アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド著(成相明人神父訳)『ファチマの聖母』1997年(原著初版1975年)
◆6、
(注)
面接の際ウォルシュ博士はイルマ・ルシアに、自分の手記の中では言葉どおりに書いたのか、それとも天使と聖母から告げられたことの全般的な意味だけを書いたのか尋ねました。イルマ・ルシアは以下のように答えています。
「天使の声には緊迫した、わたしたちを圧倒するような面、忘れることのできない超自然的現実性がありました。天使の言葉は、言われたとおりに、またいつまでも消えることなく、わたしたちの記憶に刻みつけられるようでした。それは聖母のお言葉ととても違っていました。聖母のお言葉はその一言々々が正確であったかは確かではありません。わたしが理解したのはその意味でした。わたしは理解したことを言葉にしたのです。これを説明するのは容易ではありません」(英語版のウォルシュ224ページ)。
聖母から聞いたことをそのまま言葉にすることは困難だったので(これはある種の神秘現象と共通しています)、イルマ・ルシアはいつでも聖母が彼女に告げられたことを聞いたとおりに言おうとしていました。これはイオンゲン神父の調査の際明らかになりました。その一部を以下に再現してみましょう。
イオンゲン神父
あなたが秘密を明らかにしたとき、聖母があなたに告げたことの意味だけを話すようにしたいと思いましたか?それとも聖母の言葉を聞いたとおり.再現するようにしたのですか?
イルマ・ルシア
わたしがご出現のことを話すときわたしは言葉の意味だけに限定します。わたしはその出来事を書面に書くときはその反対に聞いた言葉をそのまま再現するように努めます。ですから秘密は聞いたとおりに書くことを望みました。