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「天狗の中国四方山話」

”中国の今”~中国に関する耳寄りな話~

No.1581 ★★ エヌビディア、安価な中国向け「ブラックウェル」発売を計画=関係者

2025年05月26日 | 日記
<ブログ引っ越しのお知らせ>

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「天狗の中国四方山話」

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ロイター (Liam Mo, Fanny Potkin)
2025年5月25日


 米半導体大手エヌビディアは 、最近規制を受けたH20モデルよりも大幅に低価格な人工知能(AI)チップセットを中国向けに発売する。写真はエヌビディアのロゴ。1月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[北京/台北 24日 ロイター] - 米半導体大手エヌビディア(NVDA.O), opens new tabは 、最近規制を受けたH20モデルよりも大幅に低価格な人工知能(AI)チップセットを中国向けに発売する。状況に詳しい複数の関係者が明らかにした。早ければ6月に量産開始される予定。

最先端AIチップ「ブラックウェル」をベースとし、価格は6500─8000ドルとH20の1万─1万2千ドルを大きく下回る。性能や製造要件の簡素化で低価格化を実現する。

高度な高帯域幅メモリではなく従来のGDDR7メモリを使用し、TSMCのCoWoSパッケージング技術も使用しない。

エヌビディアの広報担当者は、依然として選択肢を検討中としている。
同社にとって中国は依然として巨大な市場だが、米政府の輸出規制により市場シェアは95%から50%に落ち込み、ファーウェイとの競争が激化している。

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No.1580 ★★ 三菱自動車を協業相手に選んだ台湾・鴻海、独自開発した「高性能EV」は世界で通用するのか

2025年05月26日 | 日記
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JBpress (井元 康一郎:自動車ジャーナリスト)
2025年5月25日
 

2022年にプロトタイプが初公開されたクロスオーバー「モデルB」(写真:NNA/共同通信イメージズ)

一般的な自動車メーカーとは異なる鴻海のクルマ作り

 BEV(バッテリー式電気自動車)の世界市場への進出を目論む台湾の電子機器大手、鴻海(ホンハイ)精密工業。先進国メーカーとの最初の協業相手は日本の三菱自動車だった。

 5月7日に両社は業務提携の覚書を締結。三菱自動車は鴻海から供給されるBEVをオーストラリア、ニュージーランドに投入すると表明した。

 
図:共同通信社

 1974年に樹脂メーカーとして発足し、コンピュータ用基板をはじめとする電子部品分野で成長した鴻海の名が世界で一躍知られるようになったのは、米アップルのスマートフォン、iPhoneの製造受託だった。

 その鴻海がBEV専業メーカーとして鴻華先進科技(フォックストロン)を設立し、自動車ビジネスに乗り出したのは2020年。翌21年にはさっそく上級セダン「モデルE」、電動バス「モデルT」を発表。22年以降も新しい乗用車、商用車を間断なく公開している。
 

2021年に公開された上級セダン「モデルE」(©Walid Berrazeg/SOPA Images via ZUMA Press Wire/共同通信イメージズ)

 驚くべきスピード感だが、自動車開発の経験ゼロの鴻海が単独でそれをなしえたわけではない。同じ台湾の自動車メーカーで、日産自動車のモデルのノックダウン生産などで技術力と知見を蓄積してきた裕隆汽車(ユーロン)あってこその力技。フォックストロンも鴻海51%、裕隆49%の合弁会社である。

 鴻海の目指す自動車ビジネスの形態は完成車を作り、自社ブランドで売り切ったり、リースを行ったりという一般的な自動車メーカーとは根本的に異なる。電動バスについてはフォックストロンブランドで販売しているが、乗用車については他ブランドでの販売を前提とした開発・製造受託を志向している。

 基本となるのは独自の電動プラットフォームMIH(Mobility in Harmonyの略)で、それを活用したクルマ作りは大きく分けて2通りある。

 ひとつはフォックストロンがひな形となるクルマを作り、それに他の自動車メーカーのエンブレムを付けて売るバッジエンジニアリング。もうひとつはクライアントとなる自動車メーカーの商品企画について開発、製造を一括で受託するというものだ。

 三菱自動車との協業が最初に報じられた今年3月の時点では、三菱自動車サイドが鴻海との関係をどう捉えようとしているのかについては不明な点が多かった。

OEMを積極活用する三菱自動車の狙いとは?

 PHEV(プラグインハイブリッドカー)を得意とする三菱自動車にとってBEVを作ること自体はそうハードルは高くないが、小規模メーカーがPHEVとBEVの二正面作戦を展開するのは負担が大きい。その点、今後の動向が読みにくいBEVを鴻海にアウトソーシングするということ自体はまったく不自然ではない。

 問題は先に述べた鴻海のビジネスモデルのうち、三菱自動車がどちらを志向するかということだった。

 BEVにもある程度本気でかかるのであれば、三菱自動車のブランドイメージを強化するようなオリジナリティの高いものを出す必要があるため、開発・生産を一括で委託。BEVは傍流とみるのであれば鴻海があらかじめ作ったモデルのバッジエンジニアリングでしのぐのが理にかなう。

 BEVの投入先を販売台数の少ないオセアニア市場としたことで、当面の協業の形態はバッジエンジニアリングとなる公算が大だ。

 三菱自動車は翌日の決算発表でルノー、日産自動車からのOEM(相手先ブランドによる供給)を積極活用する方針も示していることから、鴻海との関係もその一環に位置付けていると推察される。

 となると、ユーザーの興味関心の対象はフォックストロンの作ったひな型モデルの商品性であろう。

すでに市販されているフォックストロン製「モデルC」のメリデメ

 バス、デリバリーバンなどの商用車を除いたコンシューマー向け乗用モデルとしてここまでフォックストロンが公開しているのは、以下の4モデル。
① モデルE
全長5.1mのEセグメントラグジュアリーセダン。2021年公開のプロトタイプは電動AWD(4輪駆動)で総出力は550kW(748ps)
② モデルC
全長4.6mの7人乗りクロスオーバー。2021年、モデルEと同時に公開されたプロトタイプは電動AWDで0─100km/h加速3.8秒を謳っていた
③ モデルB
2022年にプロトタイプが初公開された。全長4.3mのコンパクトクロスオーバーで、低価格レンジ向けの商品となる。
④ モデルD
 2024年に公開された全長5.1m、ホイールベース3.2m、スライドドア装備のラージクラスミニバン。超急速充電を受け入れる電圧800Vアーキテクチャを採用

 三菱自動車に供給されるのは③のモデルBとみられるが、現時点で市販開始にこぎつけているのは②のモデルC。提携先である裕隆汽車のサブブランド、Luxgenから「n7」の車名で2024年初頭にデリバリーが開始された。
 

2024年に台湾で発売された「n7(モデルC)」(写真:AP/アフロ)

 n7の販売は今のところ台湾の国内のみで行われているため、一般ユーザーが日本でドライブする機会はない。だが、発売から1年余りが過ぎ、現地では長期テストを含めてインプレッションが出そろいつつある。それらの概要をまとめてみよう。

●走行性能、動力性能は4.6m級クロスオーバーとしては標準的なレベルをクリアしている。重量は2輪駆動の長距離版で2.2トンとやや過大
●100%充電時のオンロードでの航続力は大容量バッテリー版で500km程度と、先進国メーカーの同格モデルに匹敵。充電速度も十分
●OTA(Over the Air=クルマのファームウェアのオンラインアップデート)機能を標準で備え、更新頻度も多い
●内外装の装飾性は高いが仕上げはトップランナーモデルに対して劣っている。とくに指摘が多かったのはインテリアの樹脂マテリアルの質感で、隙間も大きめ
 ●価格はインフレの影響を受けて上昇中で、スターティングプライスは120万台湾ドル(582万円/1台湾ドル=4.85円換算)。台湾における大衆価格の目安となる100万台湾ドル(同485万円)以内のモデルではなくなった。トップグレードは150万台湾ドル(同727万円)

三菱自動車のバッジをつけてユーザーの支持を得られるか

 台湾ではBEVの販売台数はまだ多くはないが、今年4月に日産自動車「アリア」が台湾カー・オブ・ザ・イヤーの大賞を受賞するなど注目度は上昇中だ。
 n7は台湾の独自開発による高性能BEVということで、台湾ユーザーからは誇らしく思われている。比較対象のリファレンスとされるモデルもテスラ、日産、アウディ、BMWなどBEVの強豪が多く、見る目も厳しい。

 そういった感情を含んだものとしてフォックストロン車の現在地を推測すると、中国勢、既存の先進国勢のキャッチアップに向けて成長途中といったところだろう。n7は初期にはいろいろ問題も起こったものの、その大半がOTAによって自動的に解消したというレポートが多くみられる。

 また発売後しばらくして支え棒がなくともボンネットを開放状態にできるボンネットダンパーが追加されたが、それがない仕様の既納客にもディーラーで追加する措置が取られたという。顧客満足度向上への取り組みはかなりアグレッシブだ。
 

7人乗りクロスオーバーの「n7(モデルC)」(写真:AP/アフロ)

 三菱自動車に供給されるとみられるモデルBはn7(モデルC)よりも世代が新しい。OEM供給を受けてラインアップを補完するにせよ、スリーダイヤのエンブレムをつけて販売する以上、評判を下げるような出来では選ばれまい。仮にも量産BEVのパイオニアである三菱自動車がこれでいけると判断しただけの出来は期待していいだろう。

 しかし、モデルBが日本に投入されるかどうかは現時点では未知数だ。現在、日本ではBEVの販売がきわめて低調で、導入のコストや手間を考えると三菱自動車にとってのメリットは薄い。また三菱自動車が自身の意思と技術を込めて作ったモデルではないだけに、クルマとしての出来が良かったとしてもユーザーの支持を取り付けるのは容易ではない。

 三菱自動車と鴻海の協業は現時点では拘束力のない覚書の段階であり、すべてはこれから始まる。鴻海は2027年までに日本にBEVを投入したいという意向を明らかにしている。モデルBのOEM供給で相互の信頼感が高まれば、鴻海開発のBEVの日本市場投入、さらにその先、三菱自動車の商品企画による開発受託にこぎつけられる可能性も出てくるであろう。
 

2025年4月、東京都内でEV戦略に関する説明会を開いた鴻海CSO(最高戦略責任者)の関潤氏(写真:ロイター/アフロ)

 開発受託は鴻海にとっても長期ビジョンの本丸であり、先進国メーカーで初となる三菱自動車との協業はそれを実現するための重要な橋頭保と言える。これからどんなストーリーが飛び出すのか、大いに楽しみなところだ。
 

2024年に公開されたラージクラスのミニバン「モデルD」(写真:AP/アフロ)

井元康一郎(いもと・こういちろう)
 1967年鹿児島生まれ。立教大学卒業後、経済誌記者を経て独立。自然科学、宇宙航空、自動車、エネルギー、重工業、映画、楽器、音楽などの分野を取材するジャーナリスト。著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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No.1579 ★★ Z世代にバズり中の「麻辣湯」旋風、地方都市へ拡大中 日清もカップ麺に採用

2025年05月25日 | 日記
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36Kr Japan  (by Chatani )
2025年5月24日

Z世代を中心にブームになっている中華料理の「麻辣湯(マーラータン)」。野菜や春雨などの具材を麻辣スープで煮込んだ料理で、これまで首都圏で店舗を展開してきた麻辣湯チェーンの「七宝」「楊國福」が地方都市に出店するなど勢いを強めている。日本の食品・外食企業でのメニュー採用も増えており、4月中旬には日清食品のカップヌードルに麻辣湯が登場した。

蘭州牛肉麺に続く中華麺
日清食品が数量限定で発売した「カップヌードル 14種のスパイス麻辣湯」。唐辛子や花椒、八角などの14種類のスパイスを使った「シビ辛」の麻辣スープが特徴だという。筆者も早速食べてみた。

ふたを開けると唐辛子と八角の香りがふんわりと広がった。スパイスと調味料が混ざった独特のにおいは、中国のカップ麺を連想させる。チンゲンサイやキャベツなど野菜は他のカップヌードルよりも多めの印象。日清食品によると麻辣湯の定番具材をトッピングしているという。



実際に食べてみると辛さは控え目
見た目や香りはスパイシーだが、実際に食べてみると辛さは控えめで、激辛料理が苦手な人でも食べられると感じた。パッケージには辛さレベルが表記されているが、5段階中2なので、食べやすさを意識しているようだ。

中国料理のカップヌードルは2019年の蘭州牛肉麺(販売終了)に続いて2品目。日清食品によると麻辣湯専門店が続々とオープンするなど、話題のグルメとして注目を集めていることから、麻辣湯の商品化が決まった。

タピオカバブルの再来?マーラータン店舗が密かに増殖中。火付け役はZ世代
【中華ビジネス戦記】

「メインのターゲットは20〜30代の女性ですが、辛いもの好きの方やカップヌードルシリーズのファンの方々など、幅広いターゲットを想定しています」(日清食品)

日清食品は「カップヌードル エスニック」シリーズとして「トムヤムクンヌードル」などを発売していたが、2020年にメニューをエスニック料理から世界各国の料理に広げた「世界のカップヌードル」シリーズとしてリニューアル。これまで同シリーズを11品展開している。



世界のカップヌードルシリーズとしてトムヤムクンの隣に。辛さレベルはトムヤムクンの方が上

麻辣湯は麻辣スープに肉や野菜、春雨などを入れて煮込んだ料理で、調理方法が比較的簡単なことが特徴だ。中国のマーラータンチェーン「楊國福」は中国国内で6000店舗以上を展開するなど、日本で言えば牛丼屋やファミレスのようなファーストフード的立ち位置にあたる。



しゃぶしゃぶ温野菜も5月21日に麻辣湯スープを導入
バーミヤンが2024年3月に台湾展(台湾フェア)で麻辣湯を販売するなど、日本の飲食チェーン店でメニューに採用される例も出始め、今後も流行りに乗ってチェーン店で目にする機会も増えそうだ。麻婆豆腐や回鍋肉などの四川料理も日本で広まるなかで日本式のアレンジ版が受け入れられていったように、麻辣湯についても今後、今回のカップヌードルをはじめとしたアレンジ版が増えていくのかもしれない。

中国B級グルメ「麻辣湯」チェーンが悲願の銀座出店。日本上陸から6年、客の7割が女性【中華ビジネス戦記】

阿生
東京で中華を食べ歩く会社員。早稲田大学在学中に上海・復旦大学に1年間留学し、現地中華にはまる。現在はIT企業に勤める傍ら都内に新しくオープンした中華を食べ歩いている。X:iam_asheng

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No.1578 ★★ 中国勢が日本で白物家電攻勢、「テレビ敗戦」の影 ダイキンに学ぶ戦い方

2025年05月25日 | 日記
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日経ビジネス (編集部長 大西 孝弘)
2025年5月24日



 5月に早くも気温が30度を超え、冷房を使い始めた方もいるかもしれませんが、赤道近くの猛暑地では年中冷房が必要な地域もあります。筆者は2024年2月にエアコン市場の取材で、アフリカ・ナイジェリアを訪れました。

 街中で目立っていたのは、海信集団(ハイセンス)や珠海格力電器など中国メーカーの家庭用エアコンでした。その中国勢の強い市場で真っ向勝負を挑んでいるのがダイキン工業です。同社は得意の省エネ機器をウリにするほか、コスト削減も進めています。インドから部品を輸入し、協力会社がナイジェリアでエアコンを組み立てることで関税負担を下げ、中国の価格競争力に対抗しようとしていました。

 特に印象的だったのは、上の写真で示した職業訓練学校の様子です。ダイキンは学校と提携し、空調の設置やメンテナンスを学ぶためのコースを開設。今後の市場拡大を見据え、サービスエンジニアの裾野拡大に力を入れていたのです。

 ナイジェリアは経済成長が続き、エアコン市場が拡大していますが、電力や輸送などのインフラは脆弱で、治安が悪い地域も多くあります。

 このように厳しい環境であえて戦いを挑むのは、あくなき成長を追求するダイキンの「アニマルスピリッツ」の表れではないでしょうか。日本が1990年以降の失われた30年の間にダイキンが成長し続けた理由を垣間見た思いがしました(ダイキンのアニマルスピリッツ アフリカ市場攻略の最前線を追う)。

攻撃は最大の防御
 中国の家電メーカーが、日本の白物家電市場で攻勢を強めています。海爾集団(ハイアール)やハイセンスなどの中国メーカーが、洗濯機や冷蔵庫などの商品ラインアップを拡充しています([新連載]ハイアールやハイセンス 中国勢、日本家電最後の牙城「白物」に迫る)。

 ハイアールが世界で生産する冷蔵庫は年間3100万台以上で、日本メーカーの約10倍です。そこで培ったコスト競争力が武器に、日本メーカーより割安な冷蔵庫を提供しています(「ハイアール、生産能力は日本勢の10倍 圧倒的低コストで白物家電拡充へ」)。

 テレビの世界シェア2位のハイセンスも、日本の白物家電市場に本格参戦しています。「テレビ制したハイセンス、白物家電にも攻勢 中国工場に日本向け専用ライン」の記事中で、ハイセンスジャパンの山本一人副社長は「値上げや高級路線の強化を進める日本メーカーが増えた中、我々のような価格競争力に強みを持つメーカーがシェアを伸ばせる余地は大きい」と語っています。

 世界の冷蔵庫市場では、中国ブランドは圧倒的な強さを誇ります。24年の日本の冷蔵庫市場において、中国ブランドのシェアは30%近くに迫ってきました。かつて日本勢の強かったテレビ市場が中国勢に席巻された「テレビ敗戦」の影がちらつきます。 

 5月23日に、経営学の世界的な権威である、カナダ・マギル大学経営大学院教授のヘンリー・ミンツバーグ氏が日経ビジネス創設の経営者向けコミュニティー「CEOカウンシル」に登壇しました(「知の巨人、ミンツバーグ氏の警鐘 不均衡な世界で『企業は“戦略的カイゼン”を』」」)。ミンツバーグ氏は以前のインタビューで、経営者の行動や意識が変わる鍵として、「起業家精神」を挙げています。

 ダイキンは世界の空調売上高で世界シェア1位の座にありながら、競争の激しい家庭用空調において中国勢と戦う姿勢を崩していません。攻撃は最大の防御なり。省エネ性能など商品特性を磨くと同時に、競合相手の得意領域でも臆せずアピールポイントをつくり出す。最後の牙城とされる白物家電市場において、日本勢が劣勢をはね返す鍵の1つは、このアニマルスピリッツにあるように感じます。

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No.1577 ★★ 中国産「希少金属」、輸出規制強化で密輸出が増加 海外市場での価格急騰が背景、当局が取締強化

2025年05月24日 | 日記
東洋経済オンライン (財新 Biz&Tech)
2025年5月23日 


中国産の希少金属の密輸出は、規制対象外の合金に混入させる手口などを使っているとされる。写真は中国産レアアースのサンプル展示(中国のレアアース大手、盛和資源控股のウェブサイトより)

中国政府は国家安全保障および国益保護の必要から、自国産の希少金属の輸出規制を強化している。ところが、その影響で一部の希少金属の取引価格が海外市場で跳ね上がり、密輸出の増加という弊害を招いている。

軍事転用可能なデュアルユース(軍民両用)物資の輸出管理をとりまとめる国家出口輸出管制工作協調機制弁公室は5月9日、商務省、公安省、国家安全省、海関総署(税関)などの関係省庁と合同で希少金属の違法な国外流出を防止するため専門会議を開催し、具体策を協議した。

関係省庁が合同で対策会議

希少金属の密輸出の増加は、中国政府が2025年2月にタングステン、テルル、ビスマス、モリブデン、インジウムの5元素を輸出規制の対象に加え、続く3月にレアアースのうち中・重希土類に分類される7元素を追加したことがきっかけになった。

「一部の外国組織と国内の不法勢力が結託し、密輸出の新たな手口を絶え間なく作り出して、(当局の)取り締まりをすり抜けようとしている」。上述の会議では、そんな実態に対する危機感が共有された。

関係省庁は今後、虚偽の輸出申告や第三国を経由した迂回輸出など規制逃れの典型的な手口を一致協力して取り締まり、国家安全保障と国益保護の維持を徹底するとしている。

中国政府が希少金属の輸出規制を強化した後、海外市場では一部の金属の供給が極端に不足し、取引価格が急騰した。そのため、同一金属の中国国内の市場価格と大きな落差が生じ、(一攫千金を狙う)密輸グループの横行を招いた。


中国政府はレアアースの輸出規制を外交上の武器として使ってきた。写真は「中東に石油あり、中国にレアアースあり」の標語を掲げる国有レアアース大手のウェブサイト

なかでも内外価格差が大きいのがレアアースだ。一例を挙げると、市場調査会社のアーガス・メディアによれば、酸化テルビウムのヨーロッパ市場での取引価格は5月初め時点で1トン当たり約3000ドル(約43万円)に達し、その前の1カ月間で3倍以上に急騰した。

一方、同じ時点の中国国内の市場価格は1トン当たり約1000ドル(約14万円)であり、約2000ドル(約29万円)もの内外価格差が生じている。

輸出許可の取得にハードル

そもそも、希少金属の輸出規制は輸出禁止ではない。合法的な取引は当局に申請して輸出許可を取得できるはずだ。しかし事情に詳しい関係者によれば、実際には審査の要件をクリアするのは困難だという。

中国の輸出管理法はデュアルユース物資に関して、輸出業者が(その物資の)エンドユーザーや最終用途を証明する情報を商務省に提出するよう義務づけている。

だが、金属素材は最終製品になるまでに何段階もの加工や転売が繰り返されるのが一般的だ。

「中国から輸出する時点で、貿易会社がエンドユーザーや最終用途を把握するのは難しい。輸出先の海外企業に問い合わせても、守秘義務の壁があり情報開示に消極的だ」と、前出の関係者は打ち明ける。

(訳注:記事原文が配信された後の5月中旬以降、少数の中国企業がレアアースの輸出許可を当局から取得したとの報道もある)

(財新記者:盧羽桐)
 ※原文の配信は5月9日

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