来るよう頼むためです。わたしがだれか、わたしが望むことが何であるかは後で教えてあげましょう。その後わたしは七回目にここに帰って来ます。

ルシア

 そしてわたしも天国に行けるでしょうか?

===

イオンゲン神父

 あなたがすべてを覚えていたのは確かですか?

イルマ・ルシア

 そう思います。

イオンゲン神父

 ですから秘密に関する言葉はあなたが聞いたとおりの順序で明かされたのですね?

イルマ・ルシア

 はい。

===

聖母

 行けます。

ルシア

 ジャシンタは?

聖母

 ジャシンタも行けます。

ルシア

 ではフランシスコは?

聖母

 フランシスコも。でも彼はたくさんロザリオを唱えなければなりません。

ルシア

 ではマリア・ダス・ネヴェスは天国に行ったのでしょうか?

聖母

 ええ。

ルシア

 そんならアメリアは?

聖母

 アメリアは世の終わりまで煉獄にいることになります。あなたは神様があなたにお送りになるすべての苦しみを人々が神様を傷つけてきた罪の償いとして、また罪人たちの回心を噸って捧げてくれますか?

ルシア

 はい。

聖母

 そう?それならあなたはたくさん苦しむことになります。だけど神様のお恵みがあなたを支える力になるでしょう。

 「神様のお恵みが…という最後の言葉をおっしゃりながらマリア様は初めて両手をお広げになりました。そうすると非常に強い光がそこから出てわたしたちの胸を貫き、わたしたちの魂の一番奥深くまで達し、わたしたちはあの光そのものであった神様の中に、どんな上等な鏡に自分たちを映すよりもはっきりと自分たちの姿を見ることができました。それから深い霊感に突き動かされて、わたしたちはひざまずいて、心の中で「至聖三位一体の神、わたしはあなたを賛美いたします。わたしの神、わたしの神、至聖なる御聖体の中のあなたを愛しています』と繰り返しました」

 「すぐ聖母はこうつけ加えられました。『世界平和のために、そして戦争が終わることを願って毎日ロザリオを唱えなさい』」

 「マリア様はその後すぐに静かに東の方面に上って行かれ、遠くに見えなくなってしまわれました。聖母を包んでいた光はあかも星をちりばめたような青空を突き抜けて、マリア様の通り道を切り抜けているようでした」(回想録2の126ページ、4の330、336ぺージ、デ・マルキ58-60ぺージ、ウォルシュ52-53ページ、アイレス・ダ・フォンセカ23-26ページ、ガランバ・デ・オリヴェイラ63-64ぺージ参照)。